岸田さんは、自分たちの給与引き上げ法案が通ったこともあり、民間企業に対して声を嗄らして「賃上げをしてくれ! 」と叫んでいる。しかし大企業は知らぬ顔。総理大臣も舐められたものだ。ただその裏にはこんな事情があるのかもしれない。安倍さんの時に始まったアベノミクスとそれを応援するために日銀の黒田総裁が実施した異次元の金融緩和。それにより可能になったゼロ金利の国債をどんどん発行し銀行や企業に引き受けさせた。さらにそれらの国債を銀行や企業が公社債市場に売りに出せば日銀が高値で買ってくれたから、銀行も大企業も何もしなくても儲かっていた。そして政府は濡れ手に粟の大金を湯水のように使った。そんな政府を代表して総理大臣が企業に対して「賃上げをしてくれ」と頼んだところで、今さら企業は聞く耳など無い。「我々があれだけ政府に協力して大金を政府に貢いだのに、あの金は結局何に使ったのか?」あの金を使って景気対策を打ち出してくれるはずだったのではないか? 実際は選挙に勝つために国民にお金をバラまいて人気を得ようとした。ただそれだけの為に大金を浪費した。と思ってしまう。
その一方で財政改革など少しも進んでいない。今、国会議員は衆参合わせて754人もいる。国会議員の年間給与は約2200万円だから、国会議員の給与だけで年間166億円もの税金を費やしている。そこに先日の給与引き上げ法案の可決成立で更に膨らむ。少なくとも国会議員と官僚たちの給与は、経済対策を実施して国民の賃金が上がったら、それから自分たちの賃金を上げるのが筋だ。