お仕事でV-MAXのお相手 | 退職してバイク電装屋

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自分のDUCATI SS900ieやKATANAⅢ型カタナのメンテ,お仕事のバイク電装作業中心のブログ。
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仕事でヤマハV-MAXのお相手をしました。

 

お相手をしたのは、こちら↓

V-MAX

 

このバイクの直前に、

SR400

ヤマハのSR400カスタム車のお相手をしていましたが、こちらは

エンジンを掛けないとライトなど電装系が使えないと言う事象で、

 

単純にバッテリーのヒューズ切れだったので、ブログ掲載は

無しです。

 

両車ともに部分的にストリップなので、察しの良い方はお気づきで

しょうが、ご近所ショップさんからのご依頼です。

 

ちょっと違うのは、V-MAXの方はお客様のバイクではなく、

ショップ所有のバイクって事で、

 

かなり以前からカスタムした形態のV-MAXがあると知っていました。

 

ずっと動かしていなかったんでしょうけど、カスタムがえげつない。

 

ラジアルキャリパー

フロントは倒立にブレンボのラジアルキャリパー。

 

マスターはクラッチ共々ブレンボラジアル。

 

スイングアーム

リヤスイングアームもワンオフ品(?)で、

削出しリヤキャリパー

リアキャリパーも削り出し品。

 

この位置に付くキャリパーに、量産販売品は付かないよね。

 

バナナサイレンサー

反対側にはチタンマフラーのバナナサイレンサーが出ています。

 

テールカウル

今載っていないガソリンタンクも、このテールカウルと同様デザインの

タンクが乗っていました。

 

前置きが長くなりましたが、ご依頼の内容はと言うと、

旧メーター

「壊れやすいこの海外製メーターを取り替えて欲しい」と言うもので、

交換予定のメーターはネット購入の1万円以下の品物。

 

しかも、接続配線図が有りません。 (ノД`)

 

社名では無さそうな「JG・work・shop」と読み取れるメーター文字盤の

記載から、メーターの資料を探します。

 

まず見つかったのが、取り付けを行ったブログ記事。

 

こちらには、画像付きで使用用途別のコネクターピン配列が

載っていました。

 

続いて見つかったのが、Amazonのレビュー記事。

 

こちらには、配線色毎の使用用途と、メーター設定方法が記載して

ありました。

 

ネット記事のおかげで仕事が完了する事が多々あり、

本当に助かります。

 

メーター側は大体把握できましたが、今度は車体側です。

 

V-MAXの配線図はありません。 XJRの配線図から推測します。

 

今までのメーターの配線接続図も無いので、旧メーターの接続状態

から車体側の配線を調べる事もできない。

 

作業前フロント廻り

接続先コネクターだけは分かったので、旧メーターは躊躇なく

バンバン切り離します。

 

作業前ライトケース内

切離しを終えたライトケース内、スッキリしました。

 

接続を始める前に、新メーターの機能を確認。

 

事前調査結果を基に、仮配線を接続して、インジケーター類を

確認します。

 

単体で確認できる機能はOK。

 

Amazonレビュー通り、燃料計に接続先が無いと液晶指示が点滅するので、レビュー通り回路模擬の抵抗を接続する事にします。

 

幸い、手持ちの100Ωの抵抗がマッチするようです。

 

では、接続をしましょう。

 

メインハーネスコネクタ

純正メインハーネスのメーター用コネクターから、

ライトケース内コネクタ

新メーターのコネクターまでの配線を作って接続。

 

新メーターの6極コネクターは、ギヤポジション表示用なので、

配線は接続しません。

 

本当はここを少しいじってあります。

 

6極コネクターにギヤポジ用の1~5速端子とニュートラル端子が

入っていて、

 

2極コネクターに1本、ギヤポジの6速端子が入っていましたが、

ギヤポジは使わないし、6極コネクターのニュートラル端子だけ使う

形態はよろしく無さそうだったので、

 

6極コネのニュートラルと、2極コネの6速を入れ替えました。

 

これで、6極コネ端子は全て不使用になったので、テープを貼って

塞いでしまいます。

 

常時+電源引き出し

メーターで使用する常時プラスの電源は、セルリレーかメインスイッチ部分にしかないので、メインスイッチから分岐します。

 

燃料計抵抗模擬

燃料計点滅防止の100Ω模擬抵抗も接続しました。

 

残された配線は、3極コネクターのスピードセンサーだけ。

こちらは配線加工なしに単純に接続。

 

さて、準備ができました。

 

直流電源装置を使って動作確認しましょう。

 

12V印加 → メインスイッチON → ン?? 反応なし。

 

各部の電圧は? 問題無し。

ウィンカーやニュートラルランプも反応なし。点灯しない。

アースは? 大丈夫。

 

事前のメーター単体で動作確認してるから、インジケーターぐらい

点灯しても良いはずなんだが・・・

 

で、1時間ほどすったもんだして・・・

 

あれ? メーターのアースって「黒」だったっけ?

もう一度、Amazonレビュー記事の資料を見直します。

 

やってもうた! メーターアース「緑」だ。

 

メーターの「黒」はメインスイッチONの(+)だ。

 

配線接続を色々考えている最中に、ヤマハの車体配線色のアースが

「黒」だったんで、転記間違えしてた。

 

メインハーネスからの接続ハーネスで、コネクターピンの位置を

入れ替えます。

 

メーター完成

ちゃんと機能しました。 (;^_^A

 

ウィンカー,ハイビーム,ニュートラルのインジケーターOK

 

レビューに書いてあった設定方法を試します。

 

書いてある通りの設定方法ではありませんでしたが、

適当に4st設定,タイヤ外周設定,スピードセンサー磁石数設定,

燃料計メーカー設定を済ませ、

 

スピードセンサー前で磁石をちょいちょい動かし、速度表示が

変化する事を確認。

 

本当はエンジンを回して、タコの動作を確認したいところでしたが、

ラジエターが外した状態で、エンジン始動できないため、

確認できません。

 

ヤマハ系のタコ配線(イグナイター信号)は灰色線なのを確認して

いますが、イグニッションコイルに行っている配線の灰色線とは

導通がありませんでした。

 

ヤマハの電装配線は、同じ回路ならば全て同じ色にしているなら

分かりやすいのですが、途中で別色配線を接続する様な

おかしな事を平気でするメーカーなので、

 

ヤマハの配線色はあまり信用できません。

あくまで該当車両の配線図を確認する以外に無いんです。

 

ご近所なんで、ラジエターを作ってエンジンが回せる状態になり、

その結果、タコが動かなかったら、配線変更すると説明して

バイクは引渡しです。

 

ちゃんと動く様になったら、車検を取るそうですが、何年間動いて

いなかったんだろう?

 

ちゃんと機能する事を祈って。

 

 

 

 

 

おしまい