岐阜県岐南町の町長が、数多くのセクハラ行為を行っているとして訴えられ、結局、本人も一部認めた上で辞職したとニュースが伝えています。このニュースを見ていて一つ気になるのが、「昔だったらなんでもなかったのに・・・」という言葉です。町長が
発言しているだけではなく、コメンテーターの中にもそういう発言をする人がいる。これは驚きです。何年前であってもダメなのです。ただ最近になってそれが明確な犯罪行為と定義されて処分されることが明文化されたのであって、昔は許されたというのは誤解です。
これはパワハラでも同じです。昔だってそういう行為によって被害者は深く傷つけられたわけで、問題は加害者が処罰されなかったことにあるのです。私自身はパワハラで随分苦しみました。例えば、私はお酒が飲めないのですが、そのことをみんなの前であげつらって、「酒が飲めない奴はかたわだ」とか「酒が飲めない奴は出世できない」とか、いろいろ言われました。私は銀行員でしたが、取引先との接待の場で相手の会社の社長から「支店長、酒が飲めない人なんか担当にしちゃだめだよ」と面と向かって言われたことがあります。だからずいぶん悩みましたよ、会社辞めようかと思いました。だから私は酒の席が大嫌いになり、避けるようになりました。
こういう心の傷の痛みというのは本人じゃなければわからない、という理屈はありません。誰だってちょっと考えれば「言っちゃいけない」と思うはずです。
この辞職した町長には、もう何も言わずに、一人で自分自身をよく見つめなおしていただきたい。