今朝の日経のトップ記事「若者から逃げるな」は衝撃的です。ここで言う若者とは20代が中心です。「パナソニックを若者の半数が知らない――。2022年春、社長らが出席して開かれたパナソニックホールディングスの執行役員会。ブランド調査の資料を見た幹部は目を疑った。パナソニックの20代の認知度53%。」
つまり今の若者の半分以上が「パナソニック」というブランドを知らないという事実が判明したからだ。松下電器→ナショナル→パナソニックという時代の流れの中で引き継がれてきたブランド名。令和に入ってついに認知度が落ち危機に直面したというわけだ。若者が知らなければこの世代が今後パナソニックの製品を買うことは無い。若者がよく使うスマホやタブレット、オーディオ機器などにパナソニックブランドは無い。パソコンは法人向けのレッツノートはあるが価格が20万円以上もする。白物家電も少ない。今度はテレビからも撤退する予定だ。これでは認知度が下がるのは無理もない。しかしこの原因を作ったのはパナソニックの経営方針だ。若者向け市場は変化と競争が激しいと言う理由で日本の家電メーカーはそのリスクを嫌い、切り捨てて撤退していたからだ。つまりリスクを取らない方針に切り替えたことがこの事態を招いた。
2月13日のブログに書いた「リスクを取らないことがリスクだ」という栗山英樹氏の言葉が脳裏をかすめた。正にその通りなのだ。日本の大手企業は損をしたくないからリスクを取らない。若者市場はリスクが大きいから扱わない。その結果。若者たちの心を掴んだのはアメリカのアップルや韓国や中国、台湾のメーカーに変わった。ソニーのウォークマンとかパナソニック製品はその宣伝すら見なくなった。これじゃしょうがない。
私がこのブログで以前から主張しているのは「今の日本で一番働いていないのは政治家よりも大企業の経営者たちだ」ということ。金融取引からの収益に頼りすぎていて本来の製品開発、販売促進に力を入れていない。その証拠に新商品がほとんど出てこない。撤退すると言う話ばかりだ。新しいことをやらないからリスクを取らないので経営は安全だと言いたいのかもしれないが、それは世界から取り残されてしまうことになる。5G通信も半導体もAiも全部日本は負けている。マスコミはこのことをもっと叩け!
