〇一(丙)式山砲は皇国陸戦軍の山砲。同軍で広く用いられている軽砲である。
◆開発
山岳歩兵を支援するための駄載が可能な軽量砲、すなわち「山砲」として計画されたものである。
それまで、山岳地帯に進出部隊には、必要に応じて、空挺用の分解可能な大砲(五〇式37mm狙撃砲)が充当されていたが、全体的に火力不足であった。
↑五〇式37mm狙撃砲(分解状態)
そこで、新しい山砲には、7cm~10.5cm程度の口径で、さらに1分間に10発程度の速射性を有することが求められた。
馬3頭で運搬する口径10.5cmの試作1号山砲と、馬2頭で運搬する口径7cmの試作2号山砲が試作され、比較検討の結果、試作2号の採用された。
威力が小さくても、少ない人数・頭数で運用可能な方が、費用的に有利だったためである。この砲は元(01)年の11月(丙子の月)に制式採用されたので「〇一(丙)式速射山砲」と名付けられた。
演習場にて
◆構造
特に特徴のない外見をしている。軽量化・簡易化のため砲架は開脚式ではない。砲の右側に照準器、左側に操作ハンドルが位置する。
防楯は基本装備でないが、取り付けることが出来る。
射程はあまり長く無いが、7cm砲弾の威力はそこそこある。
◆移動方法
・駄載
車輪や砲架を運搬する車馬、砲身を運搬する砲馬の2頭が運搬する。
・輓馬
砲馬を以て牽引する。これであれば1頭で移動可能。
もちろん、鉄道輸送もできる。皇国鉄道の二軸貨車(丙ト200/210型など)に2~3門が載る。
◆型式
・一形
最初に生産された型式である。
・二形
量産型。牽引性能を向上させるために車輪が大型化された。
また、発砲時の反動や火炎を抑制するために、砲口が改良されている・
騎砲兵第73大隊に2門が配備されている。どちらかといえば騎兵に追従できる機動牽引砲という立ち位置である。この点、本砲は四七式歩兵砲の後継としてみなされていると言えよう。
現在の編成では、1門を輸送・運用するのに2名と2頭を必要とする。これが2門に、後述の輜重車(1名と1頭で運用)を加えて、騎砲兵大隊を構成する。
こうした騎砲兵部隊は、同口径の自走砲や機械化砲兵よりははるかに経費が軽いという利点がある。
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「騎動第四旅団」は、首都近郊に駐屯する皇国陸戦軍の中核的な部隊である。大戦役後の軍縮化の中、騎兵と騎馬砲兵、装甲車、自動車を組み合わせることで、機動力を維持しつつ費用を低減する目的のもとで編制された。─────────────────────
[〇一(丙)式砲側輜重車]
砲弾を運搬するための荷馬車である。速射山砲に合わせて開発され、こちらも分解して馬1頭(箱馬)に載せることができる。部品を減らすため箱自体が荷台となるのが特徴。
■あとがき
分解して駄載できる火砲として作ってみたものになります。
分解できるほかは特徴が無いですが、ジオラマに組み込みやすいサイズで、全体的に使い勝手は良いです。量産性も良いです。
スペック的には四一式山砲が近いと思います。
おわり