先日帰宅すると、
彼女が机上で黙々と作業をしていた。
左手に木片。
右手に彫刻刀。
彫刻刀って、小学校以来、見てなかったような。
懐かしい。
「ただいま。 何してるの?」
「木彫り」
「えっ?」
「木彫り」
笑顔で答える彼女。
「なんで?」
「下の子の誕生日プレゼント」
確かに、あと数週間で娘の誕生日だ。
「何で木彫り?」
「誕生日、木彫りが欲しいって言うから」
「なんの?」
「私の」
「何の木彫りが欲しいって??」
「私の木彫り」
「えっ???」
「私の木彫りが欲しいって」
コミュニケーションって、ムズカシイ。
木彫りで『何を』作っているのか、
20年以上、一緒に生活しているのに、これだけ話しても、ボクには分からない。
着替えながら、
再度、チャレンジしてみる。
「何の木彫りが欲しいって?
例えば、クマとか女の子とか」
「私の」
「えっ??」
「私の木彫りが欲しいって」
小1の娘は、母親の形をした木彫りが欲しい、ということか。
「なぜ、木彫り?」
「さぁ~・・」
彼女には、根拠など関係ないにだろう。
色々考えていたら、緑のスーツはつくらない、きっと。
「顔を作ってるの?」
「顔だけやったら、怖いやろ」
確かに。。。
そして、削り始めたばかりの木片を、こちらに向けて、
「よく見て。ここが顔で、ここが・・・」
ゴメン、何もわからない。
でも、言えない。
先に寝た。
翌朝、出来上がり(^_-)-☆
それに色を塗って、一昨日に完成したらしい。
「ツル君の分もあるから」
と、もうひとつの木片を見せてくれた。
ありがと。。。。
心の中でつぶやく。
ステキ。