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キャンディ♡キャンディ ファンサイトこのページは、キャンディキャンディ二次小説「11年目のSONNET」の続編を投稿中です。初見の方は「サイトmap」又は「第1話」からご覧ください♪続編の第1話はこちらから。コメントは承認制の為、反映されるまでにタイムラグがあります。★★★1-7バンっ!!いつものように政治談義をしていた安息日の昼下がり、エグゼクティブルームのドアが、外れんばかりの勢いで開いた。「テリュース!アメリカにいたなら何故シカゴに来ない!」そう怒鳴る青年がアーチーだと気づくのにテリィは一瞬遅れた。どこか印象が違っていたからだ。「・・アーチー?しばらく見ない内に・・変わったな」「染めたんだよ!」頭をグシャっと触りながら不服そうに声を張った。(――白髪か)テリィは声に出してはいない。しかし、同情めいた口元を読んだのか、アーチーは即座に反論した。「僕の光り輝く金髪を染めたんだ!!」なぜか口を尖らせている。アーチーの短気は健在だった。「・・映画の仕事で来たんだが、開戦で帰国できなくなった。そうか、シカゴ・・ポニーの家にも行ってなかったな」そんなテリィの言葉を聞いて、アルバートが笑いをこらえるように口元に手を当てた。「君の視線が内陸に向いたことがあったか?僕が知る限り、四六時中海を睨んでいた」テリィはバツが悪そうに「来週にでも、シカゴに行くよ」とアーチーに言った。「来なくていい。これを持っていけ!」アーチーは投げるように腕を伸ばした。「・・なんだ?君のパスポート?」『アーチーボルド・コーンウェル』と書かれたパスポート。写真のアーチーは眼鏡を掛けていた。髪を濃く染めた後に撮ったようだ。「通った鼻筋、形のいい唇、シャープな顎のライン、パーツは割と似ている。だがお前の方が髪が長い。あと5センチ切れ!・・僕の長いまつ毛を、兄貴の分厚い眼鏡で隠すのは、正直不本意だったがなっ」アーチーは、チッと舌打ちした。「――まつ毛?」テリィには、アーチーが何を言っているのか分からなかった。(たしかにまつ毛は長い。・・特に下まつ毛)アーチーをじっと観察しているようなテリィを見て、アルバートは額に手を当てた。「あ〜つまり、近日、レッド・クロスが医療品をヨーロッパに輸送するんだ。その医薬品はアードレー財団が提供したもので、管理者を1名同行させる必要があってね」そこまで聞いても、テリィはまだ要領を得なかった。「・・・・荷物に紛れて密航しろと?」夫婦の感性はだんだん似てくるのか。思わず口にしたテリィに、アーチーは「違うっ!密航にパスポートなんか要らないだろ」と突っかかる。そんなアーチーの言葉で、テリィは突然分かった。「まさか、、アーチーになりすまして出国しろって言っているのか?」「イギリス人より、中立国の人間の方が安全だからな。どこでドイツ軍に捕まるとも限らない」アーチーが説明する後ろで、腕を組んでいるアルバートがコクリと頷いた。ジョルジュも眉一つ動かさない。その様子で、それがアルバートからの提案なのだとテリィは察した。ヨーロッパの勢力図を考えると、念には念を、ということなのか。テリィは驚きと感謝の混じった瞳で再びアーチーを見やった。「――いいのか?ばれたら君は、罪に問われることになるんじゃ」「その時はその時だ。盗まれた、とでも言っておく」不機嫌とも照れているとも見える顔つきで「変装用だ。どれでも好きな物を持っていけ」と幾つかのメガネが入ったアタッシュケースを開いた。「色付きのサングラス、ワイパー付きメガネ、二人用メガネ、5キロ先のゾウが転んだのも見通せるマサイ族メガネ」説明する傍から、アルバートが引き寄せられている。「・・・アーチー、このメガネ・・・」マサイ族メガネに、心を鷲掴みにされたようだ。「も、、もちろんです、どうぞ」阿吽の呼吸で小さな商談が成立する中、テリィは一つのメガネを手に取った。「これは・・?」一見普通のメガネだが、重厚感がある。「ステアの発明品。落としても絶対に壊れないメガネだ。戦車と同じ素材で、銃弾さえ跳ね返す。高マンガン鋼と防弾ガラスを使用しているらしい。ほぼガラクタだ」テリィはプッと噴き出した。レンズが厚すぎて視界が殆ど効かない。「これにするよ。壊したくないからな」遺品のメガネを胸のポケットにしまうと、ステアに守ってもらえるような感覚がジワリと広がった。「そんな事より、貴様が死んだらアーチーボルドが死んだことになる。・・だから、絶対死ぬんじゃないぞ!」アーチーは真剣な目でテリィを睨んだ。「・・・ああ、分かってる」――イギリスへたどり着く、絶対に。どちらからともなく差し出した手は、固く交わされた。その直後、タイミングを見計らっていたのだろう。息を詰めるように数人が部屋へと入ってきた。真っ先にテリィの目に映ったのは、涙ぐむアニーだった。「テリィ・・・キャンディを、よろしくね。守ってね」まるで神にでも祈るようにテリィの瞳に訴えている。「もちろんだ。約束する」アニーの後ろにはアルフレッド夫妻の姿があった。「・・戻るんだな、危険を冒してでもイギリスへ。・・君は、どこまでもかっこいいな。僕は、無理だ」アルフレッドは、パティの腕に抱かれた小さな赤ちゃんをちらりと見た。「でも、分かるよ。家族がいるんじゃ・・」赤ちゃんは、指しゃぶりをしながらすやすや眠っている。「アルフレッド、映画は――」「映画の公開は、戦争が終わってから考えるよ。主役の君が、ニューヨークの映画館で鑑賞できないなんて、ナンセンスだからね」「恩に着る、アルフレッド」「――虫のいい話だけど、イギリスを、僕の故郷を、RSCの仲間を・・たのむ」テリィは言葉が出てこなかった。任せておけ、などと、どうして言えるだろう?テリィはアルフレッドの腰を軽く叩くと、「ハムレットのような結末にならないことを祈っててくれ」と微笑した。「テリュース・・・」女性の声。ドアのところに佇んでいたのは母親だった。髪を乱したエレノアが、これほど小さく見えたことがあっただろうか。©いがらしゆみこ・水木杏子 画像お借りします「・・・母さん」エレノアはゆっくりとした足取りで歩み寄った。「――きっと、大丈夫よ」大丈夫なわけがない、と悟ったような瞳は涙を耐えている。それでも、おまじないのように繰り返す。「・・・身体に気をつけるのよ。無茶をしちゃだめよ。あなたは、役者なんだから」そんなことを顧みるような息子ではないと分かっていても、母は繰り返した。「銀幕に映るあなたの顔を、ニューヨークで、孫と、キャンディと一緒に、観るんですからね・・」エレノアは、テリィの両頬を弱々しく包むと「テリュース・・テリィ・・・」とつぶやいた。テリィの顔立ちの一つ一つを、記憶に焼き付けるように。(母さん、ごめん・・)胸に痛む親不孝を感じながら、白髪が混じる母親を抱きしめた。一通りの旅立ちの挨拶が終わると、摩天楼を眺めていたアルバートがにわかに振り向いた。「さあテリィ、作戦会議をしよう」その顔は、今までのアルバートではなかった。そう、実業家の顔だ。「――作戦?何の、ですか・・?」「何って、これだよ」アルバートは、キャンディの手紙を顔の横に掲げた。1-7 アーチーのパスポート。。。。。。。。。。。。暑中お見舞い申し上げます家の者がお盆休みに入るため、編集作業は🐌))の歩みになると思います。暑い中の、孫サービス 家族サービス お仕事無理をなさいませんように。数年前、母が塩分不足(低ナトリウム血症)になり、長期入院に至ったことがあります。梅干し一つで予防できたかもしれない症状です。塩分、意識してくださいねコメントは承認制の為、反映されるまでタイムラグがあります
キャンディ♡キャンディ ファンサイトこのページは、キャンディキャンディ二次小説「11年目のSONNET」の続編を投稿中です。初見の方は「サイトmap」又は「第1話」からご覧ください♪続編の第1話はこちらから。コメントは承認制の為、反映されるまでにタイムラグがあります。★★★1-6翌年4月。セントラルパークが春の息吹を見せ始めた頃、冬眠していたドイツ軍がついに動き出した。ドイツ軍、ノルウェーとデンマークに侵攻!「ノルウェーもデンマークも中立国なのに、、」新聞を手にするテリィの腕がわなわなと震えているのを見て、アルバートの勘が働いた。「両国の王室は、イギリス王室と親戚関係にあったか?」「はい。グランチェスター家とも縁があります。しかもノルウェー国王とデンマーク国王は兄弟です。この両国を同時に襲撃するなんてっ」アルバートの表情がいつになく険しくなった。「ジョルジュ、君はこの侵攻をどう読む?」秘書ジョルジュの答えは、論理的だった。「北欧からの資源輸送のため、ドイツはまず、北の制海権を確保したいのでしょう。この戦い、ドイツ軍が有利かと思います」「なぜだ?」アルバートは冷静に聞き返した。「中立国の両国は、戦火を払う力がありません。イギリスが援軍を送ろうにも、両国までは距離があり過ぎて、今の戦闘機の性能では往復できません。つまり、ドイツ戦闘機を撃ち落とすことは、どの国もできません」テリィとアルバートは愕然となった。ジョルジュの予想通り、デンマークの名前を次に新聞で目にした時には、既に占領されていた。半日もせずにドイツ軍に降伏したらしい。「ノルウェーは粘っているが、、」テリィがそんな話をしている最中にも、ニュースは飛びこんできた。ドイツ軍!宣戦布告なしにオランダ、ベルギーへ侵攻!!両国は、イギリスとフランスに援軍を要請!!「オランダもベルギーも中立国なのに、フランスへの通路ぐらいにしか思っていないのかっ!」いらだつ気持ちを何処に向けていいか分からないのは、テリィだけではなかった。イギリスでは、首相チェンバレンに不満や批判が殺到していたのだ。「このままでは第二次世界大戦に勝てない!」「首相はドイツの再軍備化を知りながら無策のままだった!我々を脅威にさらしている!!」「神の名において去れ――!!」戦前のドイツに対する宥和政策が緩すぎたと政府や国民の不満が爆発し、翌日の新聞はイギリス首相の交代を告げていた。1940年5月9日海軍大将ウィンストン・チャーチルが新首相に!!「国民の皆さん!ドイツ軍は空爆と戦車という恐るべき組み合わせで、オランダ、ベルギーに侵攻し、今も進撃を続けている。人類の歴史を汚す独裁者から人類を救うため、勝利を手にするまで、我々は戦い続ける!決して諦めない、服従しない。どんな犠牲や痛みを伴っても、我々は勝たねばならない!そして必ず勝つ!」ラジオ放送から聞こえるチャーチルの雄々しい声に、アルバートは期待を込めて言った。「なるほど、噂通りの雄弁家だね」「元新聞記者ですから、演説は上手いはずです」そう説明しながらも、テリィは違うことを考えていた。(キャンディは、子供たちは、どんな思いでこの演説を聴いているだろう・・)テリィは窓際に立ち、水平線の彼方を見つめた。キャンディの誕生日を祝うことさえ叶わなかった。いや、たとえイギリスにいたとしても、祝うようなムードではないのかもしれない。数日前に届いたキャンディからの手紙には、ほんの一行、『みんな元気よ』としか書かれていなかった。おそらくキャンディも、何を書いても検閲で消されてしまうと悟ったのだろう。軽すぎる封筒から、黄色いラッパ水仙の押し花がひらりと舞った時、テリィは溜まった感情が抑えられなくなった。――花言葉は、「私のもとへ帰って」(キャンディ・・・帰りたい!!)巨大なナチスの旗の影に、ヨーロッパ全土が呑み込まれていく。(ベルギーやフランスまでも陥落したら、イギリスは――)握ったこぶしが震え出す。食い込む爪の圧が限界を超えた。「――イギリスは援軍を送ったそうです。アメリカ議会は、この事態をどう思っているんです?それでも参戦しないのですか!?」テリィは、新聞を読んでいるアルバートに、挑むような声を向けた。アルバートに問いかけるのは、さほど畑違いではないはずだ。殆ど毎晩のように、政界や財界の大物と同じパーティに顔を出しているアードレー家の総長は、アメリカの本音を知っている。「意見が割れてるよ。援助すべきだと言う者、参戦は絶対だめだと言う者。だが結局のところ、今のアメリカは世界恐慌で落ち込んだ景気対策が最優先課題なんだ」「本当にそうですか?戦争が始まって、むしろアメリカ経済は戦争特需で回復基調にあるのでは?そして、イギリスがヨーロッパで戦っている内は、アメリカは後方支援で済み、防衛費が削減できる」テリィの口調は皮肉混じりだった。「・・君の言っている事は正しいよ」「アードレー家の金融事業も安泰ですね」アルバートには、テリィの苛立ちが手に取るように分かった。イギリスにキャンディがいる状況は、アルバートにとっても落ちつけるものではない。「フランスまで陥落したら、イギリスは、ヨーロッパで孤立してしまいます」テリィは大きく息を吸い込むと「僕はカナダ軍に――」決意の言葉をアルバートに向けようとした。「待ちたまえ」テリィの言葉を予期していたのか、アルバートは迷いを断ち切るように立ち上がった。「考えがある」電話を繋ぐようジョルジュに指示すると、アルバートは部屋から出て行った。「どちらに繋ぎますか?」「――シカゴだ」その決断が正しいのか過ちなのか、アルバート自身にも分からなかった。1-6 アルバートの決断次へコメントは承認制の為、反映されるまでタイムラグがあります
キャンディ♡キャンディ ファンサイトです。このページはキャンディキャンディ二次小説「11年目のSONNET」の続編を投稿中です。初見の方は「サイトmap」又は「第1話」からご覧ください♪コメントは承認制の為、反映されるまでにタイムラグがございます。★★★1-5ニューヨークに初雪が降った頃、カールは珍しいことを言った。「あんたに会いたいって人が来てるよ」「断ってくれ」テリィは関心がなさそうに顔をそむけた。「女だよ?」「なおさら断ってくれ」最上階の眺望はどこまでも広がっていたが、テリィの心は、自分の中にしか向いていない。「ストラスフォード劇団とか言ってたぜ?ブロンドの長い髪と印象的な緑色の瞳で、キャンディになんとなく似てるけど、キャンディよりは――」無関心男は突然カールの方を向いた。「分かった。裏口で待っているように伝えてくれ」テリィはすぐに立ち上がり、身支度を始めた。――そばかすと緑色の瞳。ブロンドの髪(マリアだ・・)ハムレットの相手役、3代目オフィーリアに抜擢された当時新人だった女優。テリィとの熱愛スキャンダルを機に行方をくらまし、現在まで音信不通になっている。エレベーターを待ちながら、過去の新聞報道の文字が頭をかすめた。――スザナ一周忌・早くもテリュース争奪戦勃発!のろしを上げたのは金髪のオフィーリア!(あんなでたらめな記事で女優人生が潰されるなんて・・)過去の出来事が走馬灯のように蘇る。貧しかったマリアが、お金目当てにテリィのアパートに侵入したこと。開口一番に、『愛人にしてほしい』と裸同然の姿で迫られたこと。情けを掛けたテリィが、演劇に興味はないか?と誘い、その後指導にあたったこと。「会ってくれると思ってました」薄暗い裏口で待っていたのは、以前とさほど変わらない、鮮やかな色彩をまとった女性だった。(確かに・・少しキャンディに似ている)一目でそうと判断できる容姿。でも、違う。性格と経験が、顔と佇まいに現れるとしか言いようがない何か。「距離を取りながらついて来てくれ。セントラルパークで話そう」瞳を動かさず、前を通過しながらそう言うと、フッと女性の口元が上がった。その仕草を確認して、テリィは速足で歩き出した。パークのベンチの端と端に座った途端、テリィは読みもしない新聞を開いた。トレンチコートの襟を立て、帽子とマフラーでの完全装備は、どこに潜んでいるか分からないカメラを防ぐための、昔取った杵柄だ。一方マリアは、眼差しをまっすぐに向け、噴水を見つめている。「アメリカに帰ってきたのは、離婚したからですか?」時候の挨拶もない始まりだった。「・・違う。映画の仕事で来て、開戦で帰国できなくなっただけだ。久しぶりだな、マリア。どうしてた?」マスカラのついたまつ毛が重そうに伏せられた。「演劇は、やめました・・」「あんなデタラメな記事、気にすることはなかったのに」「私、スザナさんだと思っていたんです。だって婚約してたし」「・・スザナとは、婚約していなかった。報道はデマだ」「でも、結婚したんですよね?」少しだけ挑戦的に聞こえたのは、真っ赤な口紅のせいなのか。(・・何を聞きたいんだ?)テリィは眉を寄せた。「あなたのアパートの部屋には、スザナさんの写真なんて一枚もなかった。あるのは昔の手紙の束と、ロミオとジュリエットのポスター。・・そこに書かれた『キャンディのジュリエット』という文字・・手紙の女の筆跡。あの時に気づきました。あなたの心にいるのはこの人だと」言い当てられたことに、テリィは驚いた。それほどマリアの推理は見事だった。(・・俺の部屋に入ったなら、管理人さんじゃなくても気づくか・・)「でも、過去の人だと思ってました。婚約者のスザナさんが亡くなったなら、私の方を向いてもらえるんじゃないかと・・だってあなたは、とても優しい目で私を見てくれたから。でも、あの時――」瞬間、テリィの心臓はドキンと大きく波打った。――あの時、稽古が終わった劇場の出口付近で、ふいにその会話は始まった。『一周忌が過ぎました・・まだスザナさんを忘れられませんか?』『・・・その話は止めよう』『・・もしかして、あの人ですか?部屋のポスターに名前が書いてあった・・キャンディさん?』『――え、、』『スザナさんより前の人でしょ?そんな昔の女なんて、とっくに別の男と仲良くやってるわ!』『・・あいつが、どうであろうと、俺は――』『――!!彼女は何もしてくれないわっ!手紙もくれない、お芝居も観に来ない、でも、私なら――』マリアの腕がテリィの両肩に乗った瞬間、どこからかフラッシュがたかれた。「――翌日大々的に報道されて、私が、したたかな悪女のように報道されて、ショックでした。・・私は、気持ちを伝えただけなのに・・世間から叩かれて・・」マリアの声は震えていた。新聞を握っていたテリィの腕から力が抜け、膝の上に落ちた。瞳を揺らしているマリアに、どんな言葉を掛けるべきか、迷いが胸をかすめる。今更慰めるのも違う気がするし、謝る理由もない。テリィは無意識に結婚指輪を触っていた。マリアの視線が、その左手に注がれていることにも気づかずに。「あなたの結婚相手は・・・キャンディさん、じゃない・・ですよね?」テリィは思わずマリアの顔を見た。その質問を、不快に感じたのだ。「なぜキャンディじゃないと思うんだ?そこまで察しているのに」テリィの返事は、遠回しでもあり直球でもあった。「そう・・なんですか・・」水面を跳ねる噴水の音が、しばらくの間、一層寒々しく響き渡った。「――キスしてくれません?」唐突なセリフだった。「お芝居でいいんです。最後の記念に。稽古中、何度かしましたよね?」勝ち気な口調の中に混じる少しの戸惑い。「・・・キスシーンはしないと、妻と約束している。その手の役からは卒業した」その答えに、マリアは長いまつげをバサバサ揺らし「なにそれっ」と不意に立ち上がった。途端、ビターン!!テリィの頬がしびれた。あまりに意表を突く展開に、痛みより先に驚きが来る。「あ~!スッキリした。さようならっ!」テリィを残し、雪をかぶった木々を背にスタスタと去っていった。「どうしたんだ、その真っ赤な頬は?」1時間ほどで戻ってきたテリィの顔を、カールは心配そうにのぞき込んだ。「いや、、なんだかよくわからない・・・」数日後、雑誌に掲載された明暗を分けるような記事を見て、テリィの肩はガックリ落ちた。――野球界のヒーロー、ジョー・ディマジオ。ハリウッド女優と結婚!サンフランシスコは大騒ぎ!――演劇界の貴公子、テリュース・グレアム。 男女関係のもつれ!セントラルパークで大喧嘩!「叩かれたのは事実だが、俺は叩かれているのか・・」ブツブツ唱えるテリィ。「何をしたのか知らないけど、これは女の復讐だよ」知ったような口をきくカール。「だから、、、俺は何もしてないって」「それが罪深いってこともあるぜ?」いつの間にやら上から目線。「ビンタで良かったじゃん。キスだったら、総長にここを追い出されていたかも」(・・・キス?)「このアングルは限りなく仕込みだな。この女はカメラマンとグルだよ」ニューヨークは相も変わらず平常運転だった。⑤スキャンダル女優次へ。。。。。。。。。。。。。。。。。。ワンポイントアドバイス特にアドバイスはありません。テリィのようなイケメンは、思わせぶりな態度をとってはダメだと思います。コメントは承認制の為、反映されるまでタイムラグがあります
★★★1-4テリィを浮上させられる人物は世界にただ一人。「とりあえずさ、家族に手紙を書きなよ」キノコが生えてきそうな暗い男にカールは提案した。「・・知ってるだろ?イギリス行きの船はUボートに撃沈されている」「でも、全てじゃない。10通書けば何通かは届くさ」船舶に頼っている郵便事情が、戦時下でスムーズにいくとは限らなかったが、アメリカにいてできることは、これくらいしかなかった。「あんたに手紙が来てるよ!」朗報は秋の終わりに届いた。「キャンディか!?」はやる気持ちを抑えられずに手紙を受け取ると、封筒は明らかに開封された跡があった。「あぁ?」疑惑の目を向けられたカールは、慌てて両手を振った。「ち、違う!俺じゃない!手紙は全てイギリス軍の検閲が入っているようだ。スパイがどこにいるか分かんないから!」「野暮だな・・」チっと舌を鳴らしながらもソファに座り、呼吸を整えてから手紙を開く。「なんだよ、これは、、」テリィは思わず額に手を当てた。ところどころ黒く塗りつぶされ、紙も切り取られている。『家族はみんな元気で、収穫したジャガイモは美味しかった』ということは分かったが、まるで子供の乳歯のように欠落している。「あ〜あ、第三者に読まれることを前提に書かなきゃダメそうだね。戦時下の不適切な表現は避けてさ」さすがのカールも同情気味だ。「・・もしかして、俺が出した手紙もこの扱いなのか?」「そうじゃね?」テリィは何を書いたか思い出そうとしたが、似たような手紙を何通も書いたせいか、記憶が曖昧だ。「・・・『愛してる』は塗りつぶされると思うか?」「書いたの?」「・・・・(たぶん)」「ヘーキじゃね?ほらっ」カールは手紙の文末を指さした。『愛をこめて ターザンそばかす―』と記されている。「『愛』の字は残ってる。世の中からこの字が消されたら、それこそ人類は終わるよ」カールはウインクした。「・・・そう・・か」結婚して15年も経つ妻に手紙を書くなんて、妻からの手紙を心待ちにするなんて、自分でも想像しなかった。――戦争になるなんて。・・離れるべきではなかった・・「ポーランドが分割されたそうだ。ドイツとソ連で仲良くね」いつものようにアルバートは、朝一番で新聞を読みながらテリィに伝えた。「まさか、独ソ不可侵条約の本当の狙いはそれですか?ポーランドを挟み撃ちにして、西と東で分け合うために?」「両国の利害関係が、一時的に一致したんだろう。もともと水と油、犬猿の仲だからね、ドイツとソ連は」会話を聞いていたカールが質問した。「ポーランドのユダヤ人はどうなったのさ」「隣国リトアニアへ逃げているそうだ」世界情勢に詳しいアルバートは即座に答えた。「逃げ切れるのか?ドイツの警察はヤバいんだろ?」「リトアニアの日本領事が、数千人のユダヤ人に通過ビザを発行し、第三国へ脱出させたと聞く」カールは小さく拍手をした。「その勇者、処罰されないのか?日本ってドイツの同盟国だったよな?」アルバートは一瞬言葉に詰まった。「・・人間社会は難しい。それに比べて動物は一途で純粋だ、決して裏切ったりしない・・。勇者の裏切りは、間違いなのか――」電撃的なポーランド侵攻を機に突如戦争状態に入ったヨーロッパだったが、それ以降は奇妙なにらみ合いだけが続いていた。「ドイツ軍は次の大勝負に向けて、侵攻案をじっくり練っているのか」アルバートの言葉は、妙に説得力があった。「ポーランド侵攻で兵士や弾薬を消耗して、動きたくても動けないんじゃないの?」楽観的なカールの意見も、あながち的外れではないだろう。膠着状態の陸に対して、海でのドイツ軍の動きは活発だった。ドイツのUボートは、イギリスへの海上補給網を絶つべく、商船を標的とした激しい通商破壊戦を展開していた。一向に帰国の目途が立たないテリィは、届くかも分からない手紙を書き続けていた。戦火を縫うようにして届くキャンディの手紙は、どれも同じ状態だった。みんな元気よ。今日は庭のリンゴを収穫したわ。✂✂ジャスティンが私に、クリスマスにやらないかって✂✂■■「ジャスティンが私に、クリスマスに・・やる・・?」カールは、テリィの顔がリトマス試験紙のように変化していくのが分かった。「くそ〜、、検閲のやつら!」切り取られ、黒く塗りつぶされている部分に何が書かれていたのか、ますます気になってくる。「戦争に全く触れられていないのも不自然すぎるし、、」本当のことが書かれているのだろうかと疑い深くなり、部屋の中を行ったり来たりグルグル。「あんたさ、このままだとバターになるぜ」カールのジョークなどテリィの耳には届かない。「ジャスティンがキャンディに、やるって・・何を――」延々と同じ言葉をつぶやいているテリィ。「コサックダンスだよ、たぶん」カールは適当に言った。「うむ。コサックダンスパーティだ」アルバートの乾いた相槌が続く。「私もそうだと思います」ジョルジュもいた。「・・・」そうであることを無理矢理願うテリィと一同だった。1-4 戦時下の文通次へ。。。。。。。。。。。。。。。。。。ワンポイントアドバイスリトアニアの領事は杉原千畝(スギハラチウネ)氏です。映画にもなりました。『激動の第二次世界大戦下、日本政府に背き命のヴィザを発行し続け6000人に上るユダヤ難民を救った男の、真実の物語』コメントは承認制の為、反映されるまでタイムラグがあります
昨日発生した熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。被災地の皆様の安全と一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。国内災害義援金・海外救援金へのご寄付|寄付する|日本赤十字社www.jrc.or.jp※29日9時現在、今回の地震による口座はまだ開設されておりません。今後の情報をご確認ください。★★★1-3「イギリスの法律に従う義務はあるが、この現状下では強制力はない。徴兵に応じるかどうかは任意・・だそうだ」数日後、アルフレッド宅を再び訪れたテリィは、領事館で聞いた事を伝えた。「先の大戦に続いて、僕と君は徴兵を逃れたわけだね」アルフレッドは胸をなで下ろした。「そういうことになるな・・」紅茶のカップを手にしながら、テリィとアルフレッドは同時に天井を見上げた。「ジャスティンとナイルは、またも兵役か・・」アルフレッドの一言に、テリィの目は大きく見開いた。「あの二人は、戦争経験者なのか?」「そうだよ。先の大戦ではフランスの西部戦線に送られたそうだ。最も過酷だったという塹壕戦」全く知らなかったテリィは、驚きを隠せなかった。「あいつら、そんなことは一言も、、」「話したくないんだよ、思い出したくないんだ。それほどの経験だったってことだと思う」二人の明るさの裏に、そんな経験があったとは。「今回も陸軍なのかな・・」アルフレッドは少しの罪悪感を抱えながら、遠い地の友に想いを馳せた。アメリカはあまりに平常運転だった。ブロードウェーは相変わらずシェークスピアを上演し、野球場ではニューヨークヤンキースがファンを沸かせている。テリィは、かつて父が自分に言い放った言葉を、思い出さずにはいられなかった。『我々が祖国の旗を背負って戦っている時に、お前はニューヨークで女優と浮かれ―』(父さん・・・)杖で歩けるまで回復した父は、無理していないだろうか。疎開命令が出ていた。都市の子供は両親から離され、安全な田舎に移動を始めたらしい。貴族議員の父が、ロンドンを離れるとは思えない。逆に、ストラスフォードのキャンディは、そこに留まっているだろうか・・。「帰国するまで、何も起こらないように・・」テリィは部屋から見える大海原に、祈りの指を強く組んだ。そんなテリィを裏切るようなニュースが届いたのは、1ヶ月後だった。―10月16日スコットランド・フォース湾上空でドイツ機とイギリス戦闘機が交戦!エジンバラ周辺の民間人が犠牲に!「ついに、民間人が――」届いたばかりの新聞を読みながら、アルバートはソファでつぶやいた。出勤前と出勤後にはテリィの様子を見に来るのが日課になっていた。「映画の撮影が終わったのなら、どうだろう?財団の手伝いをしてみては」その提案は、密航してでも大西洋を渡りそうなテリィへの密かな牽制。「我が財団は、レッド・クロスを通じて紛争地帯に医薬品を届ける活動をしているんだ。テリュース・グレアムは顔が売れているから、君が呼びかければ血液も義援金も集まるだろう」「慈善活動ですか・・」浮かない顔のテリィを見て、アルバートの横にいたカールが片唇を上げた。「あんたも少し血を抜いた方がいいと思うぜ」「どういう意味だっ」テリィはキッとカールをにらんだ。「そういう意味だよ」カールはテリィの視野の中にいることが多かった。おそらく総長の指示なのだろう。「アメリカ政府は中立を保たなければならないが、国民の心までは中立を求めていない。民間レベルならイギリスを支援できる。今の君に、できる事はあるはずだ」「――街頭に立つだけなら・・」待つだけの時間は、あまりにも長すぎた。ブロードウェーの街角にセッティングされた赤い十字の旗とテント。即席で作られたそのスペースを気にする者も、呼び掛ける声を拾う者もいない。しかし、ある瞬間から歩行者たちの動きが一斉に狂い始めた。「え、、?本物?」粗末なテントの中央に突如現れた美形。明らかに一般人とは異なるそのオーラは、まるで光る磁石のように人々の視線を引きつける。「・・・テリュース・グレアム?」一歩一歩確認するように歩み寄る者、畏れ多さから後ずさりする者、確信を得て飛び込んでくる者。瞬く間に一帯の空気が膨張する。「ず―っっっと前からのファンです!!デビュー当時からの!」「次の公演はニューヨークですか!?」ヨーロッパの戦争などまるで眼中にない。誰もが握手会かサイン会と間違えている。テリィにとって、この熱狂的な反応は、忘れかけていた久しぶりの感覚だった。イギリスでは、たとえどんな国民的スターと遭遇しても、冷静沈着であることが美徳とされている。紳士は軽く会釈しながら帽子に手を掛け、レディーは熱い視線を送りながら小声でささやく。ほら、あの方よ・・と。「キャーーーーーーテリュース、こっちを向いてっ!!こっち、こっち!!」などという感情の爆発やファン同士の押し合いなど、絶対にない。テリィは目の前の光景を、まるで白昼夢のように俯瞰した。「募金にご協力願います。AB型の血が足りません」「キャ~しゃべったわ!!」「もう一回、今の、もう一回言って!」「AB型の血が――」「きゃあぁぁ~生声っっ」言葉など聞いちゃいない。テリィは無表情で献血のビラを渡した。「わっわっ、もらっちゃったわ!!」「ちょうだい、私にもーー!!」「どうぞ」「キャーーーーステキ!!」内容など見ちゃいない。活動を終え、財団のビルに戻った直後、カールはボソっと言った。「・・あんた『顔』だけで一生暮らせそうだな」重たい募金箱を眺める痩せた後ろ姿は複雑そうだった。「違う。年輪は顔に出る。俺のすべてが顔に現れているだけだ」上着を脱ぎながら、深いような浅いような事を言っているテリィに、カールはつい質問した。「ヨーロッパのユダヤ人ってさ、『見た目』に違いがあるのか?」テリィはネクタイを緩める手を止めた。「祖父母にユダヤ人がいればユダヤ人と分類されるそうだ。彼らは市民権をはく奪され、強制労働を強いられている」「・・・改宗すればいいって話じゃないのか」「本人に非が無い事で差別するのは・・いただけない」テリィの言葉に、カールはうなずいた。「ユダヤ人を差別する理由は?」褐色の肌を持ち、冷遇された経験を持つカールは、その部分に殊更敏感だった。「宗教的な、歴史的な背景があることはあるが、・・ユダヤ人はヨーロッパ各地にいる。イギリスにだってグランチェスター家にだって。極端な差別をしているのはドイツだけだ」「ふんっアメリカにだって差別があるけどな」カールは皮肉を言わずにはいられなかった。「自分たちが優秀人種とでも?下等人種とは交わりたくないから、結婚も許さない。高潔なドイツの血を守りたいのか?ユダヤ人が何をした!」カールはドイツの話をしているのか、アメリカの話をしているか。「なぜドイツ国民は、そんな政党を支持するんだよっ」ふくれっ面のカールを見ながら、テリィは淡々と説明する。「世界大戦の敗北で国が貧しくなり、国民の不満が高まったようだ。ナチ党の強力なリーダーシップに託したくなったんだよ。だがその結果、ヒトラーが絶大な権力を持ち、国家への忠誠や服従が求められた。今となっては、ゲシュタポ(国家秘密警察)の取り締まりが厳しく、人々は声を上げることができない。・・個人の自由や権利がない政治など、イギリスやフランスが同調するはずがない」カールはあからさまに眉をひそめた。「ゲシュタポ?、、、アメリカのギャングの方が、よっぽど話が通じそうだな」ヨーロッパの情勢など、ブロードウェーでは相変わらず他人事。ヤンキースがワールドチャンピオンになり、MVPを獲得したジョー・ディマジオの名前が紙上を賑わせている中、芸能欄はというと――テリュース・グレアム、離婚か?戦火から逃れ、単身でアメリカへ亡命!テリュース・グレアムにはゴシップがもれなく付いてくる。例え街頭に立っただけでも。「でたらめばかり書きやがってっ!戦争から逃れた?俺は行きたいんだよ!」テリィは新聞を八つ裂きにした。「その発言・・やばいよ、あんた」「離婚なんかするわけないだろ!もう一度結婚したいぐらいだ!」苛立ち混じりの言葉が、のろけだなんだと突っ込む雰囲気でもなさそうで、「はいはい」とカールは軽く流した。ソファに置かれたクッションは、もはやテリィのサンドバッグになり下がり、今日の一発目を食らったばかり。報道が出てからというもの、財団の玄関口には大勢のファンや記者が張り込み、外出もままならなくなっている。とはいえ、こもってばかりでは親心も発動するというものだ。「あ~、、テリィ・・どうかな?気晴らしに映画でも。招待券があるんだが」「どうぞ、満喫してきてください」「そうだ!古巣のストラスフォード劇団の公演に、ゲスト出演してみては?」「・・シェークスピアですか。そんな気分にはなれません」「アードレー家系列の劇場で、慈善公演でも企画するかい?」「・・・そんな気分には以下同文」テリィの反応は、大統領の髪より薄い。アルバートとカールは思わず顔を見合わせた。(こりゃだめだ)アードレー家に送られてくる舞台や映画の招待券も、今のテリィにはただの紙きれ。(南北戦争の映画じゃ、気晴らしにはならないか・・)アルバートは、プレミア招待券を紙飛行機にして飛ばした。1-3慈善活動次へ。。。。。。。。。。。。。。。。。。ワンポイントアドバイス紙飛行機にして飛ばした映画の券⤵この年にアメリカで公開されましたコメントは承認制の為、反映されるまでタイムラグがあります
★★★1-2©いがらしゆみこ 画像お借りします「・・大丈夫だよ、パティ」一瞬、パティの目には夫の顔が若き日の恋人ステアと重なった。「僕はアメリカに住んでいる。徴兵は拒否できるはずだ」「ほんと・・?」夫の言葉に救われたようにパティは顔を上げた。「でも、国籍はイギリスのままだろ?」瞬間、テリィは不用意な事を言ってしまったと感じ「領事館に確認してくる!」と走るようにアパートを後にした。ブロードウェーにあるイギリス領事館には、さほど多くの人は訪れていなかった。アルフレッドとは反対に、テリィは今すぐにでも帰国したい衝動に駆られていたが、そんなテリィに冷水をかけるごとく、事務官は座したまま言った。「徴兵と言っても実際難しいんです。前の大戦でも、在米イギリス人は殆ど応じていません。自宅待機で結構です」テリィはハッとした。(そうだ。あの時の俺も、ずっとブロードウェーで・・)ベテラン風のその事務官は、テリィの顔をチラリと見た。「徴兵対象は、今のところ41歳までです」「・・・ギリギリ、外れてる・・」安堵ではなかった。「それなら尚のこと、どうぞブロードウェーで芝居でも観ていてください。徴兵年齢が拡大されたらお知らせします」事務官はあくまで好意的に言ったのだが、「違う、帰国したいんだ!」テリィはドンっと机を叩いた。「そうでしたか。定期便は、ルートの変更があるかもしれません。詳しくは港で―」事務官がそう説明していると、奥から若い職員が走り寄り、何やらコソコソと耳打ちを始めた。「・・・――なんだって!?」明らかに顔色が変わり、動揺した顔でテリィの方に向き直る。「――渡航は、安全が保障されるまで待った方がいいと思いますよ」急変した回答。事情がのみ込めないテリィは、「どういう意味だ?」と説明を求めたが、事務官は「命が惜しいなら、アメリカに留まった方がいい、ということです」と強い口調になった。「命は惜しい。でも、今すぐ帰国したい」「・・では、カナダ軍へ志願なさるといい。カナダ経由なら比較的安全にイギリスに戻れると思います」「志願だって?」思わず片眉が上がる。「カナダはイギリス国王を国家元首とするイギリスの自治領ですから。間違えてアメリカ軍に志願しないでください。アメリカは中立国。参戦していません」冷静な事務官の言葉に、テリィは呆然と立ち尽くした。「くそっ!」何に八つ当たりしているかも分からずに、正面階段を蹴った時、「・・・テリュース?」聞き慣れた声が背後から聞こえた。振り向く前に分かった。「――母さん」領事館の前はテリィの母エレノア・ベーカーの屋敷だったのだ。エレノアは、窓から向かいの領事館を見ながら、不安そうに尋ねた。「それで、まさかカナダ軍に入隊するなんて言わないわよね?」淹れたコーヒーに手を付けず、同じラジオを聞き続けているテリィには、母親の声など聞こえていなかった。「両国の主張は真っ向から対立しています。『ポーランド兵がドイツのラジオ局を襲撃した為、それに対する報復措置だ』とドイツ政府は主張しています。しかしポーランド政府は『そのような事実は無い。ドイツ軍による偽装工作だ。侵略の口実だ』と激しく非難しています。イギリスはポーランドの独立を守る為、大陸へ遠征軍を派遣しました」※(この争いが決着したら、戦争は終結に向うだろうか・・・――しかし、前の大戦は4年も続いた・・・)「テリュース」何度目かの呼びかけで、テリィの顔はようやくエレノアの方に向いた。何がなんでも帰国する、と言っているようなテリィの強い目に、エレノアはギュッとカーテンを握った。「、、アメリカにいれば、安全よ」震える声。「イギリスには、子供たちが、キャンディがいるんだ」愛する家族の笑顔が浮かぶ。セントポール学院では新学期が始まったばかり。9歳のジュリアンと過ごしているキャンディは、きっと不安でいっぱいのはずだ。「とにかく、、早く傍に・・」テリィは言葉に詰まり、会話はそれっきり途切れた。お互いの気持ちが分かりすぎた。「――滞在先は?この家に泊まってもよくてよ」息苦しい沈黙をはらうように、エレノアは尋ねた。「アードレー財団のビルが近くにあるんだ。アルバートさんが30階のエグゼクティブルームを使ってくれって。映画の撮影は1ヶ月の予定で」言っている傍から『そんなことをしている場合かっ』と、心の声が反発している。テーブルに預けたこぶしが、全身の苛立ちを集めたように震えが止まらない。「――とにかく、アードレー氏とよく相談を。慎重に行動しなきゃだめよ」数々のセリフを経験してきた大女優でも、今はそんな言葉しか出てこなかった。セントラルパークが真下に見える場所にアードレー医療財団のビルは建っていた。テリィがそこに着いたのは、夕方だった。大理石造りのエントランスホールで迎えた財団職員の第一声は、あまりのいい草だった。「――あんた、、、生きていたのか!」「カール・・。相変わらずだな」14年前、列車事故の現場という最悪の状況下で出会った少年は、今は亡きノグチに代わりこの研究所の主任に就いている。白衣を着ていても、プエルトリコ移民のぶっきらぼうな口調は変わっていない。「到着予定日を何日も過ぎているから、、てっきりもうだめかと――」細い腕はガツっとテリィを抱きしめた。「な、何を言ってるんだ、船が遅れたぐらいで大げさな」「大げさなもんかっ!総長だって血相かいて飛び出して行ったんだぜっ」黒い目は真剣そのもの。「飛び出して行った?どこに?」「知らねーよ、ホワイトハウスかもな」「ホワイトハウス!?」キキーーッ玄関先で話し込んでいた二人の背後に、黒塗りのキャデラックが急停止した。「テリィなのか――?!」後部座席から男性が飛び出してくる。「アル――」テリィがその名を言う前に、大きな腕がガシッとテリィの身体に回った。「テリィ、、無事だったか、よかった!」カールと同じセリフを吐くアルバート。状況が読めないテリィは混乱したが、次の言葉で理解が追い付いた。「情報が入ったんだ、太平洋を航行中のイギリスの旅客船が、ドイツのUボート(潜水艦)に攻撃され、沈没したと!」「なんですって!?」アメリカ屈指の大財閥の総長は、政治家とも繋がりがある。その耳はどこよりも速かった。「ドイツ政府は攻撃を否定している。船を沈めたのはイギリスの自作自演だと」「な、何を馬鹿な事を!そんな事をして、イギリスに何の得があるっていうんだ!」「乗客にはアメリカ人も含まれている。アメリカ人の反ドイツ感情を強め、アメリカを参戦に巻き込みたいイギリス側の目論見、だそうだ」テリィは奥歯にぐっと力がこもった。ただの屁理屈が、時と場所によって説得力を持つことがあってはならない。「そんな作り話、誰が信じるっ!」「今、救助活動が行われている。このニュースはアメリカの世論に衝撃を与えるだろうが、ルーズベルト大統領は参戦には慎重だ。中立を保つだろう」まるで政府を代弁するかのようなアルバートの発言。「とにかく、これで民間人の大西洋渡航は、事実上閉ざされてしまったな」「――っ!!」テリィは目の前が真っ暗になった。――戦争が終わるまで帰れない。そう宣告されたも同じだ。「ウイリアム様、ラジオから新しいニュースが」車に留まっていた秘書のジョルジュが、カーラジオの音量を上げた。――ドイツ機がスコットランドのフォース湾に接近し、イギリス機が交戦したもよう。スコットランドの海軍基地が爆撃されました!テリィの呼吸が凍った。「イギリス本土への攻撃・・?スコットランドに――」テリィの脳裏に、夏のスコットランドの美しい湖と山並みが映った。あの風光明媚な場所に爆弾が落ちるなど、どうやっても想像できない。瞬間、ふらついたテリィの足元に気付いたジョルジュは、運転席から飛び出した。「とにかく、部屋の中に」テリィを担ぐように腕を回す。「・・・大丈夫だ、ジョルジュ」「体をお休めください」エレベーターを待つ間、ジョルジュは控えめに言った。「――狙われたのは軍事施設です。民間人を標的にはしていません。イギリス本土が戦場になっているわけではありません。戦場は大陸、ご一家は安全です」そう言うジョルジュの顔は、いつにも増して表情が無い。(・・そうか。ジョルジュの故郷はフランスだったな)陸続きのフランスの方が、はるかに切羽詰まっているだろう。「今日は・・・仕事は?」「本日は日曜日です」居合わせた偶然を、テリィは少しだけ感謝した。アードレー家の総長は、南米とシカゴ、ニューヨークの三拠点を常に行き来しているからだ。最上階のエグゼクティブルームに入るなり、テリィは力が尽きたようにソファに倒れ込んだ。摩天楼に沈みゆく雄大な夕陽も、今のテリィには部屋に飾られた絵と同じ。「――早まった事だけはなさいませんように」――アリステア様のように・・ジョルジュの語尾にそう聞こえた気がして、テリィは咄嗟に身体を起こした。「しかし!!」「カナダに行くおつもりですか?」瞬間、唇を噛んだテリィを見て、ジョルジュの切れ長の目は鋭くなった。「カナダ兵士に志願して、軍艦で帰国して、戦場に行って、死にたいのですか?キャンディス様はそれを望むと思いますか?」言い返せなかった。テリィはソファに寝転ぶと、腕で両目を覆った。夕陽がまぶしいだけだ、と言うように。どこからかラジオの音が流れてくる。「 ・・・我々の人生の中で、二度目の戦争です」(バーティの声だ・・)吃音症を抱える幼なじみの口調は、特徴がありすぎた。イギリス国王ジョージ6世の演説。ラジオの音は、部屋から、ニューヨークの街から、アメリカ中から流れているように聞こえた。「何度も何度も我々は、両者間にある溝を埋める平和的な道を探していましたが、ドイツは今や敵となってしまいました。もはや、戦うのみです。ドイツの主義が勝利するような事があれば、世界の文明社会が崩壊することになります。この戦いは、世界の秩序と平和を守るための戦いです。今、私は、国内外全ての国民に、団結して欲しいと願います。任務は厳しいでしょう、暗い日々が待ち受け、戦争はもはや戦場だけにとどまらないでしょう。しかし我々は、正しいと信じる事を行い、どんな奉仕や犠牲にも覚悟をもって臨めば、神の助けによって我々は勝利するでしょう。神のご加護が我々と共にあらんことを!」一言一言噛みしめるように国民に語る声。その演説を、家族と離れた異国で聞かなければならない孤独――どうしようもなく浮いてくる瞼を、テリィは両腕で押さえていた。②ジョージ6世の演説次へ。。。。。。。。。。。。。。。。ワンポイントアドバイス作中の事件や演説内容は、史実に基づきます※グライヴィッツ事件Uボートドイツ語の=Unterseeboot=を縮めた言葉。「海の下の船の意味」で潜水艦のことです。第2次世界大戦初期に運用されたドイツ軍Uボート⤵全長約66.5m (50mプールには入りません)イギリス船の沈没について1939年9月3日、アセニア号撃沈乗客1400人、死者112人、アメリカの世論にも衝撃を与えました。
11年目のSONNET・終章――Eternal Coda――エターナル・コーダ世界大戦の後、1919年に締結されたヴェルサイユ条約によって、厳しい制裁を科せられた敗戦国ドイツ。巨額賠償金、領土縮小、極端な軍備制限――世界恐慌の煽りも受け、屈辱と失業の深刻化の中で不満を募らせていくドイツ国民。ヒトラー率いるナチ党は、それらを覆すと力強く約束することで支持を拡大、再軍事化を開始した。「ゲルマン民族※は一つの帝国に統一されるべきだ!」 ドイツがその主張のもと、オーストリア、チェコスロバキアを併合し、堂々と領土を拡大する姿を見て、イギリスとフランスはようやく思い知らされた。――対話と譲歩によって戦争を避けようとしていた宥和(ゆうわ)政策は、もはや限界を迎えた!ヒトラーの野望は止まらない。次の標的はおそらくポーランドだ。ヨーロッパの安寧の為になんとしても阻止せねば!!危機感を深めたイギリスとフランスは、『ポーランドが万一脅かされた場合は支援する』という軍事保証をポーランドと結んだ。1939年春のことだ。Illustration by RomijuriReproduction is prohibited.第1部★★★1-1夏のキャンディの髪は馬のしっぽ。キッチンから聞こえるあやしい音程は、おそらくフランツ・リストの『愛の夢』。部屋に流れる長女のピアノと、デュオのつもりのようだ。その傍で飛行機の模型を熱心に組み立てているのは9歳の次男。長男は広場でクリケットだろうか、姿が見えない。結婚して14年。エイボン川畔の家は、今日も心地よい日常に包まれている。「あ、そういえばテリィに手紙が来てたわよ」しっぽがくるッと回転した。キャンディは、フルーツの盛り合わせをローテーブルに置くと、エプロンのポケットから手紙を取り出した。「アルフレッドからだ」差出人は元ロイヤル・シェークスピア劇団の旧友。消印はアメリカのニューヨーク。「パティに何かあったのかしら?早く、早くっ」急かした口調で言われても、客の手前、テリィは封を切るのをためらった。「どうぞお構いなく。俺も知りたい」来客のジャスティンはソファにあずけていた腕をテリィに向けた。テリィは遠慮がちに手紙に目を通し始めたが、直後から「う〜ん・・」思わず唸る。「何?悪い知らせ?良い知らせ?」「どちらとも言えない」「何、何?」ますます気になるキャンディは、テリィにピタっと顔をつけ手紙を覗き見る。そんな夫婦の様子に「相変わらず仲が宜しいことで」ジャスティンはニヤニヤしながら眺めている。「あら、映画のオファーね。しかも主役」「なぬ!?」そうと聞いては花形役者の血が騒ぐ。ジャスティンはカットスイカを頬張りながらキャンディとは反対側から首をのばした。「――お前にしか頼めない役だとよ」「よほど難しい役なのかしら?」「開始早々、天に召されるって書いてあるな」「そこから回想が始まるパターンなの?」両サイドから矢継ぎ早に入る茶々に、テリィは苦笑気味に言った。「セリフは無いが、ラストまで出ずっぱりのようだ」今や映画監督として身を立てているアルフレッド。その作品はいつも斬新で、手紙だけでは映画の全容がつかめない。「セリフが無い役って、難しいわよね。ママが昔言ってたもの。『たとえ死体の役でも一瞬でも気が抜けない。最も難しい演技』だって」絶対にそんなことは言ってないだろう・・と疑いの目で妻を見る。「そうそう、最難関の演技力が必要だって、エレノア・ベーカーが」合いの手を打つ俳優は相変わらず調子がいい。(それが最難関なら、舞台でしゃべりながら動き回っている役者はどうなる)決めかねているテリィは「To be or not to be:that is the question」ハムレットのセリフを無意識に口にした。「やれよ。やらなくて後悔するより、やって後悔した方が学びがある。後悔の経験は次につながるが、やらないと、何の学びも得られない」「・・たしかに」ジャスティンの前向きな姿勢を見習った方が良いかな、と思った時、キャンディが不意に言った。「・・・実は私、15歳の時、アルフレッドさんに助けてもらったことがあるの。ニューヨークの駅で」テリィはパッと顔を上げた。その年齢と場所には、殊更敏感にならざるを得ない。「シカゴまでの切符を譲ってくれたのよ。『間違えて買っちゃったからどうぞ』って立ち去った男性がいたの。私、誰にも話してなかったのに、パティからの手紙にそのことが書いてあって」「本当か!?」「シカゴまで帰り着けたのは、アルフレッドさんのおかげよ。どんなに感謝してもしきれないわ・・」あの雪の夜の出来事なのだと知ったテリィは、にわかに心を決めた。「アルフレッドに結婚祝いを届けてくれや」ジャスティンは親指を立てた。「そうね、私もまだ贈ってないわ」キャンディは嬉しそうに手を合わせる。「行くか、アメリカ」降参するテリィの表情は柔らかい。家族全員で、というのが本音だったが、「もう子供たちの夏休みも終わるから、私たちは残るわ」と残念そうに言われては、受け入れざるを得ないのが一家の主。「ただいま〜」バットを肩に担いだ長男がリビングに入って来た。土まみれの金髪に、瞬間ツノを出したキャンディだったが、「こんにちは、ジャスティンさん」と長男は逃げるように客人に笑顔を向けた。「おう、アンディ。活躍できたか?」「MVPだよ!――あれ?これナイルさんの畑の?」湖のような青い目は、さっそくテーブルのスイカを発見した。「ああ。午前中、収穫を手伝ってね」ジャスティンがカットスイカを渡すと、アンディはおそるおそる口にする。「―――甘いっ!!」大げさなリアクションには理由があった。その声に、長女アイリスは思わず鍵盤から指を離し、次男ジュリアンは作りかけの模型を床に置いた。「今年は、甘いの・・?」姉と弟が同じセリフを言いながら、疑惑の目を向けている。アンディは苦笑気味に伝えた。「美味しいよ。去年の四角いスイカは、、、鑑賞用としては面白かったよね」「なぜ四角い箱で育てると、甘くならないのかしら?」アイリスはピアノに背を向け分析を始めた。ジュリアンはいつの間にか模型をスイカに持ち替えていた。「ホントだ、甘いや。去年はスイカというよりキュウリだった」率直な弟に、兄は生産者への思いやりを忘れない。「スイカだと思うからそう感じるだけで、キュウリだと思えばイケてたよ」「スイカは分類的には野菜よ。この際、スイカはキュウリってことでいいんじゃない?」遠慮の無い会話にジャスティンもたじたじだ。「お〜、お前ら言ってくれるじゃないか。・・・ナイルも悩んでたよ」グレアム一家に訴える。「どうやってスイカ農家を弟に押し付けようかって!」「・・それ、悩み?作戦段階に入ってない?」キャンディの一言に、リビングは笑いに包まれた。家族と友人と過ごす夏の午後。この平穏が、ずっと続くものだと思っていた。ドイツの動向は頭に入っていたものの、きっと大丈夫だと思ってしまった。テリィが船に乗り込もうとした時、変調の予兆は既に現れていた。「クイーン・メリー号が欠航?代わりにこの客船で?」同じ船会社とはいえ、明らかに速度が遅い客船。エンジンの不具合という理由で、大型客船に乗ることが出来なかった。次の異変は、船内での最初の食事の時だ。「ソ連はドイツと手を組んだのか」「イギリスやフランスと、敵対するってこと?」船内新聞を手にした夫婦の声が、隣の席から聞こえてきた。――ドイツとソ連、不可侵条約締結!大きな見出しが目に入る。「ソ連がドイツと協定を?・・ソ連はドイツと手を結ぶ方を選んだのか?」思わず独り言をつぶやく。お互いの国を侵略しないという独ソ不可侵条約。それが何を意味するのか。「ヨーロッパの政治はよく分からん」「アメリカは関わりたくないわ」この時はまだ、その夫婦だけでなく、多くの人は分かっていなかった。ニューヨークの港にようやく着いた頃、街は号外を刷り始めていたが、テリィの目にその文字が映ることはなかった。ドイツ軍が隣国ポーランドの国境を越えた!港からほど近いニューヨーク、マンハッタンのタウンハウス。ウォークアップ式のその住居は中流層の証だ。「よく来てくれた、テリュース!!」「船が何日も遅れて、今朝着いたんだ。早い時間にすまない」ますます丸みを帯びたアルフレッドの頬には、幸せの印ピーナッツバターが付いている。どうやら朝食のお邪魔をしたようだ。テリィは申し訳なさそうに「脚本と原作本だけもらえるかな」と伝えたが、「イギリスからわざわざ呼び寄せたのは僕の方だ。さぁ、中へ」とアルフレッドの手がテリィの背中に回った。その時、奥から眼鏡の女性がゆっくり歩いてきた。「お久しぶりです、テリィ」「やあ、ミセス・パトリシア・コックス」言いながらテリィは気が付いた。(この服の膨らみは、、、)そんなテリィの違和感は直ぐに解決した。「もうすぐ生まれるんです」パティは頬を染めながら上目遣いで夫を見た。遠距離恋愛だった二人の恋の成就には歳月が必要で、懐妊は奇跡とも言える年齢だ。妻になった女性の肩を抱くアルフレッドの腕には、映画監督としてようやく認められてきたという充実感があふれていた。案内された部屋には、食事が用意されていた。「お口に合えばよろしいのですが・・」湯気を上げている皿にはラム肉の塊が見える。パティのアイリッシュシチューは、見慣れた色とは違っていた。(乳白色じゃない・・)それぞれ家庭の味がある・・いつの間にかキャンディが基準になっている自分に可笑しさを覚えながら、デミグラス色のシチューを新鮮な気持ちで味わった。お茶の準備にパティが席を立ったタイミングで「これが原作本なんだ」とアルフレッドは本を差し出した。「君しか頼れる人がいなくてね、、みんな、やりたくないらしくて」アルフレッドは申し訳なさそうに頭をかいた。(そんな役をやるのか、俺は・・)なんとなくそうだと思っていたテリィは、心の隅で息をつく。「故郷のイギリスでも上演されるのが目標だけど、たぶんこの映画は、イギリスでは公開されないから・・・だから、君なら大丈夫!イメージダウンにはならないよ」それはよかった――とは思えないが、妻の恩人には寛容を貫く。「最近は演出や脚本の仕事も多くて、役者業は久しぶりなんだ。アルフレッド監督の手腕、とくと拝見させてもらうよ」パラパラとページをめくるテリィの手が、ものの数秒で場所を忘れたように入り込む。そんな姿を見て、アルフレッドはおもむろにラジオをつけた。読書のBGM、のつもりだったが、いつものチャンネルから流れて来たのはジャズではなく何故かニュース。テリィの手が一瞬止まった。「・・・いま、何て言ってた?」聞き違いかとアルフレッドに確認したが、アルフレッドの目は既に焦点が合っていない。「アルフレッド、今のニュース!!」爆竹のようなテリィの声で、アルフレッドは慌てて音量ダイヤルを回した。――イギリスは戦争状態に突入します「まさか・・・」突然のことに、二人の頭は「戦争」という言葉を処理できない。そうこうしている内に、イギリスのチェンバレン首相の声が重苦しく流れた。「ポーランドから撤退するよう、ドイツに最後通告を手渡しました。国民のみなさん、残念ながらドイツ政府から回答は得られませんでした。したがってイギリスは、戦争状態に突入します。イギリス国民に呼び掛けます。徴兵法に基づき、対象者は速やかに出頭してください!」その瞬間、ガシャン!!意思を見失ったパティの手からトレイが落下した。紅茶がこぼれ、投げ出されたスコーンが床を跳ねる。「徴兵・・?いや、いやよ」青ざめた顔で夫の肩にしがみつく。「イヤっ!行かないで――!!」天を突き抜ける嗚咽と共に、眼鏡の奥の瞳から涙が噴き出した。1939年9月3日、第二次世界大戦、開戦――①開戦次へ。。。。。。。。。。。。。。。。。。ワンポイントアドバイス※ゲルマン民族ヨーロッパの祖先。ドイツ、イギリス、フランスなど北欧周辺を起源とする部族。表紙絵はロミジュリさんです今作の世界観を見事に表現してくださり、私自身、何度お礼を言っても言い尽くせないほど感激しています。ロミジュリさんのインスタに、読者さまの感想や感謝などを届けて頂けたら、作者としても嬉しく思います♪ロミジュリさんのインスタはこちらです⤵InstagramCreate 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キャンディファンのみなさま、お変わりありませんか?本編終了から5年、最後のスピンオフから2年半の月日が流れました。今でもこのブログを訪れてくださる読者さんがいらっしゃることに、驚きと同時に、心からの感謝を申し上げます一度は筆を置き、ブログを放棄してしまった罰当たりなブログ主ですがイメージ画「きちんと終わらせるためにもう一度始めよう」「責任を持って、このブログの管理者であり続けなければ」という気持ちになりました。この5年間、人の欲やネット社会の歪みを目の当たりにし、眠れぬ夜を過ごすこともありましたが、その経験が今作品に向かわせた要因の一つでもあります。テリィの色恋やかっこよさ、俳優としての実力を描く二次小説は群雄割拠ですし、私も前作で描いたつもりです。今回みなさんにお届けしたいのは、5年前の私なら見向きもしなかったまったく違う景色です。また、今日のAIの進歩があってこそ取り組めた作品だと思います。※AI作品ではありませんようやく、スタートの目途が立ちました。つきましては、予告をさせていただきます新たな連載は、「11年目のSONNET」の続編です。ストーリーを忘れてしまった方や、よそ様の二次小説と絶賛ごちゃ混ぜ中の方は(笑)、以下のページから振り返ることができます。『目次 』このページは既に一読した方用の目次です。初見の方はこのページを飛ばし、次の二次小説のまえがきへどうぞ二次小説に興味が無い方はこちらへ『ブログの表紙』今…ameblo.jpお時間が無い方の為に、このページの下に復習ページを設けました。そちらを一読いただけると幸いですただ、旧作から時間が経っていることもあり、初見の方でも分かるように執筆しています。どうぞご安心ください追加情報です表紙絵を、みなさんが大好きなロミジュリさんに描いていただきましたいや~この絵がすごいのなんのって細かい注文は生意気にも私が出したので物語と表紙絵は、がっちりリンクしています。普段の絵より、何倍も神経をすり減らして描いてくださったと思いますありがたや~※現在ロミジュリさんは、リクエストを受けつけていません。今回表紙絵が叶ったのは、2022年3月にソネットの挿絵として依頼し、諸事情により保留になっていた1枚の代わりに実現したものです。人に歴史ありっ保留の1枚に感謝(笑)第1話の投稿と同時刻にインスタでもお披露目される予定です。外国の方には「???はぁ?」かもしれないのでソネット読者の皆さんのご感想、ぜひインスタのコメントに寄せていただけると嬉しいですロミジュリさんのインスタはこちらです⤵ この投稿をInstagramで見る ロミジュリ(@romi_ju_ri)がシェアした投稿↑加筆おわりさて、今回の物語ですが、世に溢れるテリィ系の二次小説の、「その先の物語」に位置します。心の隅で、なんとなく思っていました。「〜こうして、テリィとキャンディは結ばれ、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」そこでキャンディキャンディの物語は終わらないよね?とというのも、原作者の名木田先生が、ファイルストーリーのあとがきで、世界情勢の不穏な空気に触れているからです。私(名木田先生)の至福の趣味は書き終えた物語の"その後"を思い描き、登場人物たちと心の中で会話することなのです。――中略――キャンディたちと繰り返し対話し、近況(!)を聞いていました。その時、悩める私の前に現れてくれたのが、その後の――第二次世界大戦を目前にした頃のキャンディだったのです。(心だけの続編ではそれが終章になります。)小説キャンディキャンディfinal Story下巻335頁より名木田先生の脳内にある「終章」ってどんなの?界隈を見渡しても、その時代を扱ったものは皆無で、まっさらな雪原のようにひっそり残されているようです。「その先の物語」など、興味がない方もいらっしゃると思いますが、仮にあのひとがテリィなら、リアリティのあるストーリーかもしれません。以前の物語とは違う、新しい情景が展開されます。堅苦しい時代背景ですが、イメージしやすい、ストレスフリーの文章を目指しました※あくまで文章の理解という面で※物語におけるストレスは、その限りではありません次の行でテリィはどうなるのか次のページで物語はどこへ行くのか目まぐるしく動く「次を」追いながら、最後まで読んで頂けると嬉しいです。「え〜!」「ギゃー」「うそ、」「サドっ」など一言でも、感想を頂けると励みになります全話書き終えているので、順次更新いたします。でも、年齢的に毎日は無理なので(笑)、無理のない程度の間隔で投稿したいと思っています。1話あたりの文字数は、少な目です。※第1話は少し多いですスピンオフ「伝説の森」の11ヶ月後から始まります。『伝説の森 【本編後⑦】スピンオフ』※ソネット本編終了後のお話です。時系列では、スピンオフ「おめでとう2」の次です。復習されてからの方が理解が深まります。11年目のSONNETスピンオフ伝…ameblo.jp当二次小説のおさらい絶賛二次小説チャンプルの方は、一読して頂けると嬉しいです。NYの別れから10年後。テリィから手紙が届き、キャンディはNYに会いに行くも列車が脱線。すれ違いが続く中、なんとか再会。テリィの代役公演の都合で、キャンディをさらうように渡英。強引に結婚式を挙げ、ゴールイン!イギリス、ストラスフォードの公爵家ゆかりの家で、いろいろあっても幸せに暮らしている。ざつなまとめだなあらすじより、登場人物の呼び起こしの方が重要かな、と思います。今回関係してきそうな人物をまとめました。登場人物※画像は脳内イメージですテリィ・・ロイヤルシェークスピアカンパニー(RSC)の役者。映画にも出演。監督業や脚本も手掛けるようになる。キャンディ・・近所の総合病院に勤務。出産後は育児に専念。アルバート・・シカゴ銀行の頭取り。医療系の会社を買収し、NYに医療財団を設立した。アーチー・・理系の大学院を卒業。専攻は有機化学。アニーと結婚。アルバートさんの右腕としてアードレー家の事業を支えている。列車に事故に巻き込まれた黒人の少年・・アードレー財団に勤務している。今回は、名前付きで登場します。子供長女アイリス・・テリィ似。しっかり者。首席でセントポール学院に入学長男アンディ・・アンソニー系の面持ち。優しい。アイリスとは双子。セントポール学院に入学次男ジュリアン・・テリィ似。プラモデルが趣味。ちゃっかりさん。役者関係ジャスティン・・RSCの花形役者。テリィのライバル&親友。ナイル・・RSCの役者。口が悪い。スイカ農家の長男。クリオ・・RSCの研修生。品行方正なセントポール学院の卒業生。アルフレッド・・テリィの元同僚。ぽっちゃりさん。キャンディとテリィの別れの真相を知っている。映像の勉強の為アメリカへ渡った。パティに恋心がある。グランチェスター家公爵・・テリィの父。第一次世界大戦の際に病に倒れ、足の自由が利かなくなる。リハビリの末、回復。テイラー・・公爵家の執事。緊張感がない。ボリス・・公爵の主治医。神経質で太っている。パッカード・・公爵家の顧問弁護士。冷静沈着。テリィの義弟は伝染病で死去し、義理の母(公爵夫人)は、娘二人を連れて離婚しています。したがって当二次小説では、テリィは公爵家の跡取りです。もろもろの画像は、あくまでブログ主の脳内イメージです※Geminiにて作成その他の登場人物ジョージ6世・・国王。テリィとは親戚で幼馴染。吃音に悩んでいる。その他、前作に登場の機会がなかった原作キャラも多数登場します・・・・・・・・・今回の連載は、年号、時刻、年齢は数字表記にいたします。漢字と数字が混ざる文になってしまいますが、読み易さを優先しましたので、ご了承ください。誤字脱字などを発見しましたら、お気軽にご指摘ください。コメントは承認制の為「非承認でOKです」など添えて頂ければ、対応いたします。ご質問などがあれば、お気軽にどうぞ♪
今さら・でも―キャンディキャンディいつもアクセスいただきありがとうございます©水木杏子/いがらしゆみこ 画像お借りしますブログを最初から読む二次小説を最初から読む11年目のSONNET 目次スピンオフ本編前本編後キャンディ雑談を読むFinal Storyの考察を読む考察①Final Storyって?考察②新旧手紙の比較考察③あのひとは誰?考察④Finalと漫画の違い考察⑤テ リィの手紙考察⑥男アルバートさん考察⑦キャンディの気持ち考察⑧テリィとスザナアメンバー限定記事を読むDear foreign CC fansブログ主の日常のつぶやきですご興味があれば覗いてください『井戸端会議場・・――ひとりごつ(独り言)』ポニーの家のキャンディの部屋をイメージSONNETの目次∻☆…∻☆・アナウンス&ひとりごつですページの移動と朝ドラ2026年6月2日トッ…ameblo.jp小説キャンディキャンディFINAL STORY復刊投票はこちら『小説キャンディキャンディ FINAL STORY 上・下(名木田恵子)』 投票ページ復刊ドットコムによる『小説キャンディキャンディ FINAL STORY 上・下』(名木田恵子)の復刊投票リクエストページです。www.fukkan.comブログ村・小説(二次小説)カテゴリーPVランキングに参加していますおかげさまで、上位をキープしています応援ありがとうございます(❁´◡`❁)
アクセスありがとうございますアーチーの誕生日のはずの5月25日。ところが、10月11日のステアの誕生日と入れ替わって「なかよし」の付録に印刷されてしまい世界中のアーチーファンは嘆き悲しんでいる…かなぁ〜?アーチーが好き!テリィの次にアーチーが大好き!テリィと同じぐらいという声が多いことに、ブログを始めて知りました。アーチーが1番好き、は聞いたことなしワタシも、最近はアーチーの株が上がり①夫②兄③親友④はとこの中では………④です株、上がったか?親戚の法事で「あの人誰?」と遠くから見つめるぐらいでいいちなみ①はステアかアンソニーかなみなさんは、どうでしょう?――ということでおめでとうコーンウェル兄弟!一括りでは、さっそくっスザナを語りたいと思います漫画のこのシーン⤵©いがらしゆみこ・水木杏子「スザナ…いちごを売ってるお店なんて」というセリフが出し抜けに出てきます。キャンディがスザナの病室を訪ねた際、ベッドにスザナがいない、というシーンです。お気づきの人もいると思いますが、これ以前に、🍓絡みの会話はありません。そういう事もあり、恥ずかしながら最初は意味不明のセリフでした袋に入っているのは🍊ですから想像力を発動させれば、事前にどんな会話があったのか推測できますが、大して興味もなくスルーしていましたこの事前の会話実はアニメ版には描かれています。そこから察するに、おそらく名木田先生の草稿にはあったものの、いがらし先生がページの都合で事前の会話をカットされたのかな?と思えます。そうでなければ、「いちごを売っているお店なんて」というセリフはあまりにも唐突だと感じます漫画では、前夜のこの会話だけです。©いがらしゆみこ・水木杏子キャンディを羨むセリフと、「がんばってね、テリィ」という激励のセリフ。これが漫画のスザナ。一方アニメのスザナには、漫画には無い心理描写があります。第99話「雪の日の別れ」よりテリィが舞台でロミオを演じています。場面が病室に切り替わります。【スザナとママの会話】S「ちょうど今頃、最後の幕が始まっているんだわ。‥テリュースは十分に実力を発揮できているかしら」ママ「そんなこと心配しないでぐっすりおやすみなさい。テリュースが来たら、起こしてあげるから」スザナ、驚くS「今夜もテリュースにお見舞いに来てくれるように頼んだのね!?」ママ「い、いいえ、、私は別に何も。テリュースが自分から、、」S「ウソっ!私、知っているのよ!?ママがテリュースにお見舞いに来るように頼んでいるのを――」場がしばし沈黙S「何でもいい・・私、テリュースが来てくれるだけで、嬉しいわ・・・」このシーンを1分動画で撮りました。宜しければご覧ください↓ママ「・・少し、おやすみなさい」S「きっと、大勢の観客をうならせるわよね、テリュース」ママ「ええ、まちがいありませんよ」この会話は、前夜ではなく当日です。これがアニメスザナの本心だと思います。テリィの舞台の行方を深く案じているセリフと、テリィへの恋心や女優としての一面が感じられます。そしてスザナは言います。「私、イチゴが食べたい」ママは「イチゴなんて今ごろ、、」と戸惑いますが、どうしても🍓が食べたいというスザナに、ママは根負けしイチゴを探しに出かけます。病室に残ったスザナは、涙を貯めながらポツリと言います。「ママ・・無理を言ってごめんなさい」時間を稼ぐためのリクエストだったのです。画面はテリィの舞台のクライマックスシーンに切り替わります。舞台には仮死状態のジュリエット(カレン)が棺桶に横たわっています。ロミオはその前で毒薬を飲み、ジュリエットに口づけをしながら息絶えます。✞場面、変わりキャンディがスザナの病室に入ります。空っぽの部屋にとなっているところへママが戻り、例のセリフになります。「スザナ…いちごを売ってるお店なんて」ママ、街中🍓を探したんでしょう。でもなかったので、仕方なく🍊を買って戻るも、最愛の娘がベッドにいない。代わりに遺書が。©いがらしゆみこ・水木杏子一同、手分けしてスザナを探します。この辺は、漫画もアニメもほぼ同じですが、次のシーンが漫画にはありません。吹雪が舞う屋上でスザナは涙を流していると現実と舞台の中のジュリエットの声が重なります。「このまま・・私を死なせて・・」舞台上には代役のカレンではなく、ジュリエット役のスザナがいます。ロミオの亡骸を前に、ジュリエットは自分の胸を剣で突き刺し、ロミオに折り重なるように絶命します。《事故がなければ、今ごろテリィのロミオと主役のジュリエットを演じられていたのに…ジュリエットのように、愛する人を思って死のう…》そんな描写に見えます。テリィを諦め、女優も諦め、絶望のどん底で死へ向かっていくスザナの様子が、芸術的に描かれます。以降は漫画もアニメも同じ脚本です。身を投げようとしているスザナにキャンディは言い放ちます。「生きていて!スザナ!」©いがらしゆみこ・水木杏子生きていて、スザナ。希死念慮がある人に、この一言は響いたと思います。いえ、響くと思います。話はズレますが首都圏では、毎日のように人身事故で鉄道が止まります。「生きていて欲しい」この一言があれば、助かる命もあったかもしれません。この言葉を、全身全霊で言い放ったキャンディは、本当に立派!15歳よ。さすが看護婦よ。スーパーポジティブモンキーよ。「(私はテリィを諦めるから)幸せになって」と、つくり笑顔で病室を出るキャンディ。えらすぎこの決断を、間違いだなんだと言うのは簡単ですが名木田先生とキャンディにとっては、コレが「正解」なんですよね。他人の為に決断できるキャンディとテリィ。この別れが無ければ、キャンディキャンディは普通のシンデレラストーリー。膨大な少女漫画の中に埋もれていたと思います。名木田先生が描きたかったのは「前を向いて生きていれば、必ず未来は開ける」ということ。こんな理不尽な別れをした二人ですが、この時はまだ十代です。キャンディキャンディの物語は、これで終わりではなかった。前を向いて各々が精一杯生きた数年後に、明るい未来が訪れたことを『小説final・story』は証明してくれました。キャンディキャンディは単なる漫画ではありません。小説家名木田先生の児童文学でもなく、純文学だと感じます。🌹小説キャンディキャンディ・復刊運動です🌹『小説キャンディキャンディ FINAL STORY 上・下(名木田恵子)』 投票ページ復刊ドットコムによる『小説キャンディキャンディ FINAL STORY 上・下』(名木田恵子)の復刊投票リクエストページです。www.fukkan.comところでアニメにも、さすがにそれは納得できない!というシーンがありますそれが、この直後のシーン。アニメではスザナの病室は2階の12号室。階段の数は17段です。証拠映像この階段ね、、もう、とにかく動画を見て⤵1分動画段数おかしいでしょっ!!元日のマリー・アントワネットか今日はこれを言いたかっただけ。じゃ、バイバイおいっ、さっきの熱弁は前振りか?
本日はキャンディとアニーちゃんの誕生日です普段は隠居しているワタクシも、奮起しました(笑)コレが今回の目次です↓ご興味あるテーマがあれば、つまんでください[data-toc]{background:#ffffffd9;border:1px solid var(--color-border-medium-emphasis,#08121a4d);border-radius:8px;display:flex;flex-direction:column;gap:8px;padding:12px 16px}[data-toc] h2,[data-toc] ol,[data-toc] p{margin:0}[data-toc] .toc-header{align-items:center;display:flex;font-weight:700;gap:12px}:is([data-toc] .toc-header) h2{color:var(--color-text-medium-emphasis,#08121abd);font-size:.875em}[data-toc] .toc-empty-message{color:var(--color-text-low-emphasis,#08121a9c);font-weight:400}:is([data-toc] .toc-empty-message) p{font-size:.75em}[data-toc] ol{list-style:none;padding:0}:is([data-toc] ol) .last.collapse a{border:none}:is([data-toc] ol) a{border-bottom:1px solid var(--color-surface-tertiary,#08121a14);display:block;font-size:.75em;padding:6px 0;-webkit-text-decoration:none;text-decoration:none}[data-toc] .h4,[data-toc] a{color:var(--color-text-medium-emphasis,#08121abd)}[data-toc] 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[role=button][aria-expanded=false]:after{mask-image:url("data:image/svg+xml;charset=utf-8,%3Csvg xmlns='http://www.w3.org/2000/svg' width='24' height='24' fill='currentColor' viewBox='0 0 24 24'%3E%3Cpath d='M3.05 9.45c0-.26.1-.51.29-.71a.996.996 0 0 1 1.41 0l7.29 7.29 7.29-7.29a.996.996 0 1 1 1.41 1.41l-7.29 7.29c-.78.78-2.05.78-2.83 0l-7.29-7.29c-.18-.19-.28-.44-.28-.7'/%3E%3C/svg%3E")}[data-toc]:has([role=button][aria-expanded=false]) .last:not(.collapse) a{border:none}[data-toc]:has([role=button][aria-expanded=false]) .collapse{display:none}[data-toc]:not(:has([role=button][aria-expanded])):not(:has(.collapse)) .last a{border:none}:is([contenteditable=true],.no-js,#no-js) [data-toc] .collapse{display:revert!important}目次キャンディのバラバラの意味を考える早稲田大に見たキャンディキャンディ画キャンディのバラすみません💦🙇♀️🙇♀️🙇♀️🙇♀️🙇♀️🙇♀️🙇♀️🙇♀️冒頭から謝罪します前回の記事で『スウィートキャンディというバラはありませんが、蘭ならあります』と書きましたが実は、ありましたキャンディキャンディというバラが!!なぜ今まで、ロザリアン※からその情報が出てこなかったのか※=バラをこよなく愛し、育てる人そのバラは花より多年草を好む私でも「…育ててみようかな?」という気になってくるミニバラ販売店さまから画像などお借りしました更に、さらにですよ!奥様スウィートアニーという植物があるそうです!!こちら↓ハーブの一種で、和名はクソニンジンとても甘く芳醇な香りがするらしいのでだったらなぜこの名前をハーブ好きな方は、育ててみて~バラの意味を考える読者さんの中に、バラの花束を贈ったことがある男性はいますか?・・いないでしょう。何故なら当ブログの読者は99%女性だからバラには、色や数にも意味があることは、乙女はご存知だと思います当二次小説内にも、赤いバラの物語が…意味は、、←すぐに出てこない黒いバラ…??「一輪のバラ」の意味は「一目惚れ」でしたね!他にも「あなたしかいない」などの意味があるそうです。…これって、世界共通概念なのでしょうか?ということで調べてみました!ちょっと待て、108!煩悩の数だとしたら、完全に仏教の世界・・などと突っ込もうとしたらトワ(永久)でした!完全に日本語!!他に突っ込みたいのは40本が「真実の愛」の理由4本=『死ぬまで気持ちは変わらない』その10倍の40は、より強い意味を持つ・・・完全に日本語由来他にもこじつけが激しいので(笑)ご興味のある方は語源を調べてみてとにかく、乙女は花の数はど~でもいいから、花束は嬉しい何歳になってもねでも、鉢モノはいらない(笑)覚えておくがいい男性諸君!1%だけどな早稲田大に見たキャンディいきなり何のテーマか最近、あるブログ主さんの過去の記事を思い出す機会がありました。その記事には、早稲田大学のキャンパス内にある『村上春樹ライブラリー』が紹介されています。村上氏は卒業生隈研吾氏の建築ということもあり、いつか行ってみたいと思いは膨らんでいたはずなのにキャンパスに行った際、失念してしまいましたあ~残念とはいえ、予約制らしいので、ふらふら立ち寄った私など、どのみち無理だったか。。キャンパスのシェークスピア印象に残ったのは隣接するこの建物どことなくイギリスを感じませんか?この建物は『坪内博士演劇博物館』1928年に英文学者坪内逍遥氏の古希、シェークスピア全集翻訳完成を記念して設立されたそうです。16世紀イギリスのフォーチュン座を模したデザインが特徴で、歴史的価値が高く、新宿区の有形文化財に指定されています。シェークスピア劇の上演もあったりして、予約なし無料で観劇できる?っぽいですが…調べてもよく分からなかったので自力で調べてください(笑)この時のガイドは「劇やってる」としか言わなかったので私は『妙な郷愁を感じたままスル~~』しちゃったわけですが後から知って、「せめて建物の中に入ればよかった・・」と後悔したものです大隈重信に見るキャンディ何故?と思いますか?キャンパス内に建つ創立者のこの像。よく見たら杖を突いているんですよね。大隈氏はテロ事件で右足を失ったそうで、この像は義足をつけているんですって。途端にSザナを思い出してしまったわけです。「何でもキャンディを思い出す病」を発症中~政経学部に感じるキャンディガイドが一番熱心に解説してくれたのはこの建物ですホームページより画像を拝借早稲田カーストのトップに君臨するこの学部の建物は超近代的・・・に見えますが、実は二つの顔を持っているそうです。1933年当時の旧校舎(手前)を再現し新校舎と融合させた新しさと歴史を備えた校舎第58回BCS賞(日本建設業連合会)特別賞、受賞旧校舎の一部が新校舎に呑み込まれているのです。ヲタク的わかり易い表現をすると、使徒に呑み込まれる綾波レイのような感じ。もっと分かり難い?(笑)職人が瓦を一枚一枚洗い直し、新校舎内に再現されています✨美しい新校舎と旧校舎は渡り廊下で繋がっています。この旧校舎というのが、どこかセントポール学院の雰囲気を漂わせキャンディはこんな感じの教室で学んでいたのかしら 眠気と戦っていたのかしら?と、想像力も膨らみます。【おまけ】他に心が動いたのは、戸山キャンパスのこの碑ですオウ!オウ!ワセダワセダ ワセダ オウ!オウ!ケイオウタオセ オウ!あまりにシンプルな歌詞に爆笑曲として成立しているの?と疑問を持ち、リサーチ・・すると誰もが知っている曲でしたオリジナルはこれだったのか学内は自由に見学できますよキャンディ画絵心が無い人でも、簡単に描けてしまう恐ろしい便利な時代になりました。AIが描いたキャラ絵は、作っていると面白くてついついハマるけどやはり、心血注いで手描きした絵の方が、人の心を動かす力がありますよねというわけでAI画、作ってみましたなんでやねん(笑)AIへのお題は、どんどんエスカレートし最終形態は『ちいかわ風にして』になりました。←完全に目標を見失っている絵の題名は「笑ってキャンディ」うよよよん??三頭身バージョンを、以前から見たかったのですモデルはこの二人↓©️ナガノ映画、観に行きます!CCファンの みなさまが、テリィへの愛を語り、渾身の二次創作をアップしている最中このような草ネタで投稿するのは、お恥ずかしい限りで・・とりあえず、頑張って記事をアップしました次は二次小説でお会いできるといいな、と思っています。小説キャンディキャンディfinalStoryの復刊を目指しています『2025年8月2日更新 めざせ☆ FINAL STORYの復刊!』※2025年8月2日 内容を更新しました2025年8月2日 400票ちょうど1年前の今日300票だったのでこの1年で、100票増えました投票にご協力…ameblo.jp最近票が動きませんもう、投票してくれる人はいないのかな…ご協力お願いします🙏
『キャンディ♡キャンディ』と同時期の作品『ベルサイユのばら』ベルばらとの初コンタクトは、何度目かのアニメ再放送の時でした。あまりに面白くて録画し、キャンディよりリピートしたと断言できますなごや〇様、教えてくださりありがとうございます♡劇場版が公開されたのはちょうど1年前になりますね。あの大作を、どうやって2時間以内にまとめるのか、とにかく気になり観に行きました※気になるの、そこです結局のところミュージカル調でスッ飛ばし強引に収めた感は否めませんがのシーンは原作が尊重され「愛の物語」として、仕上がっていたと思います。個人的にはプライドを掛けた女のしかとバトル強欲と欺瞞に満ちた首飾り事件革命に向かって行く機微が好きなのでその部分が割愛されたのは残念でしたが、原作者様とファンが納得されているなら、外野は何も言うまいベルばらは宝塚で上演されドラッグストアにもグッズが並びホテルとのコラボやオンリーイベントが開催されるなど多言に及ばず。はぁ~羨ましいあれほど一世風靡したキャンディは今や封印状態で・・この歴然たる差が、侘びしすぎる両作品のポテンシャルは拮抗していたと思っています。物語は似ても似つきませんが共通項はかなりある気がします。今回はそれを書き出してみました主人公髪型オスカルとキャンディの髪はほぼ同じロン毛の金髪&天然ウェーブです違うのは、前頭葉(前髪)の毛穴の向きオスカルの毛穴は、たぶん() キャンディは()パッカリ割れる※言わんとしていることが分かった方はえらい性格両者は喧嘩っ早く、おしとやかさは皆無メンタルも強く豪放磊落家柄二人とも良家のお嬢様です。(キャンディは孤児から大富豪の養女になりました)御屋敷に「遊び相手としてやって来た」というエピは、どちらにもあるんです。※ベルばらではアンドレそして、この扱いを受ける両名職に就いているオスカルは軍に、キャンディは病院に勤務してます。少女漫画なのに、学生ではなく労働者なのは偉いと思う最後は、家から離れるのも同じですね。イケメンに囲まれている少女漫画の鉄板ですが(笑)登場するイケメンに、ことごとく惚れられます。オスカルはアンドレ、アラン、ジェローデル劇場版公式サイトより画像をお借りしましたキャンディはアンソニー、アーチー、アリステア、アルバート、テリィところで気づきましたか?ベルばらの登場人生もアントワネット、アラン、アンドレアルファベットAが多すぎしかも、名前が詩のように長くてね。ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンテリュース・G・グランチェスターシャール・イダニス・モルラロール※無関係な人が若干1名声に出して読みたい名前の筆頭です一途に愛され、構わずキスされる一途というワードは、少女漫画には絶対条件ですが笑それ故か?オスカルはアンドレにキャンディはテリィに気持ちなどお構いなくキスされました。今だとセクハラに該当しますこのように諸々は似ているヒロインなのに何故こんなにもキャラが違うのかオスカルはとにかくカッコいい一方キャンディは、かわいいタイプ作中でもリアルでも、オスカルは女性にモテますよね。一方キャンディは、女性に嫌われるタイプかもしれません結局キャンディファンは キャンディよりテリィが好きなんですアルバートさんが好きなんですアンソニーが好きなんですステアが好きなんですファンの傾向ばらを育てがちベルばらファンは言うに及ばず。一方キャンディキャンディにはスウィートキャンディというバラが登場するのでフォロワーの皆さんはばらを育てたり枯らせたりこちらアンドレ・グランディエという薔薇↓こちら↗スウィートキャンディという蘭ですなんでやねん(笑)海外旅行でキャラを探しがちベルばらファンはフランスに行きがちだと思います。ベルサイユ宮殿に行って、当時の王侯貴族の生活に想いを馳せるのでしょう。一方、キャンディファンはイギリスへ行きがちです。イギリスへ行って、絶対いないテリィをそれとなく探すのです演劇を見て、舞台照明を見て、いろいろ想像しちゃうのですヒロインに対する愛ベルばらファンはオスカル様と敬称をつけます。それほど畏れ多き憧れの存在✨しかしキャンディファンはキャンディを基本呼び捨てです。そもそも正式名はキャンディスです。私が知る限り本名且つ敬称を付けて呼んでいる人は、地球上にゼロです・・・ちょっと反省しました。これからはキャンディスちゃんと呼ぼうかと思う気持ちが膨らむよう三歩進んで三歩下がる精神で邁進したいと思います一生 進みませんストーリー歴史的な争いが起こるベルばらはフランス革命が起こります政治的に激動の時代です。キャンディは、第一次世界大戦に突入します。キャンディは戦場には行っていませんが、作中では戦争が描かれます。美しき悪女が登場するベルばらにはルイ15世の愛人デュ・バリー夫人首飾り事件のジャンヌアントワネットお気に入りのポリニャック伯夫人が登場し、王宮を撹乱します。©東京ムービー新社 画像お借りします悪女は物語に必要不可欠なスパイスですが、注目すべきは実在したという点。「悪女」かどうかは、書き手の筆の方向で受け取る側の印象も変わります。果たしてアントワネットはどちらか?・・・深いですキャンディにはイライザ、スザナが恋路を妨害します。©水木杏子/いがらしゆみこ 画像お借りしますスザナはアントワネット同様、己の信念を貫いて亡くなりました✞「悪女」か「悲劇の女優」かは、読者の手に委ねられています。「悪女」という声しか聞こえませんが(笑)ハッピーエンドとは言えないベルばらはオスカルとアンドレが亡くなってしまうのでハッピーエンドとは言えません。ただ、二人が思いを伝えあい、一度でも「契った」という意味ではファンの望みは達成されました一方、キャンディキャンディは、契るどころか思いを伝えていません。しかし、キャラは生存しています。ですが、誰と結ばれたか分からないという、ファンにとっては生殺し状態です。どっちのラストがいいんでしょうね生きていれば、物語の先は自由に想像できるわけですがその場面を公式で見られないわけででも、だからこそベルばらもキャンディも、未だに二次創作が活発なのでしょうちなみに両作品において、個性が似ている気がするキャラは…フェルゼン と アルバート帝王学を修め、容姿も性格も家柄も財力も非の打ち所がない。現れたり消えたりを繰り返し、最後に再び現れるしかも相手に対する愛がデカく思慮深い。メディアミックス両作品とも45年以上前にアニメ化されています。ベルばら連載時期 週刊マーガレット1972~1973年※外伝などは含めていませんアニメ放送 1979年10月~1980年9月/40話キャンディキャンディ連載時期 なかよし 1975年~1979年アニメ放送 1976年10月~1979年2月/115話しかしアニメは、大事な部分が原作と異なっていました。ベルばらは、シーンやオスカルの最期のセリフなど。池田先生はアニメを1話しかご覧になっていない、という話を聞いた事がありますがたしかに冒頭から違っています。キャンディキャンディは、テリィとのシーンやテリィとのFINALバイトがロックスタウンではなく、全く別エピでした。そもそも原作のロックスタウンは、私にとって弁慶の泣き所なのですがアニメ版は、テリィがアルバートさんに殴られ、水をぶっかけられ、体育座りまで披露する悲惨極まりない絵面。ロックスタウンの花柄テリィとどっちがマシか悩むわベルばらは 映像がキレイじゃん?筋書きが多少違っても途中から絵柄が妙に大人びてもアランの顔が別人でアゴが割れててもアゴ割れアニメ版 と 原画準拠な劇場版作画が圧倒的に綺麗キャンディはコレだからね↓東映さま、何度もすみません🙇♀️この絵で「惚れた別れた」を見なきゃならないってそりゃ、アニメファンが少ないはずだわでも私はアニメ版、好きです両作品はアニメが火付け役になり特にイタリア、フランス、スペインで人気があるらしいです。そういえば小説キャンディキャンディfainalstoryの翻訳本が発刊されたのも、この三カ国でした。英語圏での反応が薄いのも同じ(笑)「この筋書きを、まさか日本人が!?」という外国人のリアクションまで同じなのが面白い今回この記事を書いたのはベルばらが、2026年の大学共通テストで出題されたから。解いた?1月18日の新聞 回答は日経ですキャンディなら世界大戦絡みの問題が作れそうだなぁ〜と叶わぬ夢を見ましたよ(ꈍᴗꈍ)年代順に並び変える問題ならサラエボ事件、シャンパーニュの戦い、アメリカ参戦、ベルサイユ条約・・とかさて、今日はテリィの誕生日🎉言うの遅すぎベルばらに負けじとスペシャルな問題を用意してみました〜ぜひ考えてみてね!テリィの誕生日が1月28日なのはなぜ?① 原作先生の誕生日が11月28日だから② (28日は確定の上で)テリィ初登場、1976年なかよし3月号(2月3日発売)に最も近いから③ サバンナ高橋茂雄は、1976年1月28日生まれらしいおめでとう!50歳④ 衣類乾燥機の日だから衣類1ふん2わり8乾かそう以上キャンディファンの愚痴でした
ポニーの家のキャンディの部屋をイメージSONNETの目次∻☆…∻☆・アナウンス&ひとりごつです植物と連載2026年8月1日こう暑いと植物も🦟も活動が衰えるのですが雑草はタフよね趣味「草むしり」のワタシでもちょっと億劫になる💦この場所、もうヤダ☆狭くて草がむしり難い☆何も植わってないから雑草伸び放題という場所に黒いシートを張りました💧碁盤のような住宅街なのですが庭は誰の目にも留まらない方角にあるので雑草が伸び放題でも、けなされない花が咲いていても、見向きもされない手入れがされていても、褒められないそんな庭。そこに労力を注ぐなんて偉いのといつも思います(笑)反動なのか家の中に観葉植物は無いのですがというか、卒業した1ヶ月前安かったので 380円ハイドロのポトスを買っちゃいましたそしたら、成長が早くてもう根っこが容器からとび出てて仕方なく、株分けポトスって強いよねでも、花が咲かない💦スパティフィラムかアンスリウムにすればよかったかな…連載のこと何話あるか数えていませんがソネット本編は、通して読むと3日ほど掛かるのに比べ今回の物語は全編通して読んでも2〜3時間で読める程度の文字数です。ただ、もうお気づきでしょうがサラサラ読める内容ではないので短く区切っています今年中のオールアップを目指します最後までどうぞ宜しくお願いします🙏ところで🐣無事に巣立ちましたよ!ベランダ、糞がすごいですが💦ちいかわライトアップ2026年7月26日横浜、みなとみらい地区ちいかわライトアップ撮ってきました遠くから撮った方が良かったかも💧周りの人々の会話はどこもちーかわ、ちーかわすごい人気お店も予約で完売↓ただ、映画は注意が必要みたいちいかわってカワイイだけのキャラじゃないので💦映画を見終わった親子間で「子どものケアが…」というニュースがチラホラ😅いわゆるキャンディ現象?(笑)今回映画が大ヒットしたらドラえもんやコナンのように毎年映画が作られるのだろうか…それも複雑💦ちなみに今回は次男と三男が付き合ってくれましたしろたんショップに引き寄せられる二人💧こんなところにトンネル?2026年7月23日先日、父の施設にウチの次男と一緒に出かけました。🚗🚗🚗3時間運転し施設の近くまで来た時「この近くに新しくできたトンネルがある。数年前僕が仕事で関わったトンネルだよ」と言うではありませんか。初耳!息子の説明を聞いている内に(あれ?最近、一度通った峠の道?)と気づいた。🐻でも出そうな山道でこんな場所で🚗が故障したら嫌だなと思ったのでそれっきり使っていなかったがトンネルは記憶にない。息子から具体的な仕事の話が出るのは珍しい息子も現地に行ってないらしいので見に行くことにしたありました!2年前にできたそうです通ってみました1.3キロなかなか長い交通量が少なく暗くてなんか怖い夜なら通りたくない…ものすごく、東京の奥地こんな場所に新しい道路なんて必要ないんじゃん?渋滞解消とも交通の円滑化とも関係ない場所に見える無駄な公共事業……とふだんの私なら言っていたしかし息子の説明をきいて納得した。工事前の地図↓黄色で囲った道を見て東京の限界集落という感じ。山々に囲まれ、家が点在し川釣りやキャンプなどの観光客が訪れる道仮に❌️の場所で土砂崩れが発生したらその先の人々は孤立してしまうだからトンネルを作り補給路と避難経路の確保の為にトンネルを通したらしいコレが完成地図↓赤がトンネル区間ダブルルート化と言うらしいなるほどね〜トンネル工事とか反対されるイメージしかなかったけどそのような理由ならありがたいかも一見、無駄と思える公共事業も意味があったりするようです。しかしホントに🚗通らない…東京都ってお金あるんだな…当時息子は東京都の防災に関する部署にいましたが今は異動してますもうすぐです2026年7月22日ヒナ、まだ生きてます鳥も人も過酷な気温ですねウチの地域は海風があるので都心に比べると気温が低いのですが海は人手が少ないそうです。そりゃあそうだわちいかわの映画24日に公開されます✨エレベーターがラッピングされてたホントなら公開日にサクサク観たいところですが我が家のヤロー3人は「母に付き合う」という口実でもなければ「ちいかわ」は観られないだろうからお盆帰省までとっておくことにします横浜市が映画とタイアップしているそうです「潮風香る町」という共通点があるから?かしらんけどみなとみらいの観覧車がちいかわにライティングされるそうですえ……見たい「横浜」といえば旦那さんの職場……仕事帰りに待ち合わせれば見られる…え〜仕方ない、ダンナと…と思った矢先三男がはい「僕、付き合います!!」と。あら?そう?大阪の長男は今頃ハンカチを噛んでいるだろうしかしそのライティング1分なのよ〜わざわざ行く意味あるか??24日のちいかわの公開日にこのブログも更新する予定です画像も差し込んで準備万端だよ連載しているとこの「独り言」のページがドンドン奥に行ってしまい書き難くなってしまうのと連載の方に神経が持っていかれると思うのでこのページは、一旦下げようかなと考えています🙏え?🐣が気になる?ベランダへの侵入者2026年7月21日なんということでしょうベランダに生後間もないスズメのヒナが落ちていました💧1畳ほどの、使っていない北側のベランダですこの時期西陽が強くココに面したTOILETの窓に先日、すだれを掛けたばかり親鳥らしいスズメを見た。どうにもできない様子💦このままだとヒナは日干しになる😭どうしたものか…イメージ画↓羽根も生えてない息子が小学生の時怪我した子雀を持ち帰ってきた。とりあえずベランダにおいたら遠くから親鳥がコチラの様子を見ていた。子雀は30分もしない内に動かなくなり移動させようと思ったら既に大量の虫?が群がっていて処理が大変だった庭に翼が折れた鳩が〜たこともある。野良猫の仕業かな…このような経験から野生の鳥は人が保護してはイケナイと学んだ。念のためチャットで確認したら同様の答えだった。自然に任せる…と言っても確実に日干しだよ💦☀☀☀とりあえず鳥の巣を模した物を作る。✁プラスチック容器にキッチンペーパーなどを敷き、ヒナを日陰に移動させた。どーいう体勢??ここなら、雨もしのげるだろう…風で飛ばされるかもしれないので重しの乾電池を、容器に張り付ける餌はあげない親鳥の愛に任せる人を警戒しているだろうから気になるけど見ない保護三日目TOILETの窓から鳴き声を聴く※大音量で聞いてください…まだ生きてる?親鳥は、せっせと餌を与えているのかな…ヒナは足が1本無かったように見えた無事巣立つのだろうか…
バレンタインDAYということで私がキャンディキャンディの中で好きなシーンやセリフを告白します。なお私は少しズレているかもしれません大目に見てください出て行ってほしいハッキリ言うな カーソン普通の少女漫画なら・・👱♀️「スージーも治ったし、行きますね」👨🦰「いや、でもキャンディ、、もう少し」一旦は引き止め👱♀️「私、旅の途中なので」が、王道じゃないですか?ですがキャンディキャンディは違います「出て行ってほしい」とオヤジの本音を書いちゃうところが原作者がいる漫画のすごさだと思います!あなたが嫌い!ハッキリ言うな フラニーフラニーは最後まで笑いません。二人は打ち解けないままお別れをします。👩💼「どうしても好きになれなかった・・」超リアル!少女漫画なら、最後に和解しそうじゃないですか。でも、違うんです。きれいごとじゃない所がイイ現実世界には『ウマが合わない』ってゴロゴロありますよね?キャンディは悪い子じゃないと分かっていてもなんか苦手な相手。「・・・好きになれなかった」この二人の関係は、このままでいいと思います。病人に国境はないカッコいいこんな鳥ガラBBAのセリフなのに一番響いたどこの国どこの人種そんなものは関係ない!人間は1つだ!コンプライアンス違反途中下車はただ?そんな考え方が通用するのか!?私が同乗者なら、絶対認めないスケールがデカい倉庫の飛行機を勝手に修理して木っ端みじんに壊す倉庫にあるのは、自転車でも加湿器でもなく、パパの飛行機ですよ!笑ってる場合じゃないですよ、あなた達。パティはデブか?データによるとパティ 身長156㎝/体重42㎏キャンディ 身長155㎝/体重45㎏※昭和52年なかよし漫画新聞6月号付録キャンディの方がおデブいや、二人とも全然デブじゃないなのに、パティをデブキャラ?で通すところがスゴイなかよし編集部・・矛盾を感じなかったのかもしかしたら、キャンディは筋肉女なのか・・犬も木から落ちるそもそも犬は木に登るものなのか?大型犬のミーナが「お父さんの木」に登り案の定・・・落ちる。そこで放たれるポニー先生の一言がスゴイ「ミーナさん、あなた、少し太りすぎですよ」木登りは、ダイエットしてからやりなさい、ミーナさん何故かステアが死ぬ死ぬ必要ありました!?※個人的な意見です死ぬのが絶対条件だったアンソニーとちがいステアの死って、完全に後付けですよね?戦争のリアルさを訴えるためにこんないい人を退場させちゃうんですよすごいわ、この漫画は。いい人でも死ぬこれが戦争テリィと別れるすみません🙇♀️🙇♀️🙇♀️別れるからイイんです少女漫画は 好きな人と結ばれるのがいわば王道しかしこの物語は、完全に読者の期待を裏切った。これはスゴイことです私は30年間『キャンディは若いんだから、恋愛なんてまたできる。テリィが全てじゃないさ』・・というような再起のメッセージとして受け取っていました。ええ、もう強引にそう世の中には男性が35億いるんです!※BYブルゾンちえみテリィだけが男じゃないキャ―――Tファン、物を投げないで~ご都合主義に走りがちな少女漫画にはない展開。原作者の力を感じます。テリィはキャンディと結ばれませんでした。テリィの優しさと責任感が、キャンディではなくスザナを選んだのです。カッコいいと思いますよ。スザナを適当にあしらってキャンディを選ぶテリィより遥かにカッコイイと思います。イイ男が涙を流しながら身を引く。万事思うようにはいかない人生のリアルさ読み手が色々考える・・・そのシナリオがスゴイ・・・とはいえ一部の大多数のファンはこんな状態に陥りました※TとTファンですしかし漫画終了から約30年後に発行された小説FINAL STORY(以下ファイナル)ではテリィはスザナの臨終まで傍にいて責任を果たしました。そしてキャンディにぼくは何も変わっていない下巻283積年の想いを静かに告白しました。カッコよさがグレードあっぷ30年以上、夢も希望も無かったTファンのみなさまファイナルに書かれている大人になった30代のキャンディの言葉を紹介しますキャンディを自分だと思って、読んでみてくださいあの日々、たくさん流した涙は、今はきらめくような美しい思い出になった。下巻199もしかしたら、アンソニーがわたしにテリュースを会わせてくれたのかもしれない・・・そう思ったこともある。ファンにとっては、実際そうですよね?だとしたら、あの苦しかった日々も何か意味があったのだ、と。下巻269みなさんの好きなシーンスゴイ!と思うシーンやセリフはどこですか?∻☆・∻☆…∻☆・小説Final Story復刊リクエストページはこちらへ『2024年5月7日更新 めざせ☆ FINAL STORYの復刊!』※2024年5月7日 内容を更新しました。小説キャンディキャンディFINALSTORY復刊を目指しています活動をご存知ない方は こちらをお読みくだ…ameblo.jpご協力お願い致します©水木杏子・いがらしゆみこ&リ○さん、画像お借りしました🙇♀️
※2025年8月2日 内容を更新しました2025年8月2日 400票ちょうど1年前の今日300票だったのでこの1年で、100票増えました投票にご協力くださった方SNSでキャンディの投稿をしてくださっている方々Xでマメに告知してくださっているmumさんみなさまのおかげです小説キャンディキャンディFINALSTORY復刊を目指していますこの本を読まないことにはキャンディ♡キャンディは完結しません※テリィファン限定活動をご存知ない方は こちらを『ファイナル・ストーリーを復刻させよう!』諦めていませんか・・・?3万円出せないと。。。。何がって これです!!諦めるのはまだ早~い!!※つい昨日まで諦めていたのは誰?こちらのブログ…ameblo.jpフリマで、超~高額で取引されているこの本遥か昔の記憶がかろうじて残っているそこのあなた2010年に発行された小説ファイナルストーリーは大変なことになっています・・・世の中にはスザナが◯◯だ という事実を知らないアラフィフが推定100万人いると思います本当か?ご自分の目で👀確かめたいですよね?キャンディキャンディを読んだことのない通りすがりのあなたかわいい女の子のキラキラした恋愛漫画――と思ったら大間違いです連載終了から40年経った今でも少女(おばさん)の心を鷲掴みしている物語 間違いなく少女漫画史に残る名作です少しづつですが票は増え続けていますキャンディキャンディという作品が置かれているこの絶望的な状況の、何かが動けばいいなという思いで、このページを設けています。「苦難を乗り越え、希望を持って生きる」それが作品のテーマでもありました。復刊投票はこちら『小説キャンディキャンディ FINAL STORY 上・下(名木田恵子)』 投票ページ復刊ドットコムによる『小説キャンディキャンディ FINAL STORY 上・下』(名木田恵子)の復刊投票リクエストページです。www.fukkan.com2024年11月1日現在 335票この1年で約100票増えましたこの記事が少しでもCCファンの目に留まるよう投稿日を、トップページ近くに移動させました2024年8月2日現在 301票300票を突破しました~★怪しいサイトにご注意くださいFINAL STORY上下巻は、現在とても高額で取り引きされています。中には格安で出品されている品もあるようですが、詐欺サイトの可能性があるとの報告が届きました。出品者の評価やレビューをよく確認してくださいね。近隣の図書館などもご活用ください。Xでの復刊運動 310票!!\(^o^)/ わぁ~い♡ 400票に向けて、10%達成ですねっ(*^^*)嬉しい♪ キャンディの物語を愛する全ての人が購入できるように。ちょっと興味のある方も手にしてもらえるように。 復刊に投票をお願いいたします♡ いつも『いいね』『リポスト』ありがとう!!!https://t.co/0P3W5O1DVg— mum (@mum6690) August 23, 20242024年5月7日現在 264票復刊ドットコムに寄せた私のコメントに「いいね」を付けて下さった方々ありがとうございます新しい投票にはまめに目を通しているつもりですが私より早く「いいね」を付けてくださっている方が2~3人いるようです私が言うのもおこがましいですがいつも ひと手間ありがとうございます2024年2月26日現在 250票なぜ復刊が叶わないのかな・・2023年8月20日現在 235票増え続けています2023年6月17日現在 225票「いいね(Good)」を押しているのはわ・た・し~2023年1月19日現在 200票やっと200の大台に乗りましたこの1年で得票数が2倍になりましたね。2022年10月24日 189票増えてました一歩一歩2022年6月20日 170票2022年5月20日 162票復刊ドットコムに載ったフォロワーのゆゆさんのコメントです宜しければお読みください※ご本人の許可を取って掲載しています諸説ある「あのひと」の正体のみが注目されがちですが、私は家族のいなかったキャンディと家族がいても縁の薄かった「あのひと」が結ばれて、今が幸せであるということが重要なんだと思っています。この愛の物語を多くの方に手に取って欲しいと思い、1票を投じました。どうか、ここにある多くのメッセージが名木田先生の元へ届きますように。 (2022/03/08)同じくこっこさんのコメントです※ご本人の許可を取って掲載しています切なかった過去を「愛おしい日々」と言えるようになったキャンディ。その言葉の意味を、是非多くの皆さまに知って欲しく、1票を投じました。皆さまのメッセージが名木田先生の元へ届くことを願っています。(2022/03/06)500票集まっても無理な時もあれば5票で復刊が叶っている書籍もあるようです全ては・・・色んな都合でしょう➰神様、仏様、復刊ドットコムさまっぱんぱん結局神頼みご協力頂ける方がいましたらよろしくお願いします復刊ドットコムへはココをタップ
キャンディキャンディ二次小説11年目のSONNETスピンオフ伝説の森・後編※前編はこちらです★★★薄暗くなってきたストラスフォードの森に、シチューの匂いが漂い始めた頃だった。「ママー!今ジェイが手紙を届けてくれたよ。アンディからだ。読んでいい?」「ロンドンから?いいわよ」次男ジュリアンは持っていたプラモデルを床に置き、キッチンにいる母親に向かって手紙を読み始めた。「――SOS!・・?・・ママ、SOSってどういう意味?」「SOSっていうのはね――SOS!?!!」キャンディは持っていたお玉を放り投げ、小さな手から手紙を奪取した。SOS!アイリスが大変なんだ!アンディ「電報、、緊急事態ってこと!?内容を書いてくれなきゃ分からないじゃない!」怒りまじりの懸念は、キャンディの心を一瞬でセントポール学院に跳ばした。(とにかく行かなきゃ、今すぐ!)エプロンを脱ごうと背中のリボンに手を掛けた時、「ぼく、お腹がすいたんだけど」その手を阻止するように、ジュリアンが結び目を抑えた。「ジュリアン、あなた何歳!?」「八才」「八才と言ったら十分大人よね!?」小さな肩に両手をのせ、説得するように声を掛ける。「・・・八才は子どもだよ」誘導尋問には乗らないジュリアン。「もうすぐパパが帰ってくるわ!ひとりでお留守番出来る!?」「できるけどイヤだ。ぼくお腹がすいた」「分ったわっ」キャンディはエプロンを放り投げ、鍋とジュリアンを抱えるようにジェイの後を追った。グレアム邸とは道路を挟んだ向かいにある管理人宅。けたたましく鳴る呼び鈴に、帰宅したばかりのジェイは慌てて玄関のドアを開けた。鼻息が荒いキャンディを見た瞬間、ジェイは訪問理由を察した。「ちょっと外出するから、この子を預かってちょうだい!これ、夕飯」早く受け取れとばかりにロボットのような動作で鍋を差し出している。「――いつも、どうも」鍋はキャンディほど熱くなかった。「・・テリィの兄きは?」「書き置きを残しておいたから大丈夫よ。ジュリアン、いい子にしてるのよ」キャンディはリンゴのような頬にキスをすると、玄関前で辻馬車を拾い駅へ向かった。「・・・まったく、君のママは相変わらず鉄砲玉だね」「ぼくお腹すいた」慣れた様子でジュリアンがテーブルについた。いつもは灯りがついている家の窓が真っ暗だった。「キャンディ?ジュリアン・・?」プラモデルのモーター音と蜂の巣箱のようないつもの騒音の代わりに、リビングで待っていたのは煮込み料理のかすかな匂いだけ。部屋の灯りをつけた時、テーブルの上の書き置きが目に入った。ロンドンへ行ってきます。キャンディ「ロンドンへ?・・・実家で何かあったのか?あいつはいっつも一言も二言も足りない!」テリィがイラっとした時、足元に落ちていた電報に気が付いた。「SOS?これか?キャンディは学院へ向かったのか?いったい何事だよ!、、アンディ、頼むからあと一行書いてくれよ」止めたばかりの車に再びエンジンをかけ、アクセルをふかす。一瞬冷静になった時、「・・ジュリアンを連れて行ったのか?」父親らしい側面が顔を出した。「いや、子供を連れていったら足手まといになる」妻と同じ発想を抱いたテリィはそれを確認すべく管理人宅へ向かった。「パパっ!」ジュリアンはプラモデルの組み立てを中断し、父親に抱きついた。「ジュリアン、ママはどうした?」「ママは――いい子にしていなさいって」「キャンディはどこかに行くって飛び出していったよ。はい、これ」ジェイはきれいに洗った鍋をテリィに渡した。「ご馳走様。兄きの分もあるよ。別の鍋に」ジェイは夕飯に感謝するように手を合わせたが、テリィは瞬時に鍋を突き返した。「鍋を連れて行っても足手まといになるだけだっ」テリィの頭もだいぶ混乱しているようにジェイには聞こえた。「今夜ジュリアンを頼んでいいか!?」(・・もう頼まれてるけどね・・)目が血走っているテリィに抗うつもりはない。「いい子だ、ジュリアン」テリィは小さな頭をポンポンと叩いた。「兄き、明日仕事は?RSCには連絡しなくていいの?」「明日は安息日だっ」休みであることを告げると同時に、くるっと踵を返した瞬間全てを忘れたように走り出す。「・・・やれやれ、どこに行くかも告げずに。あのマシンガン夫婦に安息日が訪れますように。アーメン」ジェイが十字を切るそばで、ジュリアンが勝手知ったる衣装戸棚からパジャマを取り出した。「ぼく寝たい」「寝ようかジュリアン」 窓にコツンと何かが当たった気がした。「・・・鳥?・・小石?」二回目の音で確信したのか、アンディは急いで窓を開けた。「かぁっ・・!!」「しっーーーアンディ・・」木の上にいる動物が母親だと秒で判断できてしまう自分は誇らしいのか残念なのか。「どいてちょうだい。飛び降りるから」バルコニーにスタッと舞い降りた華奢な体は、とても三十後半の身のこなしには見えない。「それで?何があったのよ!」キャンディはさっそくSOSの理由を問いただした。一言でいえば、アイリスはこの一週間部屋に閉じこもっているのだとか。「授業は?」「・・・出席してないって、同じクラスの子から聞いた」「つまり、二人でいるところを見つかって自室謹慎ってこと?そんなの反省室や学生牢に比べたら大したことないじゃない」母親の発言に、アンディの眉がゆがんだ。「・・・・母さんの基準ってさ」涼しい視線の息子に、キャンディは慌てて言い直す。「あ~ほら、宝くじは百ポンドより十ポンド当たった方が嬉しいっていうじゃない?つまり、あの子はそういう状態なのね?」「どんな状態??」母親の比喩は相変わらず分かり難いな、とアンディは思った。「それにしても、馬術部は何であんな厩に行ったのかしら!昼間から肝試し!?悪趣味ねっ」とんちんかんな八つ当たりをするのも母親の特徴。「・・新入生の恒例行事なんだってさ。温故知新――古きをたずねて新しきを知る、みたいな・・?」「何それっ、変な行事!」アンディも思った。「アイリスは自室謹慎じゃないよ。僕とアイリスが二人でいるのを見られて、姉弟だって説明しても信じてもらえなかったんだ。下手な言い訳だ、ってみんなに大笑いされて」「信じて貰えない?事実なのに?」「ぼくたち似てないからね。名前も違うしさ。カムアウトしたところで言い訳にしか聞こえなかったみたいで、今や僕たちの”仲”は、、伝説の再来だなんだと全校生徒に知れ渡ったって感じ」「・・・そんな」「でも、たぶん問題の根っこは違うよ。アイリスは、父さんと母さんのことがショックだったんだ」「私たちの?」「学院から駆け落ちしたって。・・僕は信じないけどね」そう言いながらも、アンディは母親の顔を正視することが出来なかった。「・・もしかして学院の伝説の話?」「そう。伝説になってる厩での・・あいびき」アンディの顔は真赤になっている。「――アイリスの部屋へ行くわ」次の瞬間、キャンディは何かを催促するようにアンディに手を向けた。SOSの手紙を送った時に、こうなる予感がしていたアンディは用意していた直伝のシーツロープを差し出した。「母さん、夜は飛ばない約束を父さんとしてたよね?」無駄だと分かっていても一応言ってみる。「黙っていればバレないわよ」言うが早く、白いロープは夜の森の中に消えた。「あれ?・・でも何故父さんが一緒じゃないんだろう?」嵐を見送った後に、ふと疑問が降りてきた。「――いや、絶対来る」そう思った瞬間、窓ガラスがバリンと割れた。「・・・来た」アンディが部屋に転がっている小石を拾った時、「悪い、手加減したつもりだったんだが・・」聞き慣れた声がベランダから聞えた。「父さん!一足違いだったよ。今、母さんが」「・・チっ、飛んだのか。で、SOSって何だ?」速攻バレている母親の素行。黙っていてもバレるのが夫婦というものだろうか。アンディはつい先ほどした説明をもう一度繰り返した。「つまり籠城か?・・・部屋でいじけるぐらいなら、町へ繰り出して発散すればいいのに」「・・・父さん・・」明らかに不信感を向ける息子の目に、テリィは慌てて父親の威厳を示した。「 ” 実際に学ぶことができるのは、現場においてのみである ”――ナイチンゲール」「・・・現場が違うと思うけど」キャンディの影響でナイチンゲールもイケるようになったテリィだったが、名誉挽回には遠い空気。「母さんが心配だ。早く行ってあげて」微妙な空気をアシストするような息子の言葉に、テリィはバルコニーから飛び降りた。「あ!父さん」「なんだ?」「十月祭の招待状届いた?来てくれる?」「――仕事のオファーが入った」「安息日にまで仕事をするの?」「まったくだよな。前向きに検討するよ」テリィは片手を上げながら女子寮の方へ走って行った。勉強するでもなく机に向かいぼんやりしていたアイリスは、「いたぁ~」という声が外から聞こえ、我に返った。「ママ!?」バッとカーテンを開けると、母親がバルコニーで尻もちをついていた。「な、、何をしてるのママ!」「何って、当たり前でしょ!?」「静かに、ママ!見回りがあるのよ」そうだった、とキャンディは慌てて口に手をあて息を殺した。娘の背後には、二十年以上前に自分が使った懐かしい家具が見えている。(・・・変わってない)「ママ、、どうしてここに?」心配性の娘は、緑色の瞳を母親に向けた。キャンディは大きく息を吐いてから意を決したように言った。「・・・学院時代のパパとママの噂を聞いたのね?」返事をしないアイリスを見て、全てを話そうと悟った時、「・・キャンディ」いるはずの無い人物が、カーテン越しから現れた。「テ、テリィ!何をしているのよ、こんな所でっ」「それは俺のセリフだ」「ここは女子寮よ!あなたが居ていい場所じゃないわっ」「そういう問題じゃないだろ。ったく、手続きすれば、正々堂々と面会できるものを」「窓から入って来たあなたが言う?」「朝まで待てるかっ」延々続きそうな気がしたアイリスは「二人とも、、もう少し・・」と開いた両手を上下させ、両親にクールダウンを促した。三人は部屋の真ん中に向かいあうように座ると、しばらくの間沈黙が続いた。「・・・何を聞いたんだ?」「――夜の厩で・・夜な夜な」「ありえない」「・・でも、ロミオとジュリエットだって、十四才と十六才で結ばれて・・」テリィとキャンディは一瞬顔を見合わせた。「夜の厩でママとそうなっていたら、君は十二才じゃない。二十歳をとっくに超えている」「テっテ、テ、、、、、テ、、、」キャンディは口から泡が出そうだった。「ママと結婚した十三年前に君たちを授かった。それまでは・・会うことも叶わなかった」真実を語る時はやけに口数が少なくなる父親。嘘をつく時はやたら目が踊りまくる母親。そんな母親がじっと父親を見つめている。「・・・パパ、ママ・・」アイリスには語られたことが真実だと分かった。「――じゃあ、駆け落ちは?学生名簿にママの名前が無いのは何故なの?」「退学したんだよ、やりたい事があったから。パパは役者の道へ、ママは看護の道へ。道が見つかった者には、学院の教育は無駄に感じた」テリィの説明はちょっと違うな、と思いながらもキャンディはテリィに説明を預けた。退学のきっかけになったイライザの意地悪など、娘に話す必要はない。「 ” 実際に学ぶことができるのは、現場においてのみである ” ナイチンゲールの言葉よ」まさかの同じ言葉のチョイスに、テリィは思わず苦笑した。「・・本音を言えば卒業までいたかったが、あの時そうすることがママに示せる精一杯の愛だった」「それが学生だったパパの愛し方・・?」「ああ」「厩で愛を育てたんじゃないのよね?」「厩で育てたのはスウィート・キャンディの苗だけだ。な、キャンディ?」テリィはキャンディを見つめ、同意を求めるように目を細めた。「・・・そ、そんな感じよ」キャンディはコホンと咳ばらいをした。「――アンディと姉弟だって言っても誰も信じてくれなかったの。私、信用されてないのかな・・」アイリスを悩ますもう一つの問題を夫婦は思い出した。今度は同性として、母親の出番だった。「信じて欲しいと思う人にきちんと伝えることが大事だと思うわよ。あなたって壁を作りがちな性格だから、誰かさんに似て」「信じて欲しい人・・・」「ちゃんと説明して分かってくれる人が親友よ。分かってくれない人がいたら、その人は」「その人は?」「――猿以下よ」(ブっ・・・・)笑っちゃいけない選手権でもやっているのか、というムードになって来た。コンコンッ話し声がバレたのか、「消灯時間は過ぎていますよ」見回りのシスターがドアを叩いた。(いくぞ、キャンディ)(・・じゃあね、また十月祭で!)アイリスは、伝説の森の中にコソ泥のように消えていく両親の後ろ姿を静かに見送った。――来てくれてありがとう。パパ、ママ・・・「どうしたのです。こんな夜中に」窓を全開にしてバルコニーにいる生徒を不審に思い、シスターはいぶかし気に言った。「こ、今夜は月がきれいですね、シスター・・・・」「・・・泣くほどですか?」光っているアイリスの瞳に気付いたシスターは思わず空を見上げた。幸いにもその夜は中秋の名月で、まるでアイリスを励ますように輝いていた。月を味方につけたアイリスが翌朝向かったのは、フェリシアの部屋だった。「お、おはよう・・」「アイリス!体調はどう?今日の日曜礼拝には出られそう?」「あの、あのね、アンディ・ウィリアムは私の――」「弟さんでしょ?」「信じてくれるの!?」「もちろんよ」「で、でも、私たちは顔も似て無いし名前も違うし、、それでも?」「・・・信じるわ。だってあなた達そっくりだもの」「そっくり!?私とアンディが?」にわかに信じがたかった。そんな事を言われたのは初めてだ。「図書館でね、あなた達を見掛ける度に不思議に思っていたの。愛読書はシェークスピアと生徒名簿。そんな生徒が他にいて?」「そ、、そうね。い、いない・・かも」(・・不甲斐なし。穴があったら入りたい・・)「それにね、イニシャルかしら」「イニシャル?」「同じでしょ、A.W.G。あれはきっと、双子を生んだ両親の愛情なのかなって。スペルがIrisではなくAirisだから」アイリスはハッとした。考えたことも無かったからだ。「アンディさんのノートにもA.W.Gと書いてあるのを見たことがあるのよ。Gがファミリーネームよね?」アイリスはあんぐりと口を開けてしまった。同じ環境で育ったからこそ出てしまう癖――「あなたの欠席が続いた時、図書館でアンディさんにあったの。その時に姉弟だって聞いて、腑に落ちたのよ」「あは・・・ははは・・・」凛としていたアイリスの顔が崩れた。「エリザベスもあなたを庇っていたわよ」「――リズが?」「男女の双子で間違いないって、みんなに伝えていたわ」「リズが何故??あの場所にもいなかったのに・・」「さあ?・・でもきっと、エリザベスは何でもご存知なのよ」フェリシアはその理由で納得しているようだった。「最後にあなたに会えなかったことを、とても残念がっていたわ」そう言われて、エリザベスの三週間が昨日で終わっていたことに気が付いた。「・・お礼を・・言いたかったな」返せない借りを作ってしまったことにアイリスが肩を落とした時、「彼女にはまた会えるわ!だって未来の女王様ですもの!」フェリシアはぎこちないウインクをとばした。眼鏡の奥のアーモンド色の瞳と初めて目が合った気がする。「あ、あの、、休んでいた間の一週間分のノートを写させて、、あっ!ダ、ダメね。黒板が見えないのよね」「いいえ、バッチリ!あとでお届けするわ」「――えっ、男子寮を眺めて視力が回復したの!?」(ワトゥシ族!?)「まさか!以前、『私の席を使って』っておっしゃっていたから、遠慮なく使わせてもらいました」許してね、とフェリシアは両手を合わせた。「――ねぇ、礼拝が終わったら、お部屋に遊びに来ない?」重なった声と同時に友情は始まった。キャンディとパティが、かつて友情を育んだこの場所から。「おはよう、パパ、ママ。ぼくいい子にしてたよ」よく食べてよく寝たジュリアンは、早朝迎えに来た両親に元気に挨拶をした。夜を徹してロンドンとストラスフォードを往復したテリィとキャンディは疲労困憊で、洗われた鍋の中に入っている車のプラモデルを見ても反応する気力がなかった。「ママ、SOSの意味を教えて!」「・・・SOSはね、Save Our Sleep(睡眠を守ろう)よ・・・」ママは赤い目をこすりながら答えた。「・・・異存はない」パパも大きなあくびをしながら言った。(完)おまけ10月祭会場 :セレモニーホールゲスト:俳優テリュース・グレアムテーマ:現場で学べ~噂に惑わされるな※前向きに検討した結果、テリィが受けた仕事。。。。。。。。。。。。。。ワンポイントアドバイス後に女王になるエリザベスの誕生日は1926年4月1926年8月生まれの双子たちとは同級生です。エリザベスが「アイリスとアンディは男女の双子」だと知っていた件について1月26日のシャ○ームマム様へのコメ返で回答しています。伏線は貼ったつもりですが、スッキリしていない人は覗いてください。マニアックな方への解説作中の中秋の名月は1938年9月24日(土)です。
※ソネット本編終了後のお話です。時系列では、スピンオフ「おめでとう2」の次です。復習されてからの方が理解が深まります。11年目のSONNETスピンオフ伝説の森★★★「――長い歴史と伝統、多くの偉大な先輩方を輩出しているこの学院で、たくさんの事を学び成長していきたいと思います。新入生代表アイリス・ホワイト」礼拝堂に響くハンドベルのような心地よい声。入学試験を首席でパスした者に与えられる特権、入学式典での答辞。今年は見目麗しい女生徒が選ばれたとあって、誰もがその名前を一瞬で記憶したに違いない。しかもその生徒には他にも注目される理由があった。「――あの子、特別室なんですって」「・・まぁ、どんな家柄なのかしら」ステンドグラスの光を浴び、栗色の艶やかな長い髪をなびかせて壇上から下りる姿を目で追っている生徒たちから「アイリス――虹の女神ね」羨望の声が上がっている。しかし後方の上級生たちの目は、明らかにそれとは違っていた。「――特別室?その内不純異性交際で学院から去ることになる」「いや、一ヶ月で部屋を移る方に賭ける」よこしまなささやきを拾えるはずもなく、アイリスの耳に届いたのは隣の生徒の声だけだった。「素晴らしかったわ。私は寮の――」「――私語は厳禁です」そっけない返事をするアイリス。その立ち居振る舞いは父親そのものと言っていい。DNAというのは恐ろしく、隠しても隠し切れないほど明確なモノがアイリスには備わっていた。それでも自分の出自を隠したかったのは、父親が有名人だったからに他ならない。(・・俳優の子供だと言われるのはもううんざり。まして貴族だってバレたらどんな特別扱いが待ち構えているか。あ~いやだ、いやだ)家族の事は口外しない。グランチェスターのファミリーネームは名乗らない――それが入寮にあたりこの家族と学院長との間で交わされた密約だった。その時のことを学院長シスター・クライスと話し合った時のことも覚えている。『公爵家のご要望とあらば仰せの通りに』二つ返事だったのは、やはりこの学院とグランチェスター家に歴史的な癒着があったからだろう。――ばらはどんな名前で呼んでもばらだ。そんなシェークスピアの影響もあってか、父親はどんな名前で在籍しようと特段反対する理由は無かったようだ。『特別室は空いていますか?』とアイリスが訊いた時、『もちろん空いています』と言いながら、父親と母親の方をチラッと見たシスター・クライス。わずかに下げた眉の意味を誰かが読み取っていれば、入学後アイリスに降りかかる事態は違っていたのかもしれない。母親が青春時代を過ごした同じ部屋をどうしても使いたかった。もしかしたら、運命の人との出会いが待っているかもしれない。そう考えてしまうのは、理想的な両親の姿を見ていたから。一方、弟のアンディは特別室にはこだわらなかった。しかし双子の子供たちを平等に扱うのをモットーとしていた両親は、今回も同じ環境を与えることを選んだ。(・・・はぁ、、どうやったらアンディに会えるかしら。共有スペースですれ違うことがやっとだわ)木立の向こうにわずかに見える男子校舎を恨めしそうに眺めていたアイリスは、入学して五日目ついに解決策を見出した。(共有スペース・・――図書室!?)さっそく昼休みに行ってみようと内心小躍りした時、「ビッグニュース!王室の子がこのクラスに来るんですって!社会体験とかで三週間!」息を上げながら生徒が教室の中に走って来た。(王立の学院に王族が来ることのどこが驚きなの?)アイリスが俯瞰するように席に着くと、シスターに連れられた噂の人物が教室に入って来た。ミント色だった空気が一瞬でばらの香りに包まれる。「エリザベスです。リズって呼んでくださって結構です。短い間ですがどうぞ宜しく」宮廷の奥に十人以上の家庭教師を従える珠玉の王女の気高さは目を見張るものだった。(・・リズと呼べと言われて呼べる庶民がいる?呼ばないと機嫌を損ねる?)クラス中が密かに頭を抱えたことも察せずに、シスターは続けた。「エリザベスの席はそうね・・・アイリス!クラス委員のアイリスの隣でどうかしら?」年度初めの席順は寮の部屋と同じ並び。特別室を使うアイリスが一番前の窓側の席。その隣の席は隣室を使うフェリシアだったが、シスターはフェリシアに退くように指示し、一番後ろの席を指さした。「待ってくださいシスター!フェリシアは目が悪いんです。後ろの席に行くのは」「大丈夫よ、アイリス。その為に眼鏡があるんですもの」フェリシアはべっ甲の眼鏡を触りながらそう言うと、エリザベスに会釈をし席を譲った。授業が終わって間もなく、フェリシアが遠慮がちに話しかけてきた。「・・ノートを写させてくれない?黒板の文字がよく見えなくて」「眼鏡は?」「度数が弱いみたい。部屋にはもう一つあるから明日からは大丈夫よ。先ほどは私を庇ってくれてありがとう」読書好きのアイリスがそうすると分かっていたのか、まるで示し合わせたようにくせのある金髪を図書室で見つけたのはこの日の昼休みだった。アイリスは本棚から幾つかの本を適当に選ぶと、ごく自然に少年の隣に着席した。弟の鼻のそばかすがまだ消えていないことを横目で確認すると、少しホッとする。(やっぱり来たね)(・・・会話は禁止よ)(分かってる)(にせポニーの丘に行ってみたいの)(母さんに地図を描いてもらったから、放課後探してみる)周りから見えないように秘密の手紙―メモーを慎重に渡す。ただでさえ首席入学のアイリスは注目の的。男子と女子の会話は厳禁なのだ。たとえそれが姉弟であっても。そもそも、今や共通するファミリーネームを擁してない二人が姉弟であることに誰が気付くだろう。母親似のアンディは、大人びている姉とは髪の色も目の色も違うのだから。日に日に二人の小細工は手の込んだものになっていった。いつも隣の席にいるのは不自然なので、向かいに座ったり、ある時は本棚を利用して手紙を渡したり、手紙を挟んだ本をわざと落とし、阿吽の呼吸で相手に拾わせ渡すこともあった。(・・・エリザベスがクラスにいるってほんと?)(・・そうよ。陛下の戴冠式で会ったことは覚えてないみたい)(親戚と云っても一瞬挨拶を交わしただけだからなぁ。寮に入ったのか?)(いいえ、宮殿から通ってる。私が特別室を使っているって知ったら、どこの家柄なの?って聞いてきたわ)(なんて答えたんだい?)(ごく普通の家庭ですって。もう百人に同じ言葉を言った気がする)「(宮殿と云えば、父さんが陛下の吃音のちりょ――)あ、、と、失礼」次の手紙を渡そうとアンディがわざと落としたノートだったが、タイミングが悪く他の生徒が拾い上げてしまった。「――あら・・?」「あ、ありがとうございます、レディ!」アンディは慌ててノートを奪い取り、作り笑いをしてみせた。(・・挟まっていた手紙を見られたか?)「どういたしまして」その女生徒はアイリスの隣の席に座り、小声で話しかけてきた。「――ねえ、あなたの部屋は」「まだ荷物が散乱しているの。きちんとおもてなし出来ないから、ごめんなさい」特別室を覗きに行きたい、という興味本位の質問だと先走って答えたアイリスは、ププっと口元を抑えるしぐさと飴色の眼鏡に気付きハッとした。「あなたの部屋は私のお隣ね、って言いたかったの。宜しければ今度あそびに来て」おっとりした口調でフェリシアは言った。「・・眼鏡、変えた?」丸いフレームは以前と変わらないように見える。「視力を変えようと頑張っているわ。スペアの眼鏡の方が度が弱かったみたい」「なっ、、シスターに言って、席を戻してもらったら!?」思わず立ち上がったアイリスに、周りは一斉にシーっと指を立てた。「――言いにくいなら、私がシスターに」「エリザベスの体験期間が終わったら、戻してもらえることになってるの」「なら、それまでは一番前の私の席を使えばいいわ」「・・エリザベスに余計な気を遣わせたくないから」隣室のクラスメイトはずいぶんお人よしだな、とアイリスは思った。「・・・遠くの景色を見れば、視力は回復するそうよ」――だからワトゥシ族の視力は8.0なんだよ、アイリス。祖父アルバートから教わった事をとりあえず伝えた。男子校舎を眺めて回復するとは思えなかったが。(1913年度の生徒名簿は?)(父さんは載ってたよ。でも、母さんは・・・)(1914年度にも載ってなかったわ)図書室に通い詰めて五日後、二人はついにこの疑問にぶち当たった。――キャンディス・ホワイト・アードレーは本当に在籍していたのか?どの年度の名簿にも、写真はおろか名前さえ載っていない母親。この学院で両親が恋に落ちたことを夢見て入学した子供たちにとって、――もしかして、食堂のおばさんだったのでは?そう勘繰りたくなるのは当然だった。「あなたって、アンディ・ウィリアムと仲が良いのね。お付き合いしているの?」来るべくして来た質問をアイリスにしたのは、自習時間に暇を持て余したエリザベスだった。特別室を使う二人が同じ時刻いつも図書室に揃っている偶然に、疑いを持つ生徒がいてもおかしくはない。「あなたが彼に手紙を渡すところを見たわ」ギクっとしながらも、持ち前の機転の速さでその場を取り繕う。「十月祭のパートナーを探しているの」「ああ!来月の十月祭ね。私は参加できないけど皆さんは大変ですこと。男子とはおしゃべりも禁止なのに、ダンスのパートナーをどうやって探すのかと思っていたの。あなたなら、そんなさもしい事をしなくても相手から申し込みがあるのではなくて?」「・・・さもしい?」この学院には五月と十月に大きな催しものがある。祭り色が濃い五月祭と違い十月祭は文化活動の発表会で、著名人による講演会なども行われる。夜の舞踏会のパートナーは、部活動の上級生の力を借りて探す生徒も多かった。「そうね、リズはパートナーに困ることは無いわね。たとえそれが結婚相手でも」「――リズ?」驚いたようなエリザベスの表情を見て、後ろの席の生徒が語気を強めた。「失礼よ、アイリス!」「そう呼んで欲しいって言ったのはリズの方だわ」「だからってっ!」常に取りまきに囲まれているエリザベスと違い、アイリスには一匹狼的な気質があった。「アイリス・ホワイト・・・以前どこかでお会いしたかしら?」「そうね。お会いしているわ、王女さま」王位継承権第一位のエリザベスは、その返答が公私どちらに向けられたのか分からなかった。横から縦の世界へコミュニケーションが広がる頃、新入生はある伝説を耳にする。学院生活が二週間過ぎた頃、その伝説はアイリスとアンディの耳にも入った。「・・・貴族の男子とアメリカの成金女子って、父さんと母さん・・じゃないよな?」地図を頼りに探し当てたにせポニーの丘で初めて行われた家族会議は、疑惑の言葉から始まった。「テリィとキャンディなんて名前、他に誰がいるのよ!しかも特別室の住人ってことも同じだわ」「伝説は語り継がれている内に変化するものだよ」「馬小屋で夜な夜な会っていたのは、、、事実かしら?」「・・・・アイリス、今変な事を考えていた?」嫌悪感を示すような姉の表情にアンディは気付いた。「不純だわ、パパとママっ」「・・・何かの間違いだよ」「じゃあ、名簿はどう説明するの!?駆け落ちしたから除名処分を受けた、ってことじゃないの!?」「除名って、せめて退学処分とか他に言い方は」「退学処分になる親なんて恥ずかしすぎるわっ、私は―――」切羽詰まっているような姉の顔を見て、アンディは話題を変えようとスッと立ち上がった。「――この丘、すごい場所にあるよね。こんな敷地の端っこにある小高い場所に、わざわざ昼休みに来る生徒なんかいないよ」「・・ほんと、上るのも必死のパッチ」「それ、西の方の言葉らしいけど、レディが使ったらシスターに叱られるよ」「いいですか!?正しい言葉遣いは、正しい精神に繋がります」鼻をつまみながらシスターの真似をするのは、母親直伝だ。「今朝のお祈りはいつもの倍です!」アンディが続ける。お祈りを罰のように使うのが、この学院の伝統だということも聞いている。「二倍の刑はまだ食らって無いわ」二人は顔を見合わせて、プッと吹き出した。丘を超えた奥に、脱走できる高さの石の塀があることも、シーツロープでターザンすればシスターに見つからずに移動できることも入寮前に習ったが、両親は決まって最後にこう言った。『やっちゃダメよ』『やってはいけない』なんと説得力がない言葉だろう。「父さんと母さんは、ここで毎日のようにおしゃべりをしていたんだろうなぁ。薄暗い森の中の小屋なんかより気持ちがいい。そう思わないか?」遠くに見える校舎の上に広がる秋の高い空。アンディが胸いっぱいに空気を吸い込んだ時、昼休みの終了を告げる予鈴が遠くから聞えた。「急がないと間に合わない、アイリス!必死のパッチだ」「紳士も使っちゃダメなのよ」「じゃあ、いったい誰が使うのさ」「西の人」笑いながら丘を駆け下りる二人は同じことを考えていた。(父さんたちもきっとこんな風に・・・)実際のところ、父親が走って校舎に向かった事など一度も無かったのだが。「ブルーリバー動物園を貸し切りですって?さすがエリザベスだわ!」教室では相変わらずエリザベスの周りに取りまき達が群がっていた。「いっそ動物園をウィンザー家で買い取ったらいかが?世界中から動物が集まるわ」いかに大げさに褒めるかもレディに求められる条件なのだ。「白黒のまだら模様の熊が見られるそうよ」エリザベスが自慢気に言うと、取り巻きの一人がウットリするような声を上げた。「知ってるわ、そのニュース。新聞で読んだばかりよ」「皆さんも外出できるように院長に頼んであげる。貸し切りは午前の半日だけなの」「ご一緒させて頂くわ!」「なんて光栄なんでしょう」どうやら明日の日曜日、このクラスの生徒は誰一人いなくなりそうな予感。「――あなたも視力回復を試みているの?」外の景色が最高の友人とばかりに背中を向けているアイリスの横に、フェリシアは並んだ。「一緒にまだら模様の熊を見に行かない?」「・・パンダには、興味が無いの」アイリスは遠くを見たまま答えた。「だから今朝の日曜礼拝には、女子が少なかったのか。集団ストライキかと思ったよ」丘の草の上に寝そべりながらアンディは茶化した。「こう規則が厳しいんじゃ、ストライキもしたくなるわね」「言えばよかったのに。ブルーリバー動物園の経営者はウチだって。その内私が継ぐんです!って」「それじゃ、アードレー家の人間だってバレちゃうじゃない。それに私は継がないわっ」戦争で経営状況が悪化した動物園に救いの手を差しのべたアルバートさんが、東の国から珍しい動物を迎え入れたのはつい最近のこと。先行独占公開で見たパンダはかわいかったが、詳しすぎる祖父の説明や、猿に異常な関心をよせる両親の態度の方が、よほど記憶に残っている。「”イニシャルがAの者には継ぐ資格がある”ってアルバートさんはいつも言ってる。今日だって動物園にいるんじゃないか?会いに行けばよかったのに」「イヤよ、まるで集団遠足のような状況なのよ?王女にガイドをするのは園長のアルバートさんだわ。またパンダの出産秘話から聞きたいと思う?」「集団遠足・・・・そうだ!今がチャンスかも」「チャンス?」「例の、厩の場所が分かったよ。馬術部が使っている厩とは違うんだ。母さんが描いた地図の意味がようやく分かった!」「ママが馬小屋の場所を描いていたの?」「学院の森の地図に、小屋のような建物と一緒に、豚のような動物が書いてあって、たぶん馬を描いたつもりなのかな、って昨日気付いたんだ。あれ、豚小屋じゃなくて馬小屋だよ!」「・・・ママって絶望的に絵が下手よね」「母さんのダメ出しは後回しにして、行ってみないか?何か残っているかもしれない」「・・愛し合った形跡?」少し皮肉めいた口調でアイリスは言った。「――まだ決まったわけじゃないよ」藁が散らばり、屋根はところどころ朽ち堕ちていた。無数の蜘蛛の巣が行く手を遮りアイリスは入口から動きたくなかったが、壁に掛かった鞭に気付いたアンディは枝で白い糸を払いながら奥へ進んだ。「――父さんの名前だ、間違いない。ここが例の厩だ」「ここで・・・夜な夜な逢引きを・・」ほこりまみれの父のイニシャルを確認したアイリスの顔が嫌悪感で歪んでいく。その時だった。カサカサと葉っぱを踏むような音が聞こえた。大勢の足音が乾いた小枝をパキパキと鳴らしながら近づいて来る。「・・・この厩?・・」その声と同時に、蝶番の壊れた入り口の扉が鈍い音を立てゆっくりと開いた。ギギギ・・・・(ダメだ!間に合わない!)――逃げられない「――あなた達、ここで何をしているの!?」厩の中には、特別室の二人が肩を寄せ合うように立っていた。つづくんです後編へ。。。。。。。。。。。。。。。ワンポイントアドバイス特別室の位置について漫画やアニメでは、2階の中央付近に位置していた特別室ですがファイナルでは『廊下の行き止まりに、他より大きな扉』上巻258 が特別室だったと書かれています。つまり角部屋(一番端)と解釈しました。アイリスの席順が一列目の窓側なのはその為です。この物語は1938年9月です。この年、ロンドン動物園にパンダがやってきました。必死のパッチ関西方面の言葉で「必死にやる」という意味だそうです。作中の「西の方」は「ウェールズ」だと思ってください。ワトゥシ族について詳しくは『渦の中の再会・エピローグ4-7』をご覧ください。幼少期のアイリスとアンディのイメージ画※ピンタレストから拝借しました🙇♀️
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