「出世教」の挫折 | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

私は66歳です。昨年一度定年退職しましたが、しばらくして再就職しました。さすがに65歳を超えた年寄りを正社員で採用する会社はないので契約社員です。ボーナス無し、昇給なし、半年で契約更新なので嘱託みたいなもんです。それでも仕事の内容は課長クラスの目標で、ノルマもあります。まあ、それは良いのですが、困ったことに働いていると、ついつい出世願望が湧いて来てしまいます。すると自然に頑張らなくちゃ!という意識が出てついつい仕事でムリをしがちになります。そんな時、夜一人になるともう一人の自分がこう囁くのです「いくら頑張ったって昇級しないのだから無駄だよ」そうか、そうだよね。


サラリーマンの原動力は出世欲にあります。出世したいから頑張る。これは戦国時代の武将達とも共通の意識です。そうか❗️だから日本人は優秀なサラリーマンが多いのか。子供の頃からそういう親の背中を見て育って来ているので自ずと自分もそうあるべきだと思う。


ところが最近、若い人達の中に出世を断る人が多いという。理由として挙げられるのは、これ以上仕事に責任を持ちたくない、自分の生活が失われる、どうせ仕事に見合った給与は貰えない、転勤は嫌だ、など。昔だったらこんなこと言う奴は即、ダメ社員の烙印を押されて出世街道から転落する。しかし今は「それがどうした?」と言う。毎日ご飯が食べれて、スマホでゲームが出来ればそれで良い?と考えれば無理して働く必要はない。こういう考えの若者は中国にも増えているという。


私が思うに、実はこれは資本主義社会を根底から崩壊させるきっかけになるのではないか?別に無理して残業しろと言っているわけではない。良い仕事をしようという意欲が必要なのだ。


こんな意識が蔓延るようになった原因は、この失われた30年間に企業は新しい事を何もやらず、賃金も上げず、リストラに明け暮れたからだ。本業よりも金融取引で儲けようとする態度がそもそも企業経営者として恥ずべき事だと思う。


アメリカではMicrosoft、Apple、Google、Amazonなどの新しい業態が次々と誕生し世界的なシェアを誇っている。お金をたくさん持っていれば経済大国というわけではない、世界的に優れた仕事を提供する国が経済大国なのだと私は思います。