「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
数字を見るマネージャーと、数字の理由を見るマネージャーは、同じ管理職でも役割も成果も全く別物です。原価が上がった、人件費が跳ねた、曜日別の売上が乱れた。このような「結果の数字」だけを眺めて一喜一憂するマネージャーは多くいます。しかし、それだけでは店舗もエリアも本当の意味で成長しません。本当に価値のあるマネージャーは、数字の奥にある「行動」「習慣」「構造」まで読み取りにいく人です。
例えば原価が上がったとき、その理由は一つではありません。ポーションがズレているのか、歩留まりが悪いのか、メニューミックスが崩れているのか、発注が乱れているのか。数字の裏側には、必ず現場の行動があります。人件費が上がったときも同じです。採用難なのか、欠勤が多いのか、ピークに集中できていない配置なのか。曜日別売上の乱れも、天候だけで片付けてしまえば成長は止まります。販促の強弱、スタッフの力量差、ランチとディナーの設計、すべてが数字に反映されています。
数字は「結果」であって「原因」ではありません。原因は常に現場にあり、人の動きの中にあります。この視点を持てるマネージャーだけが、複数店舗の数字を安定させ、さらに伸ばすことができます。逆に、数字の上下だけを追いかけるマネージャーは、対症療法しか打てず、同じ問題を何度も繰り返します。
エリアマネージャーに求められているのは、売上や原価を当てにいく力ではなく、「なぜその数字になったのか」を言語化し、再現性ある改善に落とし込む力です。数字は責めるための材料ではなく、現場を正しく導くためのヒントです。数字の増減に一喜一憂する段階を越え、数字の理由を読めるマネージャーこそが、エリア全体を本当に強くしていく存在なのです。
