二つの日傘〜夏の終わりに〜
いつもより眠れた翌朝
今日は外に出よう
と決めていた
青空の下
ひさしぶりに
少し、歩きたくて
目的は
家からすぐの
豆乳ソフト
約束の時間
ここへ来ると
いつもと様子が違う
夏の日差しに
さらされた火照り顔
炎天下の中
無防備で歩いてきたの?
躊躇しながら
わたしの日傘を受け取った
外へ飛び出せば38度
溶けてしまいそうな暑さに
笑いがこぼれる
リボン柄の日傘を差す
その後ろ姿にも
思わず吹き出す
わたしは
軽やかな
ピンクの日傘
青空の下
二つの傘が
交互に揺れながら
歩幅をゆるめて
ゆっくり
一直線に歩いていく
響きわたる
蝉しぐれ
まるで
夏の終わりが
聞こえるようで
胸の奥がじんわり切ない
おからドーナツと
豆乳ソフトを選び
へちまのグリーンカーテンが
日陰を落とすベンチに腰かけ
横に並んで頬ばった

大きい方を
選んじゃった!と
おどけてみせた私と
ドーナツを
取り出し
ソフトクリームを塗って
豪快に食べる
その姿に圧倒
一皮むけば
結局キミも
息子と同じ
ただの青年
好きな食べ物ランキング
くだらない話
未来を憂えぬ会話
ただ
こうして
笑っていられる時間に
救われた
内ではキミが聞き役
外ではわたしが聞き役
誠実さと無邪気さ
脆さと母心
不思議と
釣り合っている
こんな時間が
心をほどいていくのだと
気づいた
夏の名残に包まれながら——

※私two-miracleの綴る詩は
わたしの心の内や創作の中に
同時に存在する、いくつもの
愛のカタチを描いています。
誰かを裏切ったり
否定する意図はなく
ただ、一人の人間の記憶として
心を込めて紡いだものです。
この詩に触れた方が
それぞれの心にある愛の記憶と
静かに響き合えますように。
