●船長映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

船長映画 ベスト10

 

船長、艦長の映画特集。

 

1 戦艦バウンティ号の叛乱

後にリメイクされたことだけあって、なかなか面白い作品。前半のあまりにひどい船長の虐待振りで、観る者の反感を煽るだけ煽った上で、後半の反乱へと引っ張っていく構成も上手ですか、クラーク・ゲーブルのリーダーシップぶりも、ひきつける魅力があります。もう少しブライ船長が苦しめば、もっと溜飲が下がるというところまでいったのでしょうが、それでも面白かったです。

戦艦バウンティ号の叛乱 

 

2 キャプテン・フィリップス

映画としてよく出来ていたと思います。狭く限定された空間での出来事を中心に描き、決して動きの激しい映画ではないのですが、最初から最後までだれることなく惹きつける演出は見事だったと思います。窮地に追い込まれながらも、船長として毅然とした態度は失わないトム・ハンクスの演技も見事ですし、海賊側の4人もそれぞれキャラクターに個性があり、緊張感を失うことがなかったです。こうして娯楽的な要素をきちんと抑えた上で、事件の背景にあるソマリアと米国の社会の違いについても、敢えて説明はしないものの、時折こぼす海賊一味の言葉の端々によって言及する形で、作り手側としての問題提起をしているところも巧みです。救出されたあとのハンクスの演技が特に秀逸。撮る側撮られる側含めて高いレベルでまとまっていたのではないでしょうか。

 

 

3 ケイン号の叛乱

中盤までの戦艦を舞台にした艦長と部下たちとの対立劇、終盤の軍法会議を舞台にした法廷劇と、最後まで目が離せない展開で面白かったです。観ている側からすると艦長の行動は常軌を逸しているのですが、第3者にそれを説明するには、やはり地位や経験というものから、どうしても上の方に有利になるものです。どうにか無罪になったのはほっとしましたが、最後に弁護人によって述べられたことが教訓として深く心に残ります。助けに応じず反抗していた部下たちに事件を起こした原因があり、さらには保身のために嘘の証言をして仲間を救おうとしなかった作家でもある男。いろいろ考えさせられる深いドラマでした。

 

 

4 海にかかる霧

閉鎖空間の中で窮地に追い込まれた人間たちが欲望がむき出しになって争い合う様子が強烈な衝撃を与える作品です。金が欲しくて密航を引き受けた船長は、古い船の故障により密航者たちを一人を残して死なせてしまう。当然このことをなかったこととしたい船長は、それを危うくする者は仲間でも殺してしまうのです。しかし若い女が一人いたことから、今度は愛欲と性欲のぶつかり合い。一方女にとっては韓国への上陸こそが目的であり、密航者として捉えられるわけにはいかない。そしてその彼女にすっかり入れ込んでしまった若き船員。もうそれぞれが自分のことしか考えていない中での混乱は、まさに人間の本性を露わになった修羅場。こうしてみると共感できる人間は一人もおらず、しかしそれこそが人間の本分だといわんばかりのこの映画の描写には、ただただ呆然とさせられるばかりでした。

 

 

5 マスター・アンド・コマンダー

正当派の男のドラマが描かれています。ガラパゴス以外はほとんど狭い船の上を舞台にしており、動きという点では弱いのですが、カリスマ性を持ち、冷静な判断で部下をまとめる船長をラッセル・クロウが熱演していました。やや単調ではあるのですが、嫌味のない展。惜しむらくはドラマの描き方がやや浅い感じがして、女性の出てこない男の物語を必ずしもきちんと描き切るところまではいっていないところでしょうか。

 

 

6 眼下の敵

潜水艦相手の息をひそめるような頭脳戦を描いた正統派の戦艦戦争映画です。ベテラン艦長同士のプライドの戦いと言うところもあって、それなりに楽しめました。

 

 

7 白鯨

有名なエイハブ船長をグレゴリー・ペックが演じ、みんなが知っているモウヴィ・ディックのストーリーを忠実に映像化したという印象です。捕鯨に取りつかれた船長と振り回される船員たち。結果を知ると虚しくやるせない海上での格闘が、唯一の生存者である語り手によって物悲しく響きます。

 

 

8 白い嵐

海洋学校の教師と訓練生たちが乗り込んだ船で起こる様々な問題や困難を描いた映画です。船の上での船長と若者達とのふれあい、そして嵐と海難事故、海難裁判を通して、人間の心の繋がりを描いています。やや人物たちの関係が表面的で、エピソードも消化不良気味なのが残念でした。

 

 

9 アタラント号

この映画の監督の伝記映画『ヴィゴ』をみたあとで、この背景にあるものも分かってみたので、ちょっとちがった印象で観られます。大都会に憧れる妻が、夫の船長に戻ってくるというたわいもない話なのですが、不思議な味わいのある恋愛映画になっています。

 

 

10 アフリカの女王

船長とヒロイン、二人の主人公の掛け合いがなんとも小気味良いのですが、道中の苦難はそれほど大掛かりなものはなく、虫や蛭など、小さい困難ばかり。結局後半は、冒険よりも、二人の恋の成り行きがメインとして描かれて行くので、その点では物足りないし、やはり大女優にはあまり酷なことは要求できなかったのか。ローズの衣裳も、困難な割に常にちゃんと着られていて、どこかリアリティが感じられないのです。

アフリカの女王