どえらい事件が起きました。ダイハツが完成車の安全基準検査で不正を働いていたことは既に一部の車種で発覚していたのですが、第三者委員会が本日公表した調査の結果報告書によると、実は全車種で不正が行われていたことが判明したのです。したがってダイハツは直ちに全車種の製造、出荷を停止。もちろん販売も停止。親会社のトヨタも腰を抜かすほどの悪行の実態が明るみになった。
しかもこの不正は、トヨタの完全子会社になる以前の1980年代から行われていたようです。つまりこれまでダイハツの車は全てが安全基準をクリアしていないことになる。今乗っている人にとっては、もはやどうしようもない事態だ。欠陥によるリコールの場合は、メーカーが無償で修理するという対応が可能だが、今回のダイハツの場合は、車そのものが検査不適合なので修理では対応できない。買い替えるしかないのだが、ダイハツの車は売っても買い手が付かないでしょう。て言うか、売れませんよ。どうするんだ?! 親会社のトヨタの監督責任はあります。トヨタは傘下の日野自動車でも同様の不祥事を起こしています。
この事件は日本の自動車業界にとって致命的な影響を被ります。「日本車は安全で、性能がいい」という評価が崩れ去る危険性が大きいからだ。しかも世界に名だたるトヨタの傘下の企業ということで、トヨタのイメージダウンも避けられない。
私はこれも無理なコストカットの社風が生んだ悲劇だと思う。つまりコストカットのためにやってはいけない「手抜き」を公然と経営も承知の上でやってきたのです。こういう会社は再建は無理でしょう。たとえ再建をしても「ダイハツの車だからやめておけ」と言われるのが落ち。
日本の企業の経営者たちは「コストカット」という、あの泥棒経営者のカルロス・ゴーンの教えをいまだ信奉しているのが信じられない。コストがかかっても、いいものを作れば売れるのだ。当たり前のことなのになぜやらないのだ。
