「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

問題とは、「あるべき姿」と「現状」のギャップです。この前提を理解していなければ、問題を正しく認識することも、適切な解決策を導くこともできません。飲食店でも同じで、QSCや原価、人件費といった数値管理にはすべて基準があり、その基準とのズレこそが“問題”として浮き彫りになります。

たとえば原価が35%に上振れした場合、問題は「理論原価との大幅な乖離」です。商品に不具合があったなら、レシピやマニュアル手順と照らし合わせることで原因が特定できます。つまり、問題を“問題として認識”するためには、必ず比較対象となるルール・基準・マニュアルが必要になります。

ルールやマニュアルは、過去の失敗や経験からつくられた「再発防止の結果」です。だからこそ守らなければ、同じ失敗を必ず繰り返します。店舗を正常に運転するには、車が多くの部品を組み合わせて動くように、数多くのルールが連動する必要があります。ルールがきちんと守られるほど、店舗は安定し、スピードを持って成果を出せるようになります。

逆に、ルールが存在しない店舗では、各自が“自分の経験に基づくルール”を持ち出し、感情や主観がぶつかり合うだけで問題解決には至りません。どれが正しいのか判断できず、議論が噛み合わなくなるのです。

ルールがあることで、何が問題なのかを冷静かつ理性的に判断できます。そしてルールの重要性を理解すれば、「ルールがないこと」「決め事がないこと」そのものが最大の問題であると気づけるようになります。

基準があるからズレが見える。ズレが見えるから改善が生まれる。ルールづくりは、組織の成長と安定の土台です。