ただのわたし
Meeting myself again
ピアノジャズの音色が
この、静かな
寝室を満たしていくたび
涙が
ひとつ
ひとつ
こぼれおちる
その理由を
わたしは
ひとつの想いに
おしつけていた
その面影が、
せつなくて
愛おしさのせいだと
思い込んでいた
でも
泣きながら
それはすこし
違うのだと気づいたの
ただのわたしでいられる
あの時間
わたしは
あのときの
「わたし」
が好きなんだ

それは、毎朝
冬の冷たい空気に
包まれながら
この体を
優しい光で
照らしてくれる
満たされた
わずかな時間の
ひとり散歩道と同じ
“キミ”
という鏡を通して
わたしの魂が
「やっと見つけてくれたね」
「ちゃんと、ここにいるよ」と
魂の再会を知らせてくれていた
誰よりも
会いたくて
気づいてほしくて
愛おしかったのは
溢れる想いを
言葉で紡ぎながら
こうして今も
心を震わせることができる
「私自身」だったのだと



