「訪問型歩行・生活訓練事業」
本市では2012年度に始まった事業。
歩行訓練士が視覚障がい者の家庭等を
訪問し、通勤や買い物など一人で外出
するため、白杖の使い方の訓練を行う。
2015年度からパソコン、料理などの
生活訓練も追加され、現在の
「訪問型歩行・生活訓練事業」に。
【制度創設に奮闘した当事者の話】
阪神・淡路大震災を経験し、
命を守るために歩行訓練は必要と思った。
視覚に障がいのある私たちは、
大規模災害時、自分の足で表に出て、
「助けて」と言い、逃げるために。
一歩踏み出す力が必要なんです。
先日、歩行訓練に立ち会った。
横断歩道を渡る際は、青信号を
車道のエンジン音で判断し、
勇気ある一歩を踏み出す。
その一歩を踏みだせずに、
何度も青信号を見送る場面も。
縁石・フェンス・グレーチング等を
白杖で確認しつつ、
頭に地図を描きながら歩を進める、
という。
以下、質問を報告。
青:質問要旨
黒:回答
緑:意見・その他
*以下は抜粋・要約。
*議事録ではありません。
*************
この事業がもつ意義は。
視覚障がい者の自立した生活の実現。
歩行など日常生活における行動は、
自立生活を送るために欠かせない。
視覚障がいというハンディキャップを
克服して自力でできるよう支援する。
もうひとつは、社会参加の実現。
障がいのため、社会的活動に参加
する権利や意欲を失ってはならない。
本事業を利用された方からは、
「希望と自信を得て、前向きに物事を
捉えるようになり社会参加できた」と
いった感想や言葉を多くいただく。
人生に潤いと幸福感、
更に何かに挑戦したい
という意欲を喚起し、
その先の自立生活につながっていく。
こうした好循環を生み出すために
必要不可欠な事業であると認識。
1回3時間以内、年度内最大10回まで
利用者負担無しになった理由は。
2006年度から2007年度にかけて、
県が実施していた本事業のあり方を、
当事者と意見交換をしながら検討した。
県と同じが妥当という結論。
事業開始時からの2年間は、
1割を負担していただいていたが、
経済的事情で利用を断念されないよう、
2014年度以降は、初めての方を対象に、
最初の10回分を利用者負担無しにした。
近年の事業利用実績は。
2022年度12人、2023年度14人、
2024年度11人、今年度は12人。
障害程度に違いがあることから、
利用回数は1回から10回までおられ、
平均回数は5回程度となっている。
来年度、負担無し回数を減らす理由、
利用者に与えると考えられる影響は。
来年度から10回から9回に減らす。
今後も安定的に継続するには
歩行訓練士の確保が不可欠だ。
歩行訓練士は高い専門性が求められる
一方で待遇面での問題などから近年、
全国的に人数が不足している。
歩行訓練士の処遇改善と確保のため、
委託料を見直すことにした。
1回17,600円を21,000円へ増額予定。
障害福祉サービス全体を勘案した結果、
最大9回へ減らすことはやむを得ない、
と判断した。
訓練カリキュラムが多少窮屈になると
考えられるが、運用ルールにおいて、
決定した回数を最大限利用しても、
目的達成に至らなかった状況に備え、
やむを得ない事情が認められる時は、
必要回数を追加できると定めている。
この仕組みを維持することで、
減少影響は最小限度にとどめていく。
なお追加回数は10回目以降でも
初回利用の範囲内に含まれ、
費用は発生しない。
2回目以降は、委託料の1割を
利用者にご負担いただく。
生活保護及び住民税非課税世帯は
負担無しとする措置を設けている。
視覚障がい者が入院された際、
食事など院内生活に苦労されると思う。
伊丹病院はどんな配慮しているのか。
視覚に限らず、様々な病態の患者に
個々の状態を確認し、看護とケアを実践。
看護師、管理栄養士などが連携し
生活の質を支える体制整備に努めている。
視覚障がいに関して、食器配置の固定化、
メニューや温度を手に取りながら確認など
自立した食事摂取を支援しているほか、
院内掲示物や同意書等の「読み上げ対応」、
代読・代筆による意思決定支援、
トイレや洗面所まで歩数を共に確認する等、
障害物を取除いた「環境の定型化」を推進。
看護ステーションに近い部屋を選択し、
医療者が速やかに対応できるようにし、
入院生活でどんな配慮が必要なのか、
患者・家族と相談しながら、
安全性重視の観点から利便性や確実性の
向上に努めている。
訓練や支援にたどり着くまで、
その特性ゆえ、時間がかかる。
だから「訪問型」が不可欠であり、
大きな「ファーストコンタクト」。
訓練は技術を習得するだけでない。
歩けることで、心も前向きになる。
人と出会い、情報も入る。
自立生活、社会参加を実現するも。
ある当事者は、この事業を
「夢のある制度」という。
今回、回数を減らしたことは大変残念。
影響が最小限になるよう対応して欲しい。
当事者にとって「あたりまえの生活」
を過ごすための事業。
いわば人権の問題。
「単価が上がったから回数を減らす」
という発想、今後はやめて欲しい。
回数を減らすことは、当事者に対し
人間らしく生活する希望や夢を切った
というメッセージとなる。
かけがいのない「1回」だ。
再来年度は、
従来通り10回に戻して欲しい。





















































































