日経平均株価のこと | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

昨日の東京証券取引所での日経平均株価が最高値を更新したということは既にニュースで報じられています。私も昨日のブログで取り上げました。しかしマスコミの報道の仕方がどこか疑心暗鬼な雰囲気であることに気づきました。その根底にあるのが「国民の生活に実感がない」という指摘。企業の業績が良いから株価が上がるのは当たり前なのですが、それでいてなぜ私たちの生活はバラ色にならないのか??素朴な疑問ですが、とても根の深い問題を抱えています。

そもそも日経平均株価というのは日本経済新聞社が算出・公表している日本の株式市場の代表的な株価指数の一つで、東証プライム市場に上場している銘柄の中から、同社が選んだ225の銘柄で構成されるで株価指数(インデックス)。別名「日経225インデックス」と呼ばれます。時価ベースの上位5社(ファーストリテイリング(ユニクロ)や東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、ダイキン工業)だけで全体の約30%を占めています。この銘柄の選択は同社が時々見直しているのですが、正直言って現在の構成では上位数社の影響が大きすぎます

今日本の企業で業績が好調なのは、半導体などのグローバル企業で、そのほとんどは海外で生産して海外に販売しています。つまり日本は関与していません。空洞化しているようなもの。

そこに更に円安の効果が加わり、円ベースでの業績は膨らんでいます。だから見かけの業績が更によく見えていることも株価が上がる要因になっています。

しかしこれが日本人の賃金に反映していない。5%や6%程度の賃上げ満額回答をもらって喜んでいるようでは経済音痴を自称しているようなもの。私の憶測ですが、こうした業績が好調な企業は賃金を2倍にできるほどの利益を内部留保として貯めこんでいます。ただ、賃金をそんなにたくさん引き上げると株主から「そんな金があるのなら配当を増やせ」と言って怒ります。その結果株が売られて株価が下がったり、経営陣の退陣を迫られたりするから、経営者は恐ろしくてできないのです。

このあたりのからくりが上場企業の経営者をコントロールしているのは事実です。

昔、アメリカの有名企業の役員と話していた時に彼はこういいました。「だからうちの会社はあえて上場しないんだよ。非上場の方が経営がやり易いからね」と。なるほど、そういう考え方もあるのかと思いました。

ちなみに35年前のバブルの頃は株価が上がり、庶民の懐も豊かで、景気が良いという実感がありました。私は3月にもボーナスを貰ったことがありました。今とは全然違います。