刑事コロンボ/ホリスター将軍のコレクション(1971) | つぶやキネマ

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140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★

 

刑事コロンボ/ホリスター将軍のコレクション(1971)

 

 建築会社を経営する退役軍人のマーティン・J・ホリ
スター将軍(エディ・アルバート)は、海軍のロジャー・
ダットン大佐(ジョン・カー)と共謀して軍の金を横領し
ていたが、会社に調査が入ることになり大佐は国外逃亡
を計画、弱腰になった大佐に危機感を覚えた将軍は海辺
の自宅で彼を射殺してしまう。近くでヨット遊びをして
いたヘレン・スチュアート(スザンヌ・プレシェット)は
その様子を目撃し警察に通報するが、やって来た制服警
官は現場が有名なホリスター将軍の邸宅だと聞いて彼女
の証言を信じようとしなかった。疑惑の相手が著名人と
いう事でベテラン刑事のコロンボ(ピーター・フォーク)
が指名されホリスター将軍の捜査を開始する...というお
話。観終わってまず思うのは、なんか雰囲気がいつもと
違うという事だ。コロンボらしい捜査や推理のシーンが
ほとんどなく、犯人は最初から挑戦的で怪しい上に自ら
進んで墓穴を掘っているような所がある。早い話が、本
作には"刑事コロンボ"らしさがほとんど欠落しているの
だ。脚本も演出も平凡で、撮影監督がラッセル・L・メ
ティで「構想の死角(1971)」「指輪の爪あと(1971)」
同じなのに、監督が違うだけで映像的にこんなにも違う
モノなのかと思わせてくれる...特にスピルバーグ監督作
との差は歴然で、当時はスタジオで"天才少年"と揶揄さ
れていたスピルバーグの才能を再確認出来る。捜査の過
程もホリスター将軍を追いつめて行くという感じが希薄
で、チリの店でのバート(ティモシー・ケリー)との会話
からひらめくという残念な展開...バートは「死者の身代
金(1971)」
に続く再登場、別の店になっているのが謎だ。
凶器がホリスター将軍の愛銃のコルト45というのも設定
的に無理があるよね...あんな至近距離で45口径の銃で人
を撃ったら、弾は貫通するし部屋には血しぶきが飛び散
ってとんでもない事になりそうである。コロンボが船に
弱いのが解ったりとナカナカ楽しいのだが、結果的にエ
ディ・アルバートとスザンヌ・プレシェットというスタ
ーの演技を楽しむだけの残念な作品になってしまった。

 

●スタッフ
監督:ジャック・スマイト
製作:エヴァレット・チェンバース
製作総指揮:リチャード・レヴィンソン、
ウィリアム・リンク
脚本:ジョン・T・デュガン
ストーリー監修:スティーヴン・ボッコ
撮影:ラッセル・L・メティ
音楽:ギル・メレ

 

●キャスト
ピーター・フォーク、エディ・アルバート、
スザンヌ・プレシェット、ケイト・リード、ジョン・カー、
ヴァル・エヴァリー、ティモシー・ケリー

 

◎注1; エディ・アルバートは、カメラマンを演じた「ロ
ーマの休日(1953)」、姑息で臆病な中隊長を演じた

「攻撃 (1956)」や「史上最大の作戦(1962)」等の名優だが、
本作のような女性の扱いが上手いというプレイボーイ的な
役はあまり観た事がない。演技も存在感も悪くないのだが、
イマイチな脚本や演出のおかげで何となく物足りない感じ
がしてしまう。スザンヌ・プレシェットは、「恋愛専科(19
62)」「40ポンドのトラブル(1962)」「鳥(1963)」等の大好
きな女優さんで本作のゲスト出演は凄く嬉しかったのだが、
キャラクターがはっきりしない役で少し残念。「黒ひげ大
旋風(1967)」「火曜日ならベルギーよ(1969)」「地平線か
ら来た男(1971)」等で観せてくれた素敵なコメディ女優と
しての場面がもう少し多ければ楽しい作品になったのにね
ぇ。ウォルターズ夫人を演じたケイト・リードは、「雨の
ニューオリンズ(1965)」「アンドロメダ...(1971)」等での
名演が印象的だった。本作でもコロンボのやり取りが面白
いのだが、もう少しストーリーに絡んで欲しかった...コロ
ンボを困らせる役割としては最適だったのになぁ。監督の
ジャック・スマイトは、「動く標的(1966)」「カレードマ
ン大胆不敵(1966)」「脱走大作戦(1968)」等で職人ワザを
観せてナカナカ快調だったのだが、本作あたりから迷走気
味で「エアポート'75(1974)」「ミッドウェイ(1976)」「世
界が燃えつきる日(1977)」とドンドン大雑把な演出家にな
って行った。

 

 

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