洗足 その14
「ただいまー。」
僕は説明会を終え、事務所へ顔を出した。
「おっ、説明会はどうだった?」
「いやぁ、たいした話ではなかったですよ。」
「あっ、それから、丁度会場で中山くんに会ったんで、連れてきちゃったんですけど…。」
「おぉ、ありがと。話は聞いていたんだ。うまい具合に連れてきてくれて助かったよ。」
「あっ、あの…。中山です。よろしくお願いします。」
「はい。所長の徳山です。とりあえず後で中山くんの部屋に案内するから。しばらく事務所で待っててもらえるかな。」
「はい。わかりました。」
販売店内には三部屋従業員が住める部屋があるのだが、現在その全てが埋まっていた。
中山くんはどこに住むのだろうと心配していると。
「じゃあ行こうか。」
と、所長は外へ行ってしまった。
後で聞いた話しだが、歩いて五分程の所にあるボロっちいアパートが中山くんの住まいになるとのことだった。
風呂なし。トイレ共同と、まだ販売店に住める僕の方がましに思えた。
僕は説明会を終え、事務所へ顔を出した。
「おっ、説明会はどうだった?」
「いやぁ、たいした話ではなかったですよ。」
「あっ、それから、丁度会場で中山くんに会ったんで、連れてきちゃったんですけど…。」
「おぉ、ありがと。話は聞いていたんだ。うまい具合に連れてきてくれて助かったよ。」
「あっ、あの…。中山です。よろしくお願いします。」
「はい。所長の徳山です。とりあえず後で中山くんの部屋に案内するから。しばらく事務所で待っててもらえるかな。」
「はい。わかりました。」
販売店内には三部屋従業員が住める部屋があるのだが、現在その全てが埋まっていた。
中山くんはどこに住むのだろうと心配していると。
「じゃあ行こうか。」
と、所長は外へ行ってしまった。
後で聞いた話しだが、歩いて五分程の所にあるボロっちいアパートが中山くんの住まいになるとのことだった。
風呂なし。トイレ共同と、まだ販売店に住める僕の方がましに思えた。
洗足 その13
販売店に来て最初の日曜日、新聞奨学生を対象にした説明会が築地にある朝日新聞本社あるとのことで、僕は生まれて初めて築地へと向かった。
そこでは奨学生の心得などを聞き、最後に近場の販売店に配属された奨学生と交流をもった。
皆、新しい生活に戸惑いながらの毎日のようであった。
と、その中の一人が
「俺、まだ販売店に行ったことないんだ。」
と言ってきた。
どうやら今日の説明会が終わってから配属先に行くことになっているらしいのだが、ずいぶん余裕をもった態度をしていた。
「どこの販売店へ行くの?」
誰かがきいた。
「えっと…、西小山ってとこらしいんだけど。」
「えっ!俺、西小山だよ!」
「あっ、そうなんだ。じゃあ店まで連れてってもらえる?」
当時僕は25才で、その場にいた新人奨学生達より7才程年上だったのだが、見た目が若かったのか、その場にいた誰も僕がそんな年上だとは気付いていなかった。
「あぁ、いいよ。俺は山本」
「俺は中山勉、よろしく」
『曲者中山勉』との出会いであった。
そこでは奨学生の心得などを聞き、最後に近場の販売店に配属された奨学生と交流をもった。
皆、新しい生活に戸惑いながらの毎日のようであった。
と、その中の一人が
「俺、まだ販売店に行ったことないんだ。」
と言ってきた。
どうやら今日の説明会が終わってから配属先に行くことになっているらしいのだが、ずいぶん余裕をもった態度をしていた。
「どこの販売店へ行くの?」
誰かがきいた。
「えっと…、西小山ってとこらしいんだけど。」
「えっ!俺、西小山だよ!」
「あっ、そうなんだ。じゃあ店まで連れてってもらえる?」
当時僕は25才で、その場にいた新人奨学生達より7才程年上だったのだが、見た目が若かったのか、その場にいた誰も僕がそんな年上だとは気付いていなかった。
「あぁ、いいよ。俺は山本」
「俺は中山勉、よろしく」
『曲者中山勉』との出会いであった。
洗足 その12
「おはようございます」
僕はカラ回り(順路帳を頼りに配達順路を回ること)をする為に、2時間程早く事務所へ顔を出した。
「おう、おはよう。どうした、ずいぶん早いな!」
事務所には所長がおり、声を掛けてきた。
「いや、夕刊から配らなきゃならないんで、カラ回りをしようかと…。」
僕は状況を話すと
「はぁ?なんでそんないきなり。もっとのんびりやってもらって大丈夫だから。」
「いや、大島さんから夕刊から配達しろって言われてるんで。」
「誰がそんな無理しろって…。分かった、私の方から大島くんに言っておくから。」
『た、助かったぁ~。』
心の底から思った。
さすがに入って2日目で配達するのは無理だ。
誰が考えたってそんなことはすぐわかるはずなのだが、大島さんにはそれが通用しないのだ。
こんな感じで新聞屋というのは変わり者の巣窟であった。
そして、また一人の変わり者と出合うこととなるのだった…。
僕はカラ回り(順路帳を頼りに配達順路を回ること)をする為に、2時間程早く事務所へ顔を出した。
「おう、おはよう。どうした、ずいぶん早いな!」
事務所には所長がおり、声を掛けてきた。
「いや、夕刊から配らなきゃならないんで、カラ回りをしようかと…。」
僕は状況を話すと
「はぁ?なんでそんないきなり。もっとのんびりやってもらって大丈夫だから。」
「いや、大島さんから夕刊から配達しろって言われてるんで。」
「誰がそんな無理しろって…。分かった、私の方から大島くんに言っておくから。」
『た、助かったぁ~。』
心の底から思った。
さすがに入って2日目で配達するのは無理だ。
誰が考えたってそんなことはすぐわかるはずなのだが、大島さんにはそれが通用しないのだ。
こんな感じで新聞屋というのは変わり者の巣窟であった。
そして、また一人の変わり者と出合うこととなるのだった…。
