「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
原価が想定より上がっている場合、まず確認すべきは「構成比の変化」です。感覚的に判断するのではなく、ランチとディナーの売上構成比、アルコールドリンクの比率、コースメニューの比率などを数値で精査し、想定とのズレを明確にします。
一般的にランチはディナーよりも原価が高く設定されています。たとえば、ディナーでは原価率30%前後でも、ランチはセット構成の影響で35%を超えることもあります。そのため、ランチ構成比が上昇すれば、全体原価率も自然と押し上げられます。
次に注目すべきはアルコール比率です。ドリンクはフードに比べて粗利率が高く、全体原価を下げる役割を果たします。アルコール比率が低下すれば、粗利の高いメニューミックスが崩れ、結果として原価率が上昇します。特に、宴会やコース利用が減少した月などは、この影響が顕著に表れます。
さらにコースメニューの比率も重要な指標です。コース比率が下がると、仕入れの効率性や食材の使い回しが難しくなり、結果的に実際原価が上振れします。コースは原価コントロールがしやすい仕組みである一方、アラカルト中心になると単品食材のロスや仕込みの分散が発生しやすくなります。
このように、原価上昇の原因は単純な仕入れ価格の上昇だけではなく、販売構成比の変化によるメニューミックスの崩れにある場合が多いのです。月次ごとに構成比を分析し、メニュー戦略を見直すことが、原価安定への第一歩となります。
数字の裏にある構造を読み解き、原価率の変動を「結果」ではなく「要因」として捉えることが、店長やマネージャーに求められる真の原価管理力です。
