二つの日傘〜夏の終わりに〜
いつもより眠れた翌朝
今日は外に出よう!
と決めたんだ
ひさしぶりに
顔を見て
話したかったから
目的は
家から徒歩七、八分
お豆腐屋さんの
豆乳ソフトクリーム
約束の時間に
キミが到着
あれ?
いつもと様子が違う
首にタオルを巻き
暑さで火照りきった顔
美容男子の必須アイテム
日傘が見当たらない、と
キミ
わたしは とっくに
あきらめたけど
透き通るその白肌
炎天下の中
無防備で歩いてきたの?
可愛い柄に
躊躇しながら
わたしの日傘を受け取るキミ
緩めてもらった体で
外へ飛び出せば38度
溶けてしまいそうな暑さに
むしろ笑いがこぼれる
紺地にリボン柄の日傘を差す
キミの後ろ姿にまた一笑
わたしは超軽量
72グラムの
軽やかなピンク日傘
青空の下
二つの傘が
交互に揺れながら
私の歩幅に合わせて
ゆっくり
一直線に歩く
響きわたる
蝉しぐれ
まるで
夏の終わりが
聞こえるようで
胸の奥がじんわり切ない
豆腐屋さんで
おからドーナツと豆乳ソフトを
キミに奢ったのは
日頃の感謝と優しい母心
へちまのグリーンカーテンが
日陰を落とすベンチに腰かけ
横に並んで一緒に食べた

大きい方を
選んじゃった!と
おどけてみせた私と
ドーナツを
取り出し
ソフトクリームを塗って
豪快に食べる
キミの姿にも圧倒
いつもの
繊細さは
一体何処へ?
一皮むけば
結局キミも
息子たちと同じ
ただの青年
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くだらない話
未来を憂えぬ会話
ただ
こうして
笑っていられる時間に
救われた
内ではキミが聞き役で
外ではわたしが聞き役
脆さと母心
誠実さと無邪気さ
時と場面で
相反する
互いの二面性
自然と
補い合い
バランスをとっているから
キミとの時間が
心地よいのだと理解できた
夏の名残に包まれながら——

※私two-miracleの綴る詩は
わたしの心の内や創作の中に
同時に存在する、いくつもの
愛のカタチを描いています。
誰かを裏切ったり
否定する意図はなく
ただ、一人の人間の記憶として
心を込めて紡いだものです。
この詩に触れた方が
それぞれの心にある愛の記憶と
静かに響き合えますように。
