昨日から円安が進んで1ドル160円台に突入しました。と言っても、既に159円台でしたから急騰したわけではなく、じわじわと円安が進んでいる感じです。こうなるとマスコミはすぐに財務省が為替介入するのではないか? という報道をします。聞かれた財務省の神田財務官は「急速な円安の進行に深刻な懸念を持っている」というコメントを出す。
為替介入するには日本政府が所有しているドル建て資産を大量に市場で売却して代わりに円を買わなくてはならない。その額は数兆円規模になる。外貨準備高というのは為替を安定させるために一定量以上は保持している必要があるので、そうたびたび為替介入をするわけにもいかない。
このままずるずると1ドル200円まで円安が進行するという説が現実味を帯びてきた。日本の経済力が一向に回復していない以上は、根本的にこの流れは止まらない。この場合の「経済力」というのは、企業の収益ではなく、企業の将来性を言う。技術力、開発力、市場シェアなど世界的な存在感を示せなくては話にならない。
それはアップルやグーグル、Amazon、Microsoftなどを見ればわかる。かつて日本にもNECのパソコンやdocomoのiモードなど、世界的なシェアを展開できるチャンスはあった。失敗してもめげずにトライしないと手が届かなくなる。