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つれづれログ

色々な事を徒然なるままに書いていこうと思います

シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)/有川 浩
¥641
Amazon.co.jp

「2年間で、劇団の収益から300万を返せ。
できない場合は劇団を潰せ」
―鉄血宰相・春川司が出した厳しい条件に向け、
新メンバーで走り出した『シアター フラッグ』。
社会的には駄目な人間の集まりだが、
協力することで辛うじて乗り切る日々が続いていた。
しかし、借金返済のため団結しかけていたメンバーに
まさかの亀裂が!
それぞれの悩みを発端として数々の問題が勃発。
旧メンバーとの確執も加わり、新たな危機に直面する。
そんな中、主宰・春川巧にも問題が…。
どうなる『シアターフラッグ』!?
書き下ろし。

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「シアター!」は是非続編を読みたいと思っていた作品。
そんな期待に応えてくれる形で続編が発表されて本当に嬉しかった。

前作に引き続き、登場人物が魅力的。
ちょっと影が薄かった印象のメンバーについても、きちんと
スポットライトが当てられていて非常にイイ感じ。
それによってシアターフラッグへの愛着が深まっていくもんなぁ。
作者のそういう配慮って素晴らしい。

お気に入りキャラである司は相変わらずカッコいい。
メンバーに対しての厳しさ、時折見せる優しさはまるで担任の先生。
そして優秀な営業の手腕、さすがです。
メンバーの黒川も言ってたように、男も惚れる男、それが司。

そんな一見完璧男である司だけど、今回は人間臭い側面が
表現されている印象。
過去の失敗の経験や、家族との関係性などなど。
そんな掘り下げ具合がとても良い。

恋愛的要素も増えたように感じる。
本筋に対して、恋愛的な要素が邪魔臭く思えてしまう作品って
少なくないけれども、この作品に関してはそんな事はまるでない。
きっと各メンバーに愛着を感じる事が出来るからだと思う。
描写も大人で爽やかだし。

芝居に取り込む姿勢は人それぞれ。
でも皆が芝居に対して、真剣に取り組んでいる様は良いなぁ。
夢とか目標のため、努力する人の姿って素晴らしい。
高みを目指して成長する人って美しい。
そんな事を感じた。

僕自身、最近忙しくて目の前の仕事をこなすだけで精一杯という
感じだったけれども、仕事に対する情熱のような物を思い出させて
くれた。

あとがきの有川さんの物語の書き方、面白い。
当時人物に勝手に動いてもらってそれを書くという。
物語を作り出すというよりは、イメージの中の世界をそのまま
描写しているような感じなのだろうか。

もう1作、完結編が作られるそうで。
もう1作読めるという喜びと、もう1作しか読めないという寂しさが
混ざった心境ではあるけれども、とにかく楽しみだ。
自然の力はとてつもないものだと改めて思い知った。
分かってはいた事だけど、映像で観ると衝撃的だ。
災害に対して、人間なんて本当にちっぽけで無力だ。

不幸になった人も物凄い数。
犠牲者数や行方不明者数などの数字から受ける衝撃も
大きいけど、一人一人にそれぞれの人生がある事を考えると…。

こちらでは被害が無いから、ほとんど実感が無いけれども
TVが伝える悲劇が、本当に日本の出来事なのかと思える。


そんなどん底の状況の中にあっても、補給物資の列にきちんと
並んだり、コンビニで大人しく買い物をする人達の様子を
観ていると、日本人として本当に誇り高い気分だ。

海外なんかだと世紀末な状況になるそうで…。
普段は日本人はダメだと言われる事が多い気がするけど、
そういう所は全然ダメじゃない!


そんな彼らに対して、僕が出来る事といったら募金くらいだ。
下のDMM.comのサイトが費用対効果の面で良さげだったので、
会員登録(要クレジットカード)して募金しておいた。

http://coupon.dmm.com/deals/dmmbokin/

上のサイトから募金する事で、募金額×2倍の金額が
日本赤十字社に寄付されるとの事。
既に約2,600万円の寄付が集まっている。

DMMが半額負担するというシステムだけど、DMM大丈夫か?
まぁ、有名大企業なので信頼性は大丈夫だと思う。
可能な方は是非。

アメーバピグでも募金出来るみたいだから、下のURLから是非!
http://ameblo.jp/pigg-staff/entry-10827716684.ht


同じ日本に住む人々がたくさん苦しんでいる。
こんな時は一丸となって助け合わなければ!

とは言いつつも、被災地以外の人には普段の生活もある。
悲痛な気持ちになりがちではあるけれども、そうしていても事態は
好転しない。

日常の自分の役割はしっかり果たしながら、募金するとか物資を
送るとか、節電するなどの可能な範囲での協力をしていきたい。
カラフル (文春文庫)/森 絵都
¥530
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生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。
だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。
自殺を図った少年、真の体にホームステイ し、
自分の罪を思い出さなければならないのだ。
真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるように
なるのだが…。
不朽の名作ついに登場。

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本好きの知人に紹介されて読んでみた。
面白かった!

アニメ映画も公開された本作品。
映画の監督である原恵一氏はクレヨンしんちゃんの映画「オトナ帝国」、
「戦国大合戦」というどちらも泣かされてしまった作品の監督さんでも
あるので映画版も是非観てみたい。

アニメの声優に有名俳優やタレントを起用するのはあまり好きでは
無いけど…。


上のあらすじを補足すると、「ぼく」がホームステイ(=憑依?)する事に
なった真は冴えない中学3年生。
美術のセンスを持っている反面、対人スキルに乏しく、クラスからは
浮いてるし友達もいない、いわゆる非リア充。

そんな明るいとは言えない学生生活の中、好きな娘が中年男性と
援交している現場と母親の不倫現場を目撃してしまったのが
自殺のきっかけ。

そこに試練として宿る事となった主人公の魂。
そうして「ぼく」の真としての生活が始まる…といったお話。


以下、いつもの事だけどネタバレ注意報!!


結果的に「ぼく」=「真」だった。
その事は、可能性として考えていた人も少なくないはず。

それが物語の核心として扱われているけれども、その事実自体は
大して重要な要素とも思えない所も本作品の魅力でも
あるように思う。

「ぼく」は真である記憶を失った事で、以前よりクラスに馴染めたし
友達も出来た。
両親や兄との絆も深める事が出来た。

なぜか?
端的には人ごとだったから。

人ごとだと思うことで肩の力が抜けたのもあるし、客観的に状況を
観ることが出来た。
「自分」という概念に必要以上に固執しない事も、人間関係の好転に
繋がった。

反面人ごとである事から、進学について安易な選択をしようとしたし、
高価なスニーカーを貯金を崩して買ったりした訳だけれども。

自分を客観視する。
自分を冷静に見つめ直す。

この事の重要性は良く言われている事だ。
まぁ、そう簡単に出来ることでは無いけれども…。

でもそれが出来たとき、物事が上手くいくという事は十分に
考えられる事だ。
真みたいに。

もちろん自分という物をしっかり持つ事も大切だ。
自分らしさや自分の世界。
真が自分の世界を持っていて、美しい絵が描けたように、
素敵な事でもある。

要はバランスなんだろう。
それが難しいんだけど(汗)

自分らしさに固執する事で孤立するのは不幸だし、
自分を殺して生きるのもまた不幸だ。

時には自分を客観視、時には自分らしさを追求して生きていきたい。