今週の「ちむどんどん」は明らかに変化しました。
もともとこういう展開の脚本だったのか?それとも、NHKからの指示が出たのか分かりませんが、一転してシリアスな話に変わりました。これはもう「朝ドラ」というよりは、「NHKスペシャル」です。だから暢子も兄い兄いも和彦君も、みんな霞んでしまいました。なぜここでお母さんの再婚話が昔の苦労話に変わるのか?遺骨収集の話はどこから出てきたのか?そして最後は突然沖縄のビーチで暢子と和彦君が会い、結婚を約束し合う?! なんだか話がごっちゃになってしまい、視聴者の側はついていけません。そもそも展開が不自然です。
暢子が和彦くんと再会したのは、東京に出て来てレストランのオーナーから東洋新聞社への出向を命じられ、行ってみたらそこに和彦君が働いていたという偶然からでした。レストランのシェフ見習いの暢子をなぜ新聞社に出向させるのか?そこが理解できないけれど、それはそれとして。
和彦君とはそこからはじまったのであり、子供のころに沖縄で一緒に過ごしていたころは和彦君が好きだったというわけではなかったはず。しかし和彦君には愛子さんという恋人がいて、婚約間近とい
う状況でした。和彦君が暢子に魅かれる姿は有りましたが、暢子が和彦君に魅かれる姿はほとんど描かれていなかった。しかし結果として「略奪愛」を遂げたことになった。安いだけの、パサパサのパンを食べているような、貧しいものを感じます。
主人公をあたかも「沖縄」そのものにすり替えてしまうのはドラマとしては「禁じ手」だと思います。視聴率を維持したいのはわかりますが、朝ドラであることを放棄してしまっては元も子もない。
綺麗な女優さんや、イケメンの若手俳優をどっさり出演させて、中高年女性の支持を取ろうとしているのではないでしょうか?
私たち視聴者が朝ドラに求めているのは、ヒロインの一途な生きざまであり、そこに「今日も頑張ろう!」という朝一の元気をもらえることです。それがあれば視聴率なんて勝手についてきますよ。間違いなく。
