仕事でホンダGB250と、ヤマハビラーゴ250のお相手をしました。
まずGB250 ↓
こちらのバイクは、以前、「ヒューズが飛ぶから見て」と言われたけど、現象が再現せずにお返しした事があるバイク。
今回は、「エンジンが始動できないので見て欲しい」と言うもので、
ご近所ショップさんのご依頼。
ショップさんがいる間に、現象を見せていただきます。
セルを回している間は、エンジンが点火しているようですが、
セルボタンから手を離すと、エンジン回転が継続しない。
色々試すと、サイドスタンドを上げると、ちゃんとエンジン回転が
継続する。
「エンジンの安全インターロックをキャンセルするよ」と言って、
お預かりする事に。
常時サイドスタンド上げの状態を作るかな、なんて思っていましたが、
安全サイドから考えると、あまり良い方法じゃない。
画像に青い物が見えていますが、こいつが社外製のイグナイター。
ここに掛かる電圧が異常になっている様です。
この回路を配線図で順次追っていくと、クラッチレバーやニュートラル，サイドスタンドの回路に、
各回路を組み合わせる、ヒューズボックスに内蔵したダイオード。
それぞれ導通や、ダイオードのパンクなどもチェックしますが、
特に問題は無し。
では、イグナイターに至るインターロック回路の電圧を測定して
みましょう。
イグナイターに行くインターロックの配線は緑／白の線。
ここの電圧は、エンジン始動できない状態では1V弱～数Vの値で、
サイドスタンドを上げると、完全に０V。
だけど、サイドスタンドを降ろして、ニュートラルの状態だと40ｍV
ぐらい。 40ｍVって、0.04Vでほぼアース電位だよ。
でもエンジン点火しない。
イグナイターの緑／白線回路を、アースに落とします。
これで、常時サイドスタンドが上がった状態と同じに。
無事エンジン始動しました。
イグナイター側はインターロックなしになりましたが、セルボタン側の
インターロック回路はそのままなので、ある程度の安全は確保できて
います。
不具合の原因は、多分、社外製イグナイターの経年劣化でしょうね。
40ｍVでアース判定しないのがおかしい。
次、別の日にヤマハのビラーゴです。 ↓
こちらは、メーターを付け替えたけど、ウィンカーインジケーターが
右は反応するけど、左は反応しないと言うもの。
ネットより
こんなメーターが付いておりました。
メーターを調べたら、各インジケーター回路は、デイトナ製と同じ
回路構成のLEDを使ったインジケーター。
異常の現象を見ると、ウィンカーを操作していないのに、
キーONでウィンカーのランプが点灯します。
ウィンカーを右に操作すると点滅し、左に操作しても点滅しません。
なんだ？
このコネクターが、メーターインジケーターに関係するコネクター。
まず、左ウィンカーの回路には接続がありません。(;^_^A
インジケーターの配線は、緑がニュートラル，黄がウィンカー，
青がハイビームで、それぞれの色に黒帯が加わると、
その回路のマイナス側配線です。
画像で、既に1本コネクターから抜き出していますが、緑と黄が
同じ端子に抱き合わせてあります。
ここにメインハーネスのプラスが入っている。
もう気が付いた方もいるかもしれませんが、おかしいですよね？
緑にはプラスが入って、ニュートラルスイッチがアースすると
ニュートラルランプが点灯する回路。
黄のウィンカーは、黄の線にウィンカーの信号が入って、
インジケーターLEDのマイナス側はアースに落ちて、
ウィンカー本体が点灯すると、同時にインジケーターが点灯する
回路じゃなきゃいけません。
なので、繋ぎ間違えですね。
ウィンカーインジケーターのマイナス側は、右ウィンカーの回路に
繋がっていました。
これで不具合現象の回路が分かりました。
緑の線は黄を切り離して、1本でプラスに繋ぎます。
切り離した黄の線は、インジケーター１つに対し、ウィンカーは左右で
２つですから、このままでは接続できないので、
コネクター直後にダイオードを追加します。
ダイオードは左右ウィンカーにそれぞれ接続。
ウィンカーインジケーターのマイナス黄／黒線は、アースに接続。
アースがハイビームインジケーターもあるので、２本抱き合わせに
なりました。
これでOK。
試験をして正常動作しました。
GBはちょっと難しかった。
ビラーゴは簡単だった。
共に作業１日でお引渡しでした。
良かった良かった。
おしまい