「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
マネジメントとは、KPIを設定し、短い結果点で成果を測定しながらPDCAサイクルを回すことです。これは飲食業に限らず、どんな業界でも通用するマネジメントの基本原則ですが、実際にはこの「当たり前」を実行できていない管理職も少なくありません。そんな中、先日訪問した企業で新任マネージャーにこの問いを投げかけた際、迷うことなく即答してくれたことに強い感動を覚えました。マネジメントとは何か、その本質をしっかりと理解していたからです。
では、なぜ彼は即答できたのか。それは、彼が持つ「正しいスタンス」にあります。マネジメントスキルは、学習の機会と反復訓練を通じて必ず身につきます。しかし、学びへの意欲や姿勢がなければ、そのスキルは形骸化し、成果には結びつきません。彼は常に学ぼうとする姿勢を持ち、求められる役割に対して主体的に向き合っている。そのスタンスこそが、彼の成長スピードを飛躍的に高めているのです。
この企業には、スキル以上にスタンスを重視する文化があります。どれだけ業務能力が高くても、マネージャーとしての姿勢、人間性、社会人としての基本が整っていなければ昇進させないという明確なポリシーを持っています。この考え方は、非常に理にかなっています。スタンスを重視する企業は、お客様・従業員・取引先など、すべての関わる人に対して誠実であり続けます。その誠実さが信頼となり、結果として企業の成長につながっていくのです。
スキルは時間をかければ誰でも磨けます。しかし、正しいスタンスは企業文化の根幹を支え、組織の方向性を決定づけます。だからこそ、スタンスが整っている人は、どれだけ経験が浅くても驚くほど早く活躍するようになります。一方で、どれだけスキルが高くても、スタンスが欠けていれば組織を乱す存在になってしまうことさえあります。
私自身、飲食店向けのマーケティングやマネジメント支援を行う中で、この「スタンスの重要性」を伝えるシーンが年々増えています。スキルや知識を教える前に、まずは“学ぶ姿勢・素直さ・責任を引き受ける覚悟”といったマネジメントの土台を整えることが、企業成長のスピードを左右するからです。
これからマネージャーを育てていく企業や、成長し続けたい管理職の方々には、改めてこの原点を大切にしていただきたいと思います。スキルよりも大切なもの——それは、未来の成果を支える「正しいスタンス」です。
