高校からの親友が書いた小説が「第73回小説現代新人賞」を
受賞した。
生保会社のNY事務所を舞台にした人情話、といえばいいのか。
「業界モノ」、「ご当地モノ」は時として自家中毒に陥る場合があるけれど、
この作品にはそれがなくて、上手にバランスが取れている。つまり、
自慢話で終わっていないということ(これは山田詠美さんも選評に
作者自身が先日(選考当日!)、5年のNY勤務を終えて帰国したばかり。
当地での経験と想像力を駆使して、上質のエンターテイメントに
仕上げた。会話の多さがやや気にはなったが、「シニガミ常務」の
正確な大阪弁(これも長年の大阪支店勤務の賜物)がいい味を出している。
10年ほど前から小説を書き始めて、毎年コンスタントにどこかに
投稿していた。そのうちの何作かは、テキストをメール添付で送って
くれた。年を追うごとに上手くなってゆくのが、私でもわかった。
昨今は大きな賞の最終選考に残るようになり、とうとう今回の受賞。
心から拍手を送るともに、今後の活躍を期待します。
個人的には、生保から離れた題材でフィクションを紡いでいただきたい。
楽しみにしてるよ、狩野。