こんにちは、ふじおです。
今回は、5/1のブログに引き続き、現在フジテレビ系列で放送中の「アンメット ある脳外科医の日記」の第6話(5/20放送)について感想を書きます。
主人公の川内ミヤビの病院に山本健太郎がてんかんの発作を起こして
運び込まれます。山本は過去に脳出血で緊急搬送されていて、今回の発作はその後遺症が原因。一度発作が起こると、今後も繰り返す可能性が高いということでした。
前回の入院で、仕事が続けられるかどうか不安になり、自暴自棄になっていた山本に、障害者雇用促進法を使い、事務職として職場復帰できることを提案したのはミヤビでした。てんかん持ちの山本は、まだ働ける希望を再び持ったのでした。
今回も抗てんかん薬を服用し、定期的に検査を受けながら体調管理をしていれば仕事は続けられるとミヤビは言います。
ある日、山本は上司の文野から声をかけられます。
抗てんかん薬の服用のため、睡眠を充分摂るよう言われていて、夜勤を減らしてほしいと会社側に伝えていたのです。
文野は「会社としても社員の健康第一だから…」と建前を言うものの、休むよう提案します。
小さな娘を持つ山本は、会社側の休暇の提案に狼狽するのを隠せませんでした。
そのことをミヤビに伝えると、ミヤビが上司に一度説明することを提案します。
山本の会社で、山本の上司二人と対峙するミヤビと院長の藤堂。
ミヤビの説明を聞き終えた上司の文野は、「何かあったら先生(ミヤビ)が責任をとってくれるんですか!」と迫ります。
さらにその上司の池沢が「おっしゃることは解りますが、山本さんだけを特別扱いすることはできない」と反論します。
ミヤビは「むしろ特別扱いしないでほしいんです。障害があるので、できることとできないことの選別は必要なんですけど、できたら環境を整えて頂ければ…」と会社側に理解を求めるも、池沢は「それが特別扱いでしょう。周りと同じように働けないのに、同じであると言い張るのは都合が良過ぎますよ。」と。
言いあぐねるミヤビに、院長の藤堂は「特別扱いではなくて、理解してほしいと申し上げているんです! 患者さんが社会復帰して一番辛いのは、できることもさせてもらえず、可能性を絶たれてしまうことなんです。障害のある方が働くには周囲の理解が必要です。周りの人間が病気を正しく理解することで、大半のことは解決できるんです。そういう形で、社会の一員として迎えてもらう場所が必要なんですよ。」と力説します。
しかし、池沢は、「あとはウチの会社の問題なので」と強引に納得させようとします。
そこで藤堂は「山本さんは障害者枠で再雇用されたんですよね。障害者雇用促進法によって、会社側としても税制優遇などのメリットがあったはずですが、どうお考えでしょうか?」と詰め寄ります。
上司の池沢も文野も、何も反論できなくなってしまいました。
この上司2人と藤堂のやりとりは、実際の現場で起こりうる場面だと思います。
会社側とすれば、(労働の上で貢献度の低い)障害者を(あえて)雇って(やってる)んだという、本音が見え隠れしています。
しかし、障害者雇用促進法に則って、障害者枠で雇用しているのであれば、当然会社側として、法に則って雇用した障害者の職場環境を整える義務があります。
池沢がいう「特別扱い」ではなく、障害があって健常者と同じように働けない分、障壁となっている因子を見付け、健常者と同じ土台に障害者も立てる環境を整備しなければならないということです。
それは、4/7のブログに書いた「障害者差別解消法」にも関わる問題です。
まずは障害者が働けるにはどんな支援や環境を整えたら働きやすくなるのか、障害者と会社側が話し合い・解決策を考えることが第一歩でしょう。
そして会社側も、障害者が同僚からエコヒイキだとか、それこそ差別だと誤解されないよう、社員に説明し、理解してもらえるようにすることも併行して取り組む必要があります。
幸いなことに、山本は同僚に障害を理解してもらっているようです。
とりあえず、仕事を続けられるようになった山本に、心配した同僚が駆け寄ってきて、「心配かけんなよ、もう」と声をかける同僚に「これからもよろしくお願いします」という山本。
「焦ったぁ」「山ちゃんいなくなると、俺らが困るんだからさ」と優しい言葉をかけている場面を見て、ミヤビと藤堂は、お互いを見て微笑み合う場面は、私もほくそ笑んでしまいました
障害者の立場に立って考えてみることを、健常者は忘れてはいけないと思います。