藁にもすがる思い | Route 9  西へ東へ

Route 9  西へ東へ

難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)に罹患し気管切開した ポンコツおやじのブログです。
自分では 視線入力で意思伝達装置のmiyasukuを操作することしかできません。
ベッドの上で天井を見つめながら あれこれと思いを巡らせる毎日です。

2019年の10月、11月は 東京の神田にある中国鍼灸院に通ったことがあります。

その年の1月にALSと診断され まだ仕事は続けていましたが、車の運転を諦め 杖をついて歩き、家では歩行器やシャワーチェアを使い始めた頃でした。
当時は要介護認定の2で、体重は元気な時より15kgは減ってました。

※現在は更に15kg減ってます。

ラジカットの点滴も受けていましたが 進む病状に焦る気持ちあったのでしょう、東洋医学も試してみたくてインターネットで検索し、この鍼灸院を見つけました。
東京まで通院するのは金がかかりますが、何かをしないではいられませんでした。


動けなくなってから「あの時行っておけばよかった」と後悔だけはしたくなかったのです。
そんな私に妻は付き合ってくれました。



治療は刺入したままの針に低周波の電気を流す方法で『針透穴通電療法』だったと思います。
仰向けの状態で顔と両手両足に、椅子に座り 頭を前の台に乗せた姿勢で肩と首、頭に針を10数本刺されます。 

電気が流されると「トントントントン」と刺激され、痛(イタ)気持ちいいです。
各40分ぐらいの治療時間でした。


初日は日帰りで行きました。
出雲空港から飛んで診察と治療を受け、帰りは時間がなかったので羽田空港までタクシーに乗りました。
さすがに日帰りはきつかったので、次からは鍼灸院の近くのホテルで1泊、2泊しながら1日に2、3回の治療を受けるようにしました。

効果のほどは…  治療直後は足取りが軽くなった気がしました。
もっと通い続ければ効果も更に実感できたんでしょうが、短期集中で通って試したので何とも言えないです。


2019年(令和元年)は東京オリンピックの当初の予定の前年で、開催日までのカウントダウンが始まっていました。


コロナの感染拡大前だったので、行った時は妻のいとこ夫婦と食事したり、大手町や夜の東京駅付近を散歩したりしましたね。
 
横浜中華街で飯を食って山下公園、赤レンガ倉庫をぶらついたり、羽田では飛行機の離発着を見ながらビールを飲んで帰ったりもしましたよ。


今思えば 治療に行ったのか遊びに行ったのか分かりませんね。

 
ただ「こんなことが出来るのは今のうち」と思い 一生懸命歩きましたよ。

おかげで妻との想い出のデートになりました(笑)