キャンディの恋心を中心に、考察半分・妄想半分でお届けしたいと思いますピンク音符
 

  病院での密談

 

ファイナルのキャンディは、スザナと次のような約束をしていました。凝視ピリピリ

 

「それに、スザナ・マーロウとの約束もあります。もう(テリィに)会わないと約束しました」 

下巻273・エレノアへの手紙から抜粋

 

この約束は漫画や旧小説には無く、新しく足されたエピです。

キャンディがNYを離れる前から、既に漫画とファイナルでは違います

 

「NYを離れる前から」と書きましたが、実はファイナルには詳しい事は何も書かれていません。汗

しかし事後、キャンディのアパートに届いたと思われるスザナからの手紙には、「テリィと会わないで」などの言葉は書かれていないので、つまり、約束が交わされたのはスザナと対峙した病室しかない、という事になります。

スザナからの手紙を読むのがよほど辛かったのか、キャンディはその手紙を一読しただけでしまい込み、返事は書いていません。

30代になったキャンディは、スザナの手紙を「その封筒の周りだけはひんやりしている」下巻278 と形容している事からも、依然としてスザナに抱いている気持ちは、温かいものではないと分かります。

 

「もうテリィに会わないと、私と約束してください・・・」

 

 

――と言ったかどうかは知りませんがイラッ、キャンディはとにかく約束しました。

手紙を隠した件に続き、またしてもスザナのしたたかさが浮き彫りになった印象を持ちます。

 

なぜこのような設定を新しく設けたのか?

 

キャンディはテリィと二度と会わなかった右矢印あのひと=アルバートさんを匂わせている、とも思えますが

 

とにかくキャンディはテリィに会わなかった。

こっそり密会もしなかったし、お芝居も観に行かなかった。

キャンディは約束を守れる子キラキラグー

貫いたグー!!

 

原作者は、読者にそう伝えたくて、この約束入れたのかな?と個人的には思います。

実際にこの約束が無かったら、当二次小説でも10年の間に1回は「会った」設定を入れていたでしょう。

しかし実際はあれです(・・あれとは?汗←ネタバレ注意

ファイナルのキャンディは、スザナとの約束を引き合いに出し、観劇を断っていますね。

会いたいのに会わない。グッと堪えるこの切なさ。笑い泣き泣ける~~

 

ただ・・・

スザナが亡くなったのなら 真顔

別だと思いますけど・・・えっ、汚れてます?私って汚れてます?あせる

 

 

  別れてからのキャンディ

 

回顧録やキャンディが出した手紙などをヒントに、キャンディの心情にアプローチします。

 

ロックスタウン

 

ロックスタウンでキャンディが花柄テリィを見てしまったのは、別れてから約1年3カ月後です。

花柄テリィの代名詞については、もう説明は要らないと思いますので画像だけで失礼します。

 下矢印

 

漫画のキャンディは「私が愛していたあなただから」とテリィへの愛を過去形を使って表現しています。この言葉が内面を表しているかどうかは分かりませんが、スザナにテリィを託したような発言もしています。

ロックスタウンでは声を掛けることもなく芝居小屋を出て、行方不明のアルバートさんを必死に探していることから、テリィよりアルバートさんが優先されたエピソードと捉えることもできます。

ロックスタウンのエピソードは、完全に一つの恋が終ったのだと感じます。

 

ところが、ファイナルのキャンディも同じかと言うと、微妙に違います。

ここが「書き直したファイナル」の曲者です。

 

ファイナルのキャンディは、話したくても話しかけられなかった場合もあります。

だってスザナとの約束がありますから 滝汗 ジャブのように効いてくる

そもそも、後のキャンディの【テリィへの手紙】を読む限り、テリィへの愛は、まだまだ過去形とはほど遠いと分かります。

漫画ではこの手紙は登場しないので、ロックスタウンでのキャンディの心情は、ファイナル用にアップデートが必要だと感じます。

 

 

  テリィがまだ好きなのね、と感じる描写

 

今もドキドキバッグハグ

わたしを抱きしめたテリィの胸の熱さは今もわたしの中で激しく脈打っている。下巻237回顧録

 

30代のキャンディがそう回想しているのは、このシーンです。

 

©水木杏子・いがらしゆみこ 画像お借りしました

 

テリィにいきなり背後から抱きしめられた。

強く、ほんとうに強く――。

――もう少し…このままで…

テリィの声。

わたしの大好きな深みのあるテリィの声。

あのときほど、時間止まってほしいと願ったことはない。

 

そして―

わたしを抱きしめたテリィの胸の熱さは今もわたしの中で激しく脈打っている 💓

 

そう書いてあるので、そう書きましたが、なかなかどうして、不思議な言葉ですね。

テリィと一緒に暮らしているなら、ハグなど慣れているでしょうし、逆にアルバートさんと暮らしているなら、別の男性を思い浮かべているこの表現はどうなのかと思います。

いずれにしても、キャンディの中で特別な抱擁として鎮座しているのでしょう。

・・・まぁ、ありますよね。何でもそうですが、最初って忘れませんよね。いきなりただの一般論

 

30代のキャンディは、あのひとを

「わたしを、いつもときめかすやさしいその声」下巻331

と表現していますが、テリィの声も「大好き」と言ってますねキョロキョロ

 

「時が止まって欲しい」というセリフは漫画にもありましたが、あの時はテリィのセリフでした。

アニメでもテリィの声があてられていました。

しかしファイナルでは、キャンディの感情として書き直されています。

というよりも、これは30代のキャンディの回顧録に登場するからキャンディ目線なだけで、おそらく『二人ともそう思った』のだと個人的には思います。

 

 

持ち歩いていた切り抜き

「長い歳月、どこに行こうとその切り抜きを持ち歩いていたので」下巻186

 

キャンディは、凛々しいテリィのデビュー当時の写真を「長い歳月、どこに行こうと」持ち歩いていたようです。「長い歳月」テリィを想っていたと受け取れます。

他に好きな人がいるとは・・・・この文を読む限りは感じません。ショック

この切り抜きは、今は思い出の品として、「あのひとから渡された、象嵌細工の宝石箱」の中に収められています。

 

 

開けない日記

 

「今、返していただいた日記がわたしのそばにあります。でも開くことはありませんでした。わたしはこの日記をまたアルバートさんに託すつもりです」下巻321

 

日記を預けたのは14才。セントポール学院を去った時です。

時は流れ、アルバートがキャンディに日記を返したのは2人でレイクウッドに訪問した時で、『アーチーの婚約式の後』ということが文章から感じられるので、キャンディが22歳前後だと推定されます。

つまり預けてから既に7~8年経った計算です。

そしてキャンディは、返却された日記を全く開かずにまたアルバートさんに託す、と言っています。

 

もしキャンディに好きな人がいたなら、青春時代の事など「いい思い出」に変わり、気楽に眺めるか、捨てるか、引き出しの奥にしまうのが一般的だと思います。

ですが、キャンディの選択肢はアルバートさんに託すです。ニヤニヤタラーお~い 

もはや、アルバートさんは担任の先生か部活の顧問ではないでしょうか。親にだってそんなことはしませんね。

少なくとも、恋人にそれを求める女性はいないでしょう。※大いなる主観かもしれません汗

 

 

何故再び託すのか?

 

アルバートさんが好きだから、好きな人には包み隠さず読んでもらいたい――という意見を目にしたことがあります。しかし、この時のアルバートさんは既に読んでいます。

約7年も保管していたわけですから。なのにわざわざまた?🙄
一方でキャンディは依然として読んでいません。
自分が読めないものを相手にジャンジャン読んで、と渡すのもおかしな話です。

少なくとも渡された方は「吹っ切れたんだね」とは思わないでしょう。

 

セントポール学院に入学した日、初めて真っ白なページの日記帳をパラパラめくったキャンディは、

「わたし、正直に書きますね。後でこの日記を大おじさまに見ていただいても恥ずかしくないような、そんな毎日をおくります!」上巻260 と語っています。

有言実行で、この日記はテリィの事でいっぱいです。

日記の最後の言葉は「テリュースあなたが大好き、だと、他の誰よりも・・・」下巻143です。

仮にアルバートさんに恋心があったとしたら、再び託された時点でゲロー 何かを吹き出します

「ダメだ、こりゃ」と思うかもしれませんネガティブ 

 

普通に考えると「大切な思い出だから捨てたくないし、捨てられない。でもテリィ一色の日記は、今は読めない。手元に置いておくのも辛い」状態なのではないでしょうか。
日記をアルバートさんに再び託すというキャンディの行為は、テリィが思い出の人に変わるまで信頼できる人に預けておこう、という事ではないでしょうか。
少なくともこの時点では、テリィへの恋心がまだ残っていることが垣間見えるエピソードだと思えます。

 

 

  エレノアへの手紙 から読み取る

 

エレノア・ベーカーへ出した手紙より。

 

観たい…でも、観たくないのです。観ればきっと、会いたくなります。会って一言でも話したくなります。それにスザナ・マーロウとの約束もあります 下巻273

 

考察②ー2でも触れましたが、世間では既に「テリュース・グレアムとスザナ・マーロウは婚約直前の同棲カップル」のように報道されていたと思われます。

テリィへの恋心が残っているとしたら、かなり辛い状況です。

観劇が「会う」になるのかどうかは分かりませんが、キャンディは約束を守ろうとしています。

会ってしまうと想いが溢れて、収拾がつかないかもしれない、と自覚もあるのでしょう。ぐすん

テリィのハムレットの招待券は宝物にすると言って、観劇を諦めています。

 

 

  テリィへの手紙 から読み取る

 

キャンディがテリィに【出さなかった手紙】を書いたのは、別れてから最低でも4年は経った頃です。

※出さなかった手紙の原文(に近い文)はこちら

 

4年の根拠

ロックスタウンでの幻の再会は、別れてから1年3カ月後の早春

 

ハムレットに抜擢されるのは「秋の公演」。

半年で復帰はあり得ないので、(劇団から失踪し長期に渡る行方不明はあまりに身勝手)最短ミラクルで1年半後の秋

 

その後、公演がロングランに次ぐロングランの頃に手紙を書いたので、更に1年後

 

合計約4年

 

ブログ主は、ハムレットの復帰公演を最短ミラクルではなく、2年半後または3年半後が妥当と考えている為、別れてから5~6年後ぐらいに書いたと妄想してます。

この【テリィへの出さなかった手紙】を分析すれば、キャンディの気持ちが分かります。

では順番に見ていきます。下巻274~

 

テリィ……いつも心の中であなたと向き合うと、私の心は熟れた甘酸っぱい杏の実のようになってしまうの。

かすかな風が吹いただけで、地に落下してしまいそうで呼吸さえできません

 

この表現は、ど~見ても、切ない恋心だと思われますぐすん

「呼吸さえできなかった」ではなく「できません」という失恋傷心ツアーが現在進行形です。

 

ニューヨークの夜は寒かったけど、降りしきる雪はあたたかかったです。あなたの胸のぬくもりが背中に残っていたからかしら。

――幸せにならないと承知しないからな…。テリィ、そう言ってくれましたね。わたしは幸せです

 

わたしは幸せですと言っているキャンディ

 

何が幸せなのかはてなマーク生活が充実しているからなのか、新たな恋人ができたからなのか。

新しい恋を匂わせる文章は無いので、「いい人たちに囲まれて幸せだ」と言っていると、深く考えていませんでした。

しかし、同じ部分の旧小説(復刻版)を読んだ時に、間違っていたと気付きました。

 

わたしをうしろからだきしめて、しあわせにならないと承知しないからな…って。ありがとう、テリィ。
わたし、いま、幸せよ。やさしい人に囲まれているし、なによりあなたとの思い出があるから
あのときのテリィの胸のあたたかさ、一生忘れないでしょう 復刻盤518

 

テリィとの思い出があるから幸せだと言っているようですびっくり

読者はついつい「雪の日の別れはさぞ悲しく冷たいものだったのだろう」と主観で読んでしまいますが、キャンディは、「降りしきる雪はあたたかかった」、と言っているので、「私を愛してくれてありがとう。テリィとの思い出は宝物です」ということかもしれません。

更に旧小説の手紙を読み進めると、このような言葉が登場します。

 

「わたしよりスザナをえらんだあなたのこと、わたしやっぱり好きです」復刻版521 

 

現在形で「好きです」と言っています。

にもかかわらず、実は4行後に「テリィ……好きでした」と過去形を使っています。

 

あ~乙女心は複雑 笑い泣き

そしてファイナルのキャンディも、テリィに向けて同じ言葉を使います。

 

…熱烈なファンがいることを忘れないで。あなたが舞台に立つとき、力いっぱい拍手する私がいることを忘れないで。テリィ……好きでした 下巻277

 

恋心がまだ残っていることが読み取れる手紙の文末に、「好きでした」と旧小説と同じ過去形です

 

 

なぜ過去形?

 

14歳当時のキャンディは、このような発言をしています。

「大きな声で言いたかった。テリュース、あなたが大好き、だと。ほかの誰よりも…」下巻143

 

キャンディは言いたかったのですですが、結局伝えられませんでした。泣くうさぎ

だから、テリィへの最後の手紙で伝えたのではないでしょうか。

ブログ主の勝手な妄想によると、この時のキャンディは、テリィとスザナの婚約記事を見てしまっています。(考察②ー2参照)

「……好きでした」

過去形にするしかないじゃないですかっ泣一生懸命忘れようとしている感じがします。

手紙の中で何度もテリィの名前を呼ぶキャンディの言葉には「テリィ……」と繰り返し余韻が漂っています。

ファイナル全体を通して「テリィ……」という表現法がやたら多いのです。

 

また、文末の言葉「P・S テリィ......好きでした」には、どうやら言葉以上の深い意味が隠されているようです。

こちらをお読みください。下矢印

 

 

 

 

②へ続きます。左矢印左矢印

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

 

※この記事はリライトしています。

その為、【2021年12月6日、7日】の日付のコメントは、【考察⑧テリィとスザナ2】へのメントに該当します。

コメントを残すことを優先させた結果ですので、ご容赦ください🙇‍♀️