仕事でホンダ モトラ50のお相手をしました。
初めてお相手するバイクなので、ちょいとばかり調べてみると、
スーパーカブ系のエンジンに、副変速機を追加した
オフロード走行性能を重視したバイクらしい。
お相手したバイクがこちら。
エンジンに多少のくたびれが見られますが、ヘビーデューティーを
目指している割には綺麗な車体です。
こちらのオーナーさん、外国の方で日本語は少ししか話せない。
実は今回のご依頼で2度目。
前回はモトコンポの球切れが発生するので、レギュレーターを
付けてくれってご依頼でした。
今回はと言うと、事前の説明では(私の聞いた感覚では)、
携帯直訳だと「電力が低い」との説明だったので、
「充電系が弱いのでどうにかしてくれ」だと思ったのだが、
よくよく聞くと「ヘッドライトのローが暗く、ホーンの鳴りがおかしいので
改善して欲しい」らしい。
なにしろ携帯翻訳が介在した説明なので、若干要領を得ない。
(;´Д`)
では、調べてみましょう。
ホンダ系小排気量バイクのセオリー構成で、ヘッドライトはジェネ電源
使用のAC電源で、ウィンカーやホーンは半波整流のDC電源使用
です。
ご来店前に少し距離を走って来たそうで、
シート下のバッテリー電圧は6.4Vと問題無い値。
充電系は大丈夫。
次にジェネレーター発生電圧を測ります。
電圧測定の前に、ライトに使用している黄線(低目側)と
DC電源に使用している白線(高目側)のアース間抵抗値を測ります。
ここが高いと、ジェネで発生した電圧が有効に使えない。
次に本題の電圧測定。
アイドルよりチョイ開けた状態の電圧で、
黄線が8V強で、 白線が10V ぐらい。
回転数を測っていないので、正確な比較ではありませんが、
思っていたほど黄線と白線の差が無い。
感覚としては白線は黄線の10%増しと言ったところでしょうか?
ネット記事には相変わらず「電装系12V化」が掲載されていますが、
ジェネコイルを換装した場合は別ですが、このままのコイルでは
12V化は無理です。
ヘッドライトはハイ・ローとも暗めで、この時期のホンダバイクは
「こんなもんでしょう」状態で、やはり不満の出るレベル。
ロー側に不満を示されていたので、ハイ・ローの回路抵抗を
調べてみます。
先のジェネ配線ギボシ端子から、ヘッドライト球ソケット手前の
ギボシ端子まで、ライトスイッチを通った抵抗を測定します。
ハイビーム回路 ほぼ0Ω 、 ロービーム回路 数十Ω~kΩ
ロービーム側が抵抗が大きめで、スイッチを操作する度に抵抗値が
変化します。
スイッチを開けました。
スイッチをバラすと、接点やボール,スプリングが飛び出すことが多く、
あまりバラしたくない。
接点復活剤を吹いて数回操作。
エンジンを始動してヘッドライトを点灯してみましたが、
あまり満足できる効果は無し。
仕方なしにハイ・ロー切り替えスイッチをバラしました。
(パーツが飛ぶので画像は無し)
接点を磨いて再組立て。
あとできるのは、少しでも電圧が高くなる様に接続変更するだけ
です。
ジェネ配線の白線ギボシをW端子に変更して、メインハーネスの
白線,黄線ともこの端子に接続します。
これで電圧上は10%程度向上するはずですが、
負荷電流が上がるので、実際にはオームの法則に則り電圧は下がる
ので、気休め程度にしか照度向上しないでしょう。
まあ、出来る事はこれぐらいかな。
鳴りの悪いホーンは、非分解なのでネジ調整のみです。
ちょっと調整して、鳴らない事は無い ぐらいになりました。
(音がビ.ビ~ ではなく、プ~ だからね)
会話が上手く成立しない事が多いので、これで満足してもらえるのか不安です。 (;´Д`)
お引渡しですが、お金をくれたので大丈夫だったんだろう。(笑)
おしまい