以前「珍しいバイク」として、BMWを掲載しましたが、今回はもっと珍しいと思います。
それがこちら。
先週、仕事でお預かりした丸正製のマグナム500 R92 です。
私は「ライラック」の名が付くものと記憶しておりましたが、オーナーさんが持参した取説には書いてありません。
ひょっとしてライラックはブランド名なのかな?
修理のご依頼は「走行中にチャージランプが点灯し、バッテリーが上がった」ので直して欲しいと言う事でした。
原因か所の特定と修理ですが、果たして直せるのか??
レギュレーターはメグロなどと同じ三菱製です。
調査すると途中配線は問題無いようです(オーナーさんが最近引き換えたそうです)が、配線をバラさないと原因箇所が特定できません。
エンジン前端に付いているダイナモ(下側がダイナモで上側がポイント)に原因がありそうです。
バラして調べて行くと、アーマチュアコイル(回転子巻線)が地絡しています。
以前、アーマチュアの絶縁処理を他業者さんに依頼し、ニス塗りを実施したそうですが、そこが再度絶縁破壊したと思われます。
私はニスではなくエポキシで絶縁処理したことがありますが、コイルの疑わしいところをエポキシで処理をすると、その場所は以降修理できなくなりますので、今回はオーナーさんと相談して当方での修理は断念しました。
フィールドコイルもストック部品との取り換えを依頼されましたが、ストック品の取り外しがうまく行かず断念。 技術力の無さが露呈!!
一旦外した元のコイルを戻すのに断線が3カ所発生し、ハンダ付けをしてやっと復旧。
(x_x;)
発電できないとしても、当店で新たな不具合を残す訳には行かずで、少々つらい仕事でした。
他の調査を進めると、
レギュレーター内部の電圧調整用リレーが動作しません。
このままでは過充電になってしまいます。
リレーまでの配線が断線していた(画像右側のヒゲみたいなのが切れた配線)ので、
配線を延長し、
元位置に接続し直して、機能試験と電圧値調整を行いました。
リレーの細~いリード線は、老眼のジジイの大敵!
かなり苦労したよ。
結局、完全修理はならずオーナーさんにお返ししましたが、その分は料金割引で・・・
今回のR92は以前預かったBMWの完コピで、レイアウトはほぼ同一ですが、イグニッションコイルがエンジン外に付いていたり、シャフトドライブのユニバーサルジョイントが異なっていたりと、若干の違いが見て取れるバイクでした。
「完コピ」とは書きましたが、確かライセンス料は払っていたと思ったので、飲茶とは違うように思えます。
この当時、日本も真似から技術を習得しているので、一概に飲茶を笑う訳にはいきませんが、皆同じような段階を経て発展するんだなと思った次第です。
他にもBMWコピーの国産バイクで、BIMなんて言うのも有った気がします。
いずれも1965年以前のバイクですね。
メグロやライラックなど、実物を見ると嬉しくなってきます。
おしまい