バイプレイヤーズ、残すところも2名となってきました。
本日は、還暦手前だったということをにわかに受け入れがたい田口トモロヲです。
あんな少年のような瞳を輝かせながら、赤ちゃんちゃんこを目前にしているのか･･･。
つくづくおっさんは神秘ですね。
さて、バイプレイヤーズは本人役でキャスティングをされているにも関わらず
かなりのキャラ改変が行われている話はこれまでもしてきましたが
田口トモロヲについてはそのキャラ改変の被害をモロに受けており
第1話からフルチンで登場するという最強の第一印象を残していきました。
多分この「キャラ改変」についてもある程度本人の延長線上からは離れておらず
その延長線が本人の本質が目指す方向とズレていたとしても
彼らの中にそう思わせる種は何かしら秘められているのです。
田口トモロヲはこのドラマ内で完全なる変人として扱われており
石鹸食べそうになったり、プラスチック溶かしたみたいな液体飲んでたり、
何の脈絡も無く土を燃えるゴミに捨てたり、かなりヤバいんですが
59にもなってそういうことしそうと思われている田口トモロヲもよっぽどですね。
劇中ではまっすぐすぎる寺島進が多面鏡みたいな田口トモロヲを苦手がっていますが
そりゃアニキじゃなくても怖いですわこんなん。
でも、やっぱりバイプレイヤーズを見るからには、
制作側から提示された人物像を逆算してキャスト本来の良さを知りたいですよね。
そう考えると、田口トモロヲはかなり色々なキャラがトッピングされていますが
とどのつまり根底にあるのは「世間から浮いているのが漏れ出てしまうおっさん」です。
田口トモロヲ自身は彼の普通基準で生きています。
それでもこの長い芸能キャリアの中で、世の中における普通基準というのも感度高く察し
「普通ぶること」は出来るようになったが、魂までは変わっていない、変われない、
そういう「これが多分普通の筈だ」をやっている田口トモロヲが見えるのです。
ドラマにおいてはそのタガが2つ3つ外れているような演出をしていますが
本来の田口トモロヲは、きっとあんなわかりやすく変なんじゃ無くて、
もっと根底の、生き方の大前提やものの見え方まで全部違うんだろうなと
我々はふっと田口トモロヲを遠く感じてしまうのです。
寺島進のツンデレと同じく、田口トモロヲの「変」はキャラ化させやすそうですが
我々が気軽に口にする「変」と田口トモロヲの「変」の間には時空を超えた溝があります。
我々が田口トモロヲが見るとき、田口トモロヲは我々を意識すらしていない。
そんな神秘の陰を讃えたおっさんがいることを是非バイプレイヤーズで知ってください。
次回は！おなじみ大好き光石研！
光石研が最後に書けるなんて超嬉しいです！お楽しみに！