◆概要
騎動第四旅団は皇国陸戦軍の旅団。
騎馬と装甲車・自動車を組み合わせた高機動部隊である。第一戦団とともに、同軍の主力部隊である。
旅団の編制図
◆編成まで
・戦車部隊の廃止
それまで陸軍(→陸戦軍)は装甲第二騎団という完全に機械化された機甲部隊を保有していた。同部隊は戦車を主軸にしていたため、高い火力と突破力を誇った。しかし、それと同時に燃料や弾薬にかかる費用が膨大で、戦闘どころか移動するだけで一苦労な部隊であった。
このような高級な部隊も、戦う相手がいる時期は存在意義があった。しかし、一連の問題が解決したのち、軍縮の流れの中、こうした大部隊は国家予算を圧迫するものとして廃止を迫られた。
そこで兵部省は、部隊を削減しつつも、各隊の機動力を上げることで、数の不足を補えると考えた。
↑皇国では自走砲も多数製造されているが、大砲の大半はこうした牽引砲である。
・「機動旅団」構想
当時の陸軍が設けた研究会の答申は、「騎兵ヲ中心トシ、装甲車及ビ騎砲ヲ以テ其火力ヲ補」(う)ことで、戦車部隊に近しい火力・機動力を有する部隊を編成可能というものであった。
騎兵は火器の発展とともに戦闘の主役ではなくなっていたが、機動力はある。これに軽火砲や装甲車を加えるというのである。
↑装甲車は、戦車に比べ防御力では劣るが、機動力はとても高い。写真の五二式重装甲車は、半装軌式で路上走行時の速度もかなりある。
・部隊新編
編成にあたり、各地に分散していた軍馬の集結が図られた。また、部隊に配備される装甲車については、廃止される装甲第二騎団から抽出するものとした。これに加え、騎砲兵部隊に充てる軽量火砲を挺進(空挺)部隊から抽出した。
なお、装甲騎団から抽出されなかった戦車等は、独立戦車団を経て第一戦団に編入された。
↑当旅団に戦車はないが、第一戦団に配備されている。同戦団については後日解説する。
◆編成の特徴
↑履帯の外れた軽装甲車を牽引する装甲工兵車両
騎馬部隊と軽重装甲車を中軸とした、いわば「半機械化」である点が特徴である。
これらに加え、砲兵は輓馬、工兵や衛生兵も機械化され、全ての部隊が高速で移動することが可能。各部隊に物資を届ける輜重についても、自動車大隊の整備により、充実が図られている。
◆隷下部隊一覧
なお、皇国陸軍の基本編成は、分隊→小隊→大隊→旅団/戦団 である。中隊と連隊は一部で用いられる。
・旅団本部中隊
旅団全体の指揮・支援を行う部隊である。通信機器を備えた指揮車両のほか工兵班は装甲工兵車、衛生班は救急車を使用している。
装備品
五〇式小型乗用車 2両(II型(特)1両、II型(改)1両)
〇五(甲)式装甲工兵車 1両
・騎兵第1大隊
大隊長1騎と2個小隊*8騎からなる主力部隊。騎馬による高い機動力が持ち味である。乗馬しながらの射撃は高い技術を要する。そのため、軍内でも選りすぐりの兵士が揃っている。
*2騎で1個分隊、2個分隊(4騎)で1個小隊
・騎砲兵第73大隊
機動力重視の旅団ではあるが、火力も付与されている。重火器を装備するのが、この騎砲兵第73大隊であり、山砲2門と高射機関砲1門及び弾薬運搬車両を装備している。いずれも輓馬による牽引を想定しているが、山砲については駄載も可能。
装備品
〇一(丙)式山砲 2門
〇二(壬)式自動高射砲 1門
〇一(丙)式砲側輜重車 1両
〇二(壬)式高射砲側輜重車 1両
・装甲車第4大隊
装甲車4両からなる部隊。いずれも快速性に長けた車両である。軽装甲車(20mm機関砲装備)が正面戦闘、重装甲車(57mm戦車砲装備)が火力支援を行う。
装備品
五一式軽装甲車 2両
五二式重装甲車 2両
・自動車第4大隊
2個小隊(自動車4両)からなる部隊。物資の輸送(輜重)を主に担うほか、偵察任務も行う。
装備品
五〇式小型乗用車 4両(II型2両、II型(改)2両)
◆配備
(地図の赤い部分がこの旅団の担当区域)
首都を含む国の西半分を担当している。
○駐屯地
下記以外…西県皇都市
騎砲兵大隊、装甲車1個小隊…星郡星岬町
騎兵1個小隊…西県白田町
自動車1個小隊…北県外が島村
◆実戦
・第一次南洋危機 (対大公国)
海峡地方南岸に大公国が進駐した際に、対抗措置として騎兵第四旅団に戦闘機部隊と材料廠を組み込んだ第11軍が組成され、海峡北岸に展開した。この危機で実弾が放たれることは無かったが、第11軍の存在は大公国との外交交渉に大きな影響を与えた。
・プッチニ村国境事件 (対二重帝国)
皇国と二重帝国それぞれの海外領土が接する川の中州に位置する村の地位を巡って両国が争った国境紛争。二重帝国空軍が制空権を握る中、騎兵第4旅団は苦戦を強いられた。
なお、事件は同年に発生した「事件」によって民主連邦と関係が悪化した二重帝国が、挟み撃ち回避のため皇国に休戦を申し込む形で決着している。
■あとがき■
今年もよろしくお願いします。
最初の記事は騎動旅団について書いてみました。
この旅団は、もともと数年前に編成したものです。
先日、雪上部隊を作るなかでフィグを整理しつつ、この部隊について記事を書きたいよな、ということで書きました。
このようなリアル編制(編成)については、趣味の仲間で各々が工夫してやっています。そのなかで、僕の「騎兵」というのは、かなり珍しい部類に入るのではないかと思っています。まぁ、せっかく戦間期の時代感でやってるので、そこを活かすという点で、我ながら良いアイデアだったかなぁと。
また、小規模ながら、騎兵(歩兵)、装甲車両、火砲、輸送、工兵、衛生兵…と、様々な兵科をコンパクトにまとめられたので、満足しています。単体で動ける旅団なのです。
本文中にも言及がありますが、この旅団のほかに、戦車や高射砲を含む「第一戦団」という部隊も設定上存在しており、これについても内容が固まったらブログに書きたいです。
飛行隊や海防軍についても編制の設定はあります。それもおいおい。
昨年はなんとか「毎月更新」の目標を達成しました。
今年は「月2回(前半と後半)更新」を目指したいです。
おわり