シャープの液晶画面工場の閉鎖に思うこと | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

ニュースによると、シャープは液晶ディスプレイの国内工場を閉鎖することを決定した。シャープと言えばかつては「亀山モデル」というブランドで一世を風靡したこともある名門だが、なぜかみじめな終焉を迎えてしまったことに、日本人として非常に悔しい思いを感じる。

 

半導体といい、液晶ディスプレイといい、今の世の中ではなくてはならない部品なのになぜか日本では良いモノが作れなくなってしまった。これでは「ものづくり日本」の名が廃る。

 

韓国や中国、台湾などの競合他社に価格面で張り合うことを断念して撤退したのが、そもそもの発端だった。折からバブルが崩壊し企業の業績が厳しかった折に、不採算部門を切り捨てるという「選択と集中」というカッコいい言葉に乗せられて、日本のメーカーはホイホイと撤退してしまった

 

撤退したらその分を新しいもので埋め合わせなくてはいけないのに、日本のメーカーはその穴を埋めることなく、コスト削減にばかり気を取られて、経営の縮小均衡に向かってリストラを開始してしまった。

 

これは企業の「死に至る病」なのだ。経営者は自分らが在籍している間は会社を潰したくないので問題を先送りしたのだ。結局その分のマイナス要素が鬱積し、企業は儲ける体質を失っていった。代わりに内部留保を厚くし、金融取引で利益を稼ぐという正に「外道」に落ちていった。

 

私は数日前のブログで「民間による経済再生をすべきだ」と言いましたが、このシャープのニュースを見て背筋が凍る思いがしました。日本はもうダメかもしれない。経済は復活できないかもしれない。そういう不安がよぎりました。

それほどにこのニュースはショックが大きかった。