折形のお稽古仲間から教えて頂いた展覧会。
和紙に携わる者として、「紙垂(しで)」や「御幣(ごへい)には、
もともと興味がありましたが…
不思議な「御幣」に圧倒された展示会でした。
ちなみに「御幣」とは、神道の祭祀で使われる道具の一つで、
紙垂(しで)を竹や木の串に挟んだもの。
つくづく日本の信仰は「神と仏とその他のごちゃまぜ」なんだと思い、
大変興味深く拝見してまいりました〜💕
〜いざなぎ流の宇宙〜
何かのカタチをかたどった様々な形の御幣。
「いざなぎ流」とは?
(以下の解説は、展示会のリーフレットからの抜粋となります)
「いざなぎ流」とは、高知県の北東部に位置する山深い
香美市物部(ものべ)町に伝わる、
陰陽道、修験道、仏教、神道などの要素が混在する民間信仰。
狩猟や林業といった生業や山や川と共にある暮らしの中で、
病気平癒や雨乞い、家の神の祭祀など、神霊に相対しながら
様々な祈りが込められてきたそうです。
〜様々な御幣〜
いざなぎ流で用いられる御幣は200種類以上あり、
そして、その御幣は、太夫(たゆう)と呼ばれる宗教者によって切り出されそうです。
以下、ポストカードからのご紹介となります
〜「ヒトガタ」の御幣〜
これらの御幣の特徴の一つに「ヒトガタ」の御幣があります。
目や口、ツノ、手足を持つ御幣は、それ御幣そのものが、方位神や精霊を表すとか…
これらは、カタチとしては可愛らしさや美しさを見せながら、
時には、凶悪な力も振るうとか…
まるで宇宙人や妖怪を連想するカタチの御幣がたくさんありましたよ。
〜水神魔辰〜
頭部はアリのようにも見えて、身体は紙垂…?
〜「山の神の幣」〜
妖怪の一反木綿を連想してしまいました。
〜「川ミサキ」〜
顔が3つ?
〜「水神ミサキ」〜
「ミサキ」とは、山や川や水の神様の眷属のようなものなのかな?
会場に飾られた様々な御幣の存在感に圧倒されました。
松尾恒一先生(国立歴史民族博物館教授)のトークイベントにも参加💡
「物部の民族といざなぎ流」
先生が作成された記録映画「物部の民族といざなぎ流御祈祷」も大変興味深く拝見。
こちらは80分と長編ですが、会場でも流されていますので、お時間があれば是非❣️
〜書籍〜
今回の図録ではありませんが、
ミュージアムショップで購入した本。
これ一冊読めば、いざなぎ流もわかるかな…
ところで、いざなぎ流の「いざなぎ」は、
古事記に出てくるあの「イザナミの命とイザナギの命」の
「イザナギ」ではないんですよ💡
伝承によると、天竺(インド)の「いざなぎ大王」のことだとか…
紙から切り出され、様々な「神」に連なる御幣や
それを伝えてきた人々のカタチに込められた思い。
高知県は、昔から和紙の産地として有名なところ。
やっぱり「紙(カミ)」と「神(カミ)」には、通じるものがあるんですね♪
自然に寄り添い、その中に様々な神様を見つけ、
自然を敬い恐れ、生きてきた物部の人々の思いを感じながら、
日本文化、民俗学や神仏習合や和紙に興味のある方は、ぜひご覧ください。
そして、会場で上映されてる記録映画(80分)も、ぜひ❣️
「いざなぎ流の かみ・かたち」
2024年4月20日〜7月21日
9:30〜17:00(16:30受付終了)
毎週月曜日休館
横浜人形の家
〒231-0023
神奈川県横浜市中区山下町18
TEL 045 -671-9361
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