「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

月間アルバイト稼働時間が1,000時間の店舗で、全員の時給を一律20円アップした場合、人件費は単純計算で「1,000時間 × 20円 = 2万円」増加します。一見するとわずかな金額に見えますが、経営の視点で見るとこの2万円をどのように吸収するかが重要な判断ポイントになります。

たとえば、人件費率の予算を25%に維持したい場合、この2万円をカバーするためには「2万円 ÷ 0.25 = 8万円」の売上アップが必要となります。つまり、時給を20円上げる=月間売上8万円の増加が求められるということです。これを日商換算すると、1日あたり約2,700円。数字としては小さく見えても、客数・単価・回転率すべての改善が求められる現場では決して軽視できません。

この構造を理解せずに単に「人件費が増えた」「売上が足りない」と考えると、正しい打ち手を見誤ります。重要なのは、時給アップをコストではなく投資として捉えることです。20円上げた分、スタッフのモチベーションが高まり、離職率が下がり、教育コストが削減されれば、結果的に利益貢献につながります。また、接客品質やスピードが向上すれば、顧客満足度の上昇とリピート率の向上にもつながる可能性があります。

経営判断とは、数字の裏にある構造を読み解くことです。単なる「時給20円アップ」でも、そこには月8万円という明確な売上目標が存在します。その目標をどのように達成するか──たとえば、1日10組増やすのか、客単価を100円上げるのか、もしくは稼働効率を上げるのか。現場と数字をつなぐこの意識こそが、安定経営を支える店長マネジメントの核心です。