私は6月10日、鹿児島県警の不祥事隠蔽事案について、以下のブログで2つのチョンボとして問題点を指摘した。

 

 

その2つのチョンボとは以下の通りだ。

 

1つのチョンボは、

今回の警察の不祥事事案を告発しようとした公益通報の通報者を守秘義務違反と個人情報漏洩で「逮捕」してしまったという、ありえない対応をしてしまったということだ。

鹿児島県警は、この告発資料の内容通りに、不正の指摘のあった警察官を実際に5月13日には「逮捕」したにもかかわらず、あろうことか内部告発をした通報者を守秘義務違反と個人情報の漏洩で5月31日に「逮捕」してしまった。

 

公益通報の本来の趣旨からいえば、通報者は保護されなければならないのにだ。

 

 

2つ目のチョンボは

これまで鹿児島県警の不祥事を報道していたウェブメデイア『ハンター』が小さいとはいえ、報道機関の一つであるのは事実であり、そこへ禁じ手の報道機関への「家宅捜査」を強行して、捜査目的とは全く別件の「情報源である告発資料」そのものを押収してしまうということを強行してしまったことだ。

 

それって、「報道の自由」に対する、そして報道機関の生命線である「情報源の秘匿」と言う絶対的な原則を反故にする、報道機関の使命をないがしろにする「弾圧」そのものを実際にやって見せたということだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上

 

第一のチョンボについては、さらに言えば、もともと公務員には不正を発見した場合は告発しなければならないという義務が課されている。

 

 

刑事訴訟法第二百三十九条第二項によれば「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」となっている。

この規定は義務規定であり、
正当な理由なく刑事訴訟法第二百三十九条第二項の規定に違反した場合には、懲戒処分の対象となり得るもの。

とされてさえいるのだ。

 

しかも、公益通報制度では、通報者を保護しなければならにとなっているのはご承知の通り。

 

今マスコミでこの件の報道がなされているものは、おおむねこの2つのチョンボに関してだけ追及している状況にあるのだが、実はチョンボがそれだけで済んでいないことは、これまでのブログでも指摘している。

 

その一つは、

 

不正をしていると言われた疑惑の張本人をして、この問題の捜査を任せてしまったという、とんでもない大チョンボをやってしまったということだ。

 

この点については、16日のブログでも書いている。

 

(以下上記から引用)

 

普通ならこんなバカな話は無いわけで、公平を考えればこの本部長を外して、第三者が指揮をして内部調査をすべきなのは当たり前の話。

 

「李下に冠を正さず」という諺は何のためにあるんだろうね。

これじゃまるで、堂々とスモモを盗んで食べてしまった後で、え?何か問題でも?としらを切っているだけにしか見えないんですけど・・。

 

何故警察ならこんな不公平でありえない事が許されるのか、まともな思考能力があれば誰だって疑問だろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上

 

 

2つ目のチョンボも、この「家宅捜査」に関して、捜査理由が昨日ようやくわかったのだが、実はやっぱり日程が4月8日だったことで、大チョンボをやらかしたということが浮かび上がってきた。

 

そもそもは、禁じ手の報道機関への「家宅捜査」を強行して、捜査目的とは全く別件の「情報源である告発資料」そのものを押収してしまうということを強行してしまったことがチョンボと言える話だったのだが、

実はその「家宅捜索」をあろうことか、その件での犯人の「逮捕」を発表した4月8日にやっているという、常識では考えられないことを平然として、やったということが、昨日明らかになった捜査理由で、やっぱりこじつけでしかなかったことが明白になってしまたのだ。

 

 

実は、6月11日のブログで、犯人の「逮捕」当日に同じ案件で「家宅捜索」を実施することが、極めて異常で無理筋であることは指摘しておいた。

 

(以下上記から引用)

 

私が警察は本田氏の告発資料が『ハンター』のパソコンに存在していることを知っていたと考える理由を整理して、示すと。

 

1、これまでの不正事案は、「ハンター」などが告発資料で明らかにしたら、やむを得ず不正をした警察官を「逮捕」すれば、何とか誤魔化せたのだが、さすがに本田氏の告発は本部長の不正隠蔽なので、「犯人」とするわけにいかない。

ではどうするか、「ハンター」が報道する前に資料そのものを確保して、報道できないようにするしか方法がない、ということ。

 

2、本田氏の告発資料の存在を知りえた方法は、合法的な手段で出来たことにしないといけないこと。

そのために、8日に広報する予定であった事案の関連捜査として、禁じ手ではあるが「家宅捜索」を行い、パソコンの押収をして、データーを得ることにした。

 

以上の2点が、本田氏の資料の存在を知っていたとしたら、その資料を可能な限り速やかに確保しなければならない理由だ。

 

逆に言えば、もし知らなかったら、既に指摘した通り、

『犯人』逮捕の発表当日に、証拠固めのための「家宅捜査」を実施しているなんて馬鹿な話にはなっていないだろう、と言うことだ。

 

確かに入手方法としてはある意味「合法的な手段」かもしれないが、さすがに「犯人」発表の日に関連で報道機関に「家宅捜査」は無理がありすぎます。

 

一体どれだけ重要な証拠がまだ残っていたというのでしょう?

8日に「犯人」とされた巡査長の件に関しては『ハンター』は既に告発内容を報道してしまっているし、県警側も内部捜査をしっかりやって、3月に2回にわたって流出資料について発表しているのだ。

 

まあ、この件の言い訳は何とでもできると警察は高を括くっているのかもしれないが、不正を糊塗しようとすると、あちこちで無理が生じて、説明のつかない問題が出てくることはある意味常識だ。

 

さすがに「逮捕」発表のその日に、その証拠固めの強制捜査を、しかも報道機関へ「家宅捜索」として、やらなければならない様な、理由って一体なんだろうね。

これって、いわゆる「テロ事案」とかじゃないんですけどね?

一体どこにそれだけの、緊急性や重大性があったんでしょうか?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上

 

 

この家宅捜査の理由が、昨日の以下の記事からわかったのだが・・・、

 

 

(以下関係部分を引用)

 

県警は「令状の明示や削除時の同意など適正捜査や任意性を確保している」と主張。野川本部長は捜索について「報道や取材の自由は理解している。被疑者の供述や客観的証拠などを踏まえて、適切にやった」と述べた。

県警は会見後の記者説明で、巡査長と男性との間で、ある人物に関する犯罪歴の情報がやりとりされていたことを明らかにした。牛垣誠首席監察官は「漏えい先の男性の関与状況を解明するための必要な捜査だった」と述べた。

・・・・・・・・・・・・・・・・以上

 

 

実に分かりにくいぼんやりした説明なのだが、ここでいう漏洩先の男性というのは『ハンター』の中願寺氏のことだ。

ある人物に対する犯罪歴の情報がやり取りされていた、というのが、新たな不正に関連して出てきた新たな情報漏洩事案なのか、それとも、既存の情報漏洩事案なのかは定かではないが、「家宅捜索」が緊急に必要とされた案件であることは間違いがない話なのだ。

 

 

そこで、改めて確認しなければならない点は、本田氏が送った告発書類はどういうものだったかということだ。

 

それはこれまでの報道では以下の通りだ。

 

文書の1ページ目には、 〈闇をあばいてください。〉  とパソコンで打たれていた。

 

続く2ページ目には、 

〈鹿児島県警の闇 1 霧島署員による警察の保有する情報を悪用したストーカー事案 2 枕崎署員による盗撮事案の隠蔽 

3 警視による超過勤務詐取事案の隠蔽 

4 署員によるストーカー事案2件を発生させた霧島署長、M警視の警視正昇任とストーカー取締部署である生活安全部長着任〉 

 などと整理されて、県警の元巡査部長による盗撮事件のあらましなどの不正事案が記されていた。

・・・・・・・・・・・・・以上

 

上記で分かることで極めて重要なポイントは、

4 署員によるストーカー事案2件を発生させた霧島署長、M警視の警視正昇任とストーカー取締部署である生活安全部長着任〉 

 

である。

 

何故ならば、これで生活安全部がストーカー事案の取り締まり部署であることがはっきりしているからだ。

 

だとしたら、その後多分M警視正に替わって生活安全部長となった本田氏が、まだ解決を見ていないこの1と4の案件を含めて、退職前にカタをつけるために本部長に捜査の指示を仰いだということは、極めて当然すぎる行為だということがわかる。

 

少なくとも、本部長が本田氏とこの件で会ってないと白を切るのは見苦しい話だ。

 

 

で、問題は、2 枕崎署員による盗撮事案の隠蔽 に関して、情報を提供した巡査長が、新たな自供をしたのか、それとも既存の提供資料の話なのかということになる。

 

この件に関しては既に書いたように、

8日に「犯人」とされた巡査長の件に関しては『ハンター』は既に告発内容を報道してしまっているし、県警側も内部捜査をしっかりやって、3月に2回にわたって流出資料について発表しているのだ。

 

そういうこれまでの経過からいうと、新たに巡査長が証言でもしたのか?とか思ったりもしたのだが、今更別に実はこういう資料も送りましたなんてことを、既に『犯人』として発表されるという人間がゲロするかな?

 

それにもしそうなら、その資料はもともとの不正案件に関連したものとは言い難いので、新たな不正に関連した資料でなければならない気がするし、だとしたら一体いつの時点でそれをハンターに送ったのかが問題になる。

最近の話なら、一体警察は何を管理していたんだということになってしまう。

 

巡査長と男性との間で、ある人物に関する犯罪歴の情報がやりとりされていたことを明らかにした。

というならば、それがどういうものだったかの説明が必要だし、当然「家宅捜索」の令状にはその件が書かれていたはずだ。

 

しかし、家宅捜索時に令状は明確に示されず、説明もなかったと中願寺氏は言った。

 

もし、こういう件で家宅捜査するという説明があれば、中願寺氏はそういう書類が送られていたかどうか知っているわけで、もし身に覚えばなければ断固として抗議することになっただろう。

 

現場で騒動になることを恐れて、ちゃんと令状を示さなかった可能性は高いということだ。

 

なにより、指摘しておかなければならないのは、もし本当にそうした理由で捜査が必要だったのなら、8日の「犯人逮捕」の発表を事前にキャンセルするべきだろうということだ。

だって犯人の量刑を左右するかもしれない緊急かつ重大な案件なんでしょう?

是非、裁判で、裁判所への「家宅捜索」の申請書類を明らかにしてもらいたいもんだ。

 

この「逮捕」発表のキャンセルは8日の当日の直前でも説明がつくもののはずだと思うけど、なぜかされていないのだが?

なぜしなかったんだろう?という思いを捨てきれないのだけど・・・

 

実際、この件で結局「家宅捜査」で確認したかった新たな証拠みたいなものはなんも出なかったということは、中願寺氏が取り調べを受けた形跡がないので明らかなんですけどね。

場合によっては中願寺氏が「逮捕」される可能性もあったかもなんですけどね。

 

だとすれば、この家宅捜索の理由が、まったくもって取って付けたものでしかなかったということだ。

だからこそ「逮捕」の発表のキャンセルをしなったんだろうとしか思えないのだ。

どうせ何も出ないのはわかりきった話なんだからね。

 

まあ、そこまで国民や記者クラブの連中を舐め切っていたんでしょうね。

 

で、とにかくパソコンだけは押収して、たまたま本田氏の告発資料をゲットしたというわけだ。めでたしめでたし、だったはずなんだけど・・・

 

実はそこには、なぜ中願寺氏のパソコンに本田氏の告発資料があることを知っていたのかという新な疑惑が生じてしまうということにも気が付いて欲しい。

 

少なくとも、ハンターが本部長の不正隠蔽疑惑を書きだす前に、告発内容を把握して早期に適切な「内部処理」をやってしまわないと、発表されてからでは後手に回って説明がつかないこともありうるからねえ・・・

まあ、あわてるわけだ。

「家宅捜索」と言っても実はパソコンの押収をしたかっただけというような、とても乱暴な捜査だったような印象しかないのだ。

 

もう底が割れてしまっているような話では、ないでしょうか?

 

深すぎる県警及び警視庁の闇だなあ…私の白昼夢であれば幸いなり。

 

 

 

明日から入る『監察』の結果などもう見えている話でどうでもいいけど、本当に本田氏の裁判が始まるんだろうか?と実はちょっと疑念がある。

もちろん、堂々と裁判で事実が明らかにされれば、それはそれでマスコミも報道するし問題が明らかにされればそれに越したことはないのだけどね。

 

まあ、ド素人の私ごときがチョットだけ考えても、県警本部のこの行動なりはあまりに杜撰で、笑えるレベルだとしか言いようがないけどね。

例えば、疑惑の張本人が捜査指揮した証拠物件をまともに証拠として採用していいのだろうか?

アメリカ映画など見てると、不正な捜査で得られた証拠などまともには相手にされてないけどね。

 

裁判に耐えられるんだろうか??

 

 

 

 

まあ、とにかく以下の鹿児島県民の疑惑の声に真摯に対応して欲しいものです。