大相撲総括2 その他の力士について | MMA宇都宮の格闘日記

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先場所台風の目となった大の里。
結果として新関脇の地位で9勝6敗はまずまずといったところ。
しかし得意の右をささせないように他の力士達から徹底して対策を練られた。
このまま大関昇進まっしぐらかと思われたがやはりプロの世界は甘くないのである。
まあ本人も師匠も大きく伸びる為の成長段階という認識通りなら、今場所できた課題はより成長する為の糧となるものであろう。
四つの攻防を今後はしっかり磨いて行って欲しい。

そして活躍が目立ったのが平戸海。
新小結という地位で見事10勝して見せた。
178㎝、138kgと小柄な身体。
しかしスピード、パワーに溢れている。
体重の重い突き押しの力士達と真っ向勝負しても決して押し負けない。
相当に強い足腰、バランスの持ち主である。
体重は軽いが筋力は相当なものだと見ていてわかる。
これからも正統的な動きで更に活躍して欲しい。

そして残念なのが貴景勝と霧島。
貴景勝は負け越してしまい、大関から陥落が決定した。
来場所10勝で大関復帰が可能となるが、今場所の動きを見る限りかなり厳しい状況である。
相撲を続けていくなら思い切った改革も必要だろう。
体重ももっともっと絞ったほうがいい。
押し相撲と言っても体重が重ければいいというワケでもない。
適正体重というものがある。
もっと動けるようになるには減量が必要と思われる。
背も低いので前褌をとって攻撃するバリエーションを増やしたらどうか?
攻撃の幅が広がると思うのだが・・・・。
スタイルを変えるのは難しい。
多くの力士達が怪我によりスタイルの変更を試みるも、成功せずに引退を余儀なくされたのを沢山みてきた。
数場所かかっても良いので新しいスタイルの貴景勝を見たいのである。

そして霧島。
大関から関脇に陥落し、今場所10勝で大関復帰の場所だった。
だが残念ながら10に届かず。
まだ大関になったばかりという印象だったが、早くも陥落してしまった。
大関に返り咲くのは至難の技である。
ここは貴景勝同様自分のスタイルをもう一度じっくり見直していく必要があるだろう。

これで大関は琴櫻と豊昇龍の二人となってしまった。
琴櫻は今場所も10勝をあげ、勝ち星から見れば何とか恰好がついた。
しかし優勝争いには加われなかった。
総合バランスの良い力士だが、力強さに欠けるのが勿体ない。
腰高な点もあり、勢いのある押し相撲に一気に土俵の外に持って行かれる取組みがままある。
パワーアップと低重心を心がけて次回以降優勝争いに加わって欲しいものだ。

 豊昇龍も大関の職責を果たしているとは到底いえない。
この力士、良い時と悪い時の差が大き過ぎるのだ。
悪いなりに粘って何とか勝ちに繋げるというのがない。
運動神経が良く、相手の前に出る瞬間に合せるタイミング・スピードは大したものだ。
柔道で鍛えた足技を投げの際にミックスしており、それが一瞬の逆転の見事な勝利の手助けをしている。
残念なのは型が無い事だ。
型がないのが豊昇龍だ。
逆説的に言うと何でもできるオールダウンダーだと親方は褒める。
しかし、やはり強い力士には型は必要であると俺は思っている。
今場所は大事な終盤で膝を怪我してしまって休場してしまった。
しっかり治して次回の場所は優勝争いに絡んでほしいものだ。
それが大関の職責の一つなのだから・・・。
有能な若い力士達が勢い乗って大関に昇進する。
しかし次は横綱か?などと騒がれてもことごとくその壁を超えられずにいる。
それどころか職責を果たせないまま陥落していく昨今の流れは見ていて寂しいものがある。
照ノ富士も辞めるに辞められないだろう。
このままの状態なら来場所膝の状態が悪ければ照ノ富士は休場させてでも周囲の関係者が延命を図るかもしれない。
そして休んだ次の場所に出場する・・・。そんな事の繰り返しにならざるを得ない。
今のところ横綱になれそうな大関は琴櫻しかいないのである。
手負いの横綱、優勝争いに加われない大関陣、ファン、相撲協会関係者など多くの人達の心配はまだ続きそうだ。
来場所以降そんな懸念を吹っ飛ばす力士達の奮闘を臨んで総括としたい。