88歳で他界した父親は70歳過ぎまでランニングを欠かさずにしていました。運転免許証は持っていませんでしたので、何処へ行くにもせっせと速足で歩いていました。また私より遥かに勉強好きで、時間があればしょっちゅう読書をするような聡明なひとでした。
それが連れ合い(私の母)を長い闘病生活の末で亡くした頃から“物忘れ”が酷くなりました。私はずっと海外生活でしたので、たまに一時帰国した際に会うぐらいでした。事前に会う日は決めていました。本人も忘れない様に大きな黒い手帳に書き留めていましたが、何回かすっぽかされました。
また会う時には私から父へ帽子やカバンやユニクロのダウンをプレゼントして渡すと嬉しそうでした。が、それらのプレゼントは電車の網棚にあっという間に“忘れ物”になってしまいました。それほど高価なものではないのですが、どうして置き忘れてしまうのかとその時は不思議でした。
さて、話は変わって…
つい先日、久し振りのタイレストランでイエローカレーを食べた後、財布と小銭入れが入ったバッグを席に置き忘れました。精算はいつも携帯電話に記憶させたクレジットカード(台湾発行)で済ませるのでそのまま店を出かかった時にふとバッグの“置き忘れ”に気付いたのでした。
普段はこんな事はないので危ない危ないと思いながら、食後に近所のコメダ珈琲へ立ち寄りました。小一時間ほど時間を潰しました。帰宅してから2時間ぐらい経った頃でした。日本へ一時帰国する際のホテル予約をするためクレジットカード(日本発行)を財布から取り出そうとした瞬間でした。
あっ無い…
コメダ珈琲店内にバッグごと置き忘れたことに気付いたのです。バッグの中にはATMカード、免許証(日本/台湾)、健康保険証、日本円と台湾ドル現金、そして使用しようと思ったクレジットカードを入れた長財布と小銭入れが入っています。
就寝するカッコからTシャツとジャージに急いで着替えてコメダまでの約1kmを猛ダッシュしましたが既に閉店していました。間違いなく店内に置き忘れだとは思いながらも不運にも失くした場合の再発行手続きの面倒さが頭をよぎり、その夜はなかなか寝付けませんでした。
結果的には翌朝開店時刻と同時に入店して無事にバッグと中身を回収できました。同日にカバンを置き忘れる事態を二度も起こすなんてちょっと迂闊でした。単に不注意なら良いのですが、私もミドルエイジになり、故父親の域に一歩近づき初期の健忘症でも始まったのかと少々不安になった次第です。
(健忘症セルフチェック→当てはまる事項有りますか?)