特段美人と言うわけでも、かわいいと言うわけではない。
俺が勝手につけたあだ名は『チンコロ』
それを言うと彼女は、プクーとふくれるけどね(笑)。
おっとりした性格で、マイペース。トボケタところがあって、俺は、ソコが大好き。
週末だけが、二人のデートの日。
雨上がりの天気の良い日、彼女が言うんだ
「貧乏デートしよう!だってさだってさ、二人とも貧乏ジャン!?」
別に、「いいよ」とも「嫌だ」とも言ってないのに、勝手に話を完結させている。
「さぁ!いくよ!」と俺の手を引いて、車まで向かう。
車についたら、しっかりと自分は助手席に乗っている。
「(さぁて)」とエンジンをかけると同時に、彼女が言う。
「幕張の公園に行こう!途中でマック買って。さぁ行くよ!レッツラゴー!」
俺は、「・・・はいはい」といつものペースに軽くため息をつく。
でも、こんな気ままな感じの性格が大好き。
ドライブスルーで、買うのはいつもの『ビッグマックのセット』
彼女は『チーズバーガーのセット』
それと、二人で飲むマックシェイク。
公園に向かう車中。彼女は、ポテトを3本食べると、俺の口に1本だけ入れてくれる。
マックシェイクをゴクリゴクリと二口飲むと、同じストローで俺に一口だけ飲ませてくれる。
「おいおい。」と文句を言うと、とっさに彼女は「危ない危ない!」と叫ぶ。
・・・ちっとも危なくないのに。
その後、決まって彼女は、「ふ~、危なかった」と言って、ペロッと舌を出す。
公園に着くと、彼女は「運転ご苦労さんっス!お礼に『膝枕』をしてやろう!」と言って、
ベンチに座っている俺の膝に頭をポトリと乗せる。
「おいおい!普通逆だろ!」なんて俺が言っていると、すでにもう寝息をたてている。
「しょうがねぇなぁ。」なんて独り言を言いながら流行の小説なんかを読んでいると、
「やっべ!寝ちった。」とか何とか言いながら、左手で目を擦りながら『ご主人』が目覚める。
「ご主人様、お目覚めですか?」と俺が言うと、彼女は決まって「つぅか起こしてよ!」と、
勝手に寝といてそんな理不尽を吐く。
帰りの車に向かう前に、公園を一周散歩する。
彼女は俺の左手の小指だけを握って、無邪気に微笑んでいる。
のんびりとした週末、無邪気に笑う彼女、どこまでも抜けるような空。
幸せをお腹いっぱいに吸い込むように、大きく一つノビてみる。
「さぁて帰るか」と俺が言って、彼女の家に向かう。
車を止めるのは、彼女の家の一つ手前の曲がり角。
そこで、彼女が左手でシートベルトを引っ張って身体を運転席に持ってくる。
俺に優しくキスをして「大好き」と言う。
それが、いつの間にか出来た二人だけのルール。
一人だけになった帰りの車中も寂しくならないおまじない。
こんな週末が来るから、頑張れる平日がある。
一緒に居ても気疲れしない彼女が大好きなんだ。
・・・って、まぁ、こういう恋愛に憧れてるトコあるよね、俺!
ははは。