水曜日の人
水曜日の正午
力尽きたわたしのもとにやってきたその人は――
思考の調律師
明るい白いリビングへと
その人を招き入れる

こっそり仕掛けたのは
窓際のスピーカーから
鳥のさえずり
川のせせらぎ
自然音
時々、スムースジャズ
癒しに包まれた空間の中
その人は
ゆったりとした口調で
言葉でわたしを導き
力んだ体の緊張を
ほどいてくれた
銀色のケースを取り出し
魔法の扉を開けた途端
天然ラベンダーの香りが
ふわっと漂い
白いベッドに広がっていく
その瞬間から
凝り固まっていた痛みが
さざ波のように静かに引いていった

特別なことをしたわけではないのに――
わたしは、思考の調律師の魔法に
かけられたのだろうか?
「お顔がさっきよりキラキラしているよ!」
やわらかな表情で
笑顔で手を振り、
去っていくその人
次もまた
今日とおなじ
水曜日の正午
わたしはその人を
「水曜日の人」
と名付け
ほころびを浮かべた
夏の終わりの
ラベンダーの出会い

※私two-miracleの綴る詩は
内にある記憶や感情と、創作の中で重なり合う様々な愛のかたちを、丁寧に描いています。
この詩に触れた方が、 それぞれの心と記憶に、
静かに響きますように。