「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
売上は「客数×客単価×来店頻度」で構成されます。この公式は誰もが知っている基本ですが、実際のマネジメントで成果を出すためには、ここからさらに分解し、日々の行動レベルまで落とし込むことが欠かせません。公式を知っているだけでは売上は上がらず、この数字をどう動かすかまで設計して初めてKPIとして機能します。
まず客数は、新規70%・リピート30%を理想比率と設定します。新規客の獲得は、SNS発信、Googleビジネスプロフィール、口コミ強化など、店舗と外部をつなぐ接点をどれだけ増やせるかが勝負です。写真の質、投稿の頻度、評価の管理、これらはすべて客数を増やすための直接的なKPIになります。偶然の来店に頼るのではなく、意図的に来店動線をつくる発想が必要です。
次に客単価は「カテゴリー平均単価×購買点数」で構成されます。ここでは、セットメニューの導入、トッピングの強化、高粗利商品の訴求といったクロスセルが重要な施策になります。何を基準商品として、何を一緒におすすめするのかを決めることで、現場の動きは大きく変わります。客単価は値上げで上げるものではなく、選ばれ方で上げるものです。
来店頻度は「月間延べ来店回数÷ユニーク客数」で数値化できます。スタンプカード、LINE登録、季節限定メニュー、再来オファーなどは、すべて来店頻度を高めるための施策です。新規がいくら取れていても、再来がなければ売上は安定しません。頻度はファン化の指標であり、店の魅力がどれだけ蓄積されているかを示す数字でもあります。
このように、売上公式をさらに細かく分解し、それぞれに対応するKPIと日々の行動を結びつけることで、売上は感覚ではなく、再現性を持って積み上がっていきます。売上とは、偶然の結果ではなく、設計された行動の集合体です。数字を動かすとは、行動を変えること。その意識を持った店舗だけが、安定した成長を続けていくのです。
