鏡に映らないもの


キミの中に
少年を見つけた
あの日から、

わたしは
ふたつの決意をした 

揺らぎが静まるまで
不安から時間を足さない
外の光を一緒に浴びない 

それはいつしか
ぼやけた輪郭を
「ひとりの人」に戻すため


なのに、
キミが
わたしの足元で
いつものように
静かに膝を折って

すこし汗ばんだ足裏と、
ふくらはぎに
確かな熱が重なると

「きれいだ」
 と言われた記憶が 
ふれるたび、 
ゆらぎだす


半月、
固く誓った境界が
静かに
歪みかける


視線は決して
交わらないように、と
その誠意を受け取りながら

伸ばせばすぐ触れられる
その黒髪に
ふいに手を伸ばしそうになる



ふと、顔を右に向けると
壁に横たわる
大きな波打つ鏡が
二人を映し出していた

鏡の中のわたしは
空白の時間に決めたことなど
もうどこかへ置いてきたような顔で
ただ、見つめていた

そこにいるわたしは
もっと、正直だった

あの瞬間、気づいた

ひょっとして
わたしは今までも
現実から距離をとるように

鏡越しに
その光景を眺めて
気づかないふりをして
見ていたのかもしれない


現実を裏切る
この、もうひとつの世界が

かすかな痛みと矛盾を
残したまま——
まだ、そこにある



※私two-miracleの綴る詩は

内にある記憶や感情と、創作の中で重なり合う

様々な愛のかたちを、丁寧に描いています。

この詩に触れた方が、 それぞれの心と記憶に、 

静かに響きますように。


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