行平鍋の職人さんの話 | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

NHK「突撃! カネオクン」で、日本の中小企業の凄技を紹介してました。その中に行平鍋を手作りで作る職人さんが登場しました。ハンマーでコンコンと鍋を叩いて小さなくぼみを鍋の表面に打ち込んでいく技は、今では日本で数人しかできないという。この職人さん(社長)もその一人ですが、高齢のため後継者を育てたくても後継者が見つからないため、2年ほど前に廃業しようと考えたそうです。しかし、そのことをニュースで知った若い女性が2人現れて、後継者を志望してくれたため、なんとか今も続けていると言うことです。

 

この行平鍋は機械でも作れるのですが、鍋底の角の丸い部分には機械では打てない。それができるのは職人さんの手なのだそうです。この鍋底の角の丸い部分は、鍋底に当たっている火の熱を効率よく鍋全体に伝えるのには絶対に打った窪みが必要な部分なのです。くぼみをつけることで鍋の表面積が広がり熱がよく伝わるのだそうです。だから機械で打った行平鍋は700円ぐらいなのに対して、この職人さんが作った鍋は1万円以上します。しかしこの鍋を使っている料理人に言わせると、煮物を作るには絶対これが無いとだめだといいます。

 

若い女性が後継者に名乗りを上げてきたのは嬉しいことです。こういう人は大事に育ててほしい。「ものづくり日本」の一番大事なことは人を育てることです。そういうことが脈々と受け継がれてこそ「ものづくり日本」が維持できる。私はこの番組を見ていて、なぜか元気をもらったような気持ちになりました。