今日、資格喪失後の傷病手当金に関する相談がありました。
現在74歳で傷病手当金の支給を受けていて、もうすぐ75歳の誕生日を迎えるという状況でした。
健康保険には10年以上継続して加入しており、75歳の誕生日を迎えると後期高齢者医療制度に入るため健康保険の資格を喪失するが、後期高齢者医療制度に入ってから傷病手当金は受けられるかどうかという話です。
資格喪失後の傷病手当金を受けるための条件は、以下の通りとなります。
- 資格喪失日前に継続して1年以上健康保険に加入していること
- 資格喪失日前に連続3日間の待機を完了し、なおかつ傷病手当金が支給可能な状態になっていること
このケースは、どちらも満たしています。
そうなれば、健康保険の資格を喪失した後も傷病手当金を受けられるかというと、話はそんなに簡単ではないのです。
このケースでは、老齢(退職)の公的年金を受けることができる状態になっていると推測されるため、健康保険の資格喪失後は老齢の公的年金と傷病手当金の支給調整が行われるのです。
まず、
老齢(退職)の公的年金の年額をx、傷病手当金の日額をyとすると、
x÷360 ≧ y
の場合、傷病手当金は支給されません。
x÷360 < y
の場合、差額支給がされます。
つまり、1日当たりの支給額は
y - (x÷360)
となります。
これ、受験勉強で習うことですし、教える方としては覚えておくべきことですが、実務ではつい忘れてしまいがちなことです。
ということで、社労士の受験勉強をしている方はぜひ覚えておいた方がよいでしょう。
今日のアイキャッチ写真は、今日の天気の様子です。
監督署でも「寒い」の声がよく上がっていたので、明日からは使い捨てカイロを持っていこうと思っています。