光石研 出演映画 ベスト10
日本映画を代表するパイプレイヤーの一人ですね。
良い人から悪い人まで、
弱い人から強い人まで、
なんでもできちゃう幅広い演技力が凄い!
出演作の数もまた多いこと。
1 贅沢な骨
特に二人の女性には共感することは難しいですが、それにしても切ないくらいの痛さが伝わってきました。サキコ(つぐみ)が出て行くシーン、ミヤコ(麻生久美子)がサキコに告白するシーンは実に切ない。全体的にはけだるい感じが漂ってはいますが、映画を中心に活躍している三人の俳優の演技合戦は集中力をそらさず、特につぐみがいいです。劇中にも出てきましたが、天使のような穏かな存在で、自分勝手でややきついミヤコを包み込むような演技は、ついつい応援したくなるのです。内容的には、新谷(永瀬正敏です)の職業、ミヤコの家族、死因、骨の行方などなど説明を敢えてしていない部分が多すぎてやや消火されない部分も残るのだが、それ以上に惹かれる部分の多い作品でした。この感覚は「GO」にも通じているものでもある。光石研は医師の役。
2 LIMIT OF LOVE 海猿
主人公の成長過程を描いた前作とは違い、「ポセイドン・アドベンチャー」を髣髴させるような海難パニック映画として、スケール感のある映像とドラマを堪能できます。時間との闘いの中での目の前に迫った危機からどう抜け出していくかという緊張感、それを見守る指揮官や仲間の葛藤、フィアンセの無事を祈る恋人、相棒への信頼… スリルとアクションに人間ドラマがしっかりと絡んで、一時も目が話せない展開。もうだめかと思わせておいて、最後にもう一度希望を持たせる演出もなかなか心憎いです。場内が全く音も立たずシーンと静まり返るような場面もあり、それだけにラストシーンは感動的でもありました。光石研は海上保安官役。
3 おっぱいバレー
綾瀬はるか先生が弱小の男子バレーボール部の顧問になって、勝てばおっぱいを見せてあげるといってやる気をださせたという、実話ベースの青春コメディです。今の世だったら、逆セクハラだといってちょっと問題になりそうな話ですが、まあ、それを本気に受けて一生懸命になる生徒もまた可愛いものですね。笑いあり、涙ありで、楽しくて清々しい映画でした。光石研は教頭役。
4 キネマの天地
公開当時は映画にも興味がなくなんとなく観ていたこの映画ですが、いろんな映画を見た後に松竹の撮影所を舞台にしたこの映画を観ると、映画に対する大きな愛が感じられてくるのです。特に渥美清演じる主人公有森也実(これがまた初々しい!)の父親の気持ちがとっても優しい!戦前当時に娘を女優にするということは、たいへんな思いのはずなのですが、それを健気に一生懸命心配し応援している姿は、可愛らしいとさえ思えてきます。そのほか監督から裏方から映画館主から皆が皆映画が好きで仕方ないという愛に満ち溢れ、さすが当時の松竹が全力を注ぎ込んだだけのことはあります。キャストも凄いですね。当時はまったく気づきませんでした。まだ演技では拙い有森ですが、周りにこれでもかというほどの芸達者を集め、映画の中でも実際でも新人の彼女を支えているのです。光石研はカメラマン助手の役。
5 ひゃくはち
補欠の選手にスポットを当てた映画というのがまず面白かったです。普通、最初は補欠であっても次第に実力を認められてのし上がって行き、最後は大勝利を得るという王道パターンをたどっていくものなのですが、この映画の2人の補欠選手は、自分たちの実力も理解し、補欠なら補欠なりの目標に向かって日々努力を続けていくのです。高校野球における補欠選手の目標、それはすなわち、ギリギリでもなんでもとにかくベンチ入りのメンバーに選ばれること。自分より実力のある下級生の登場に怯え、監督には袖にもかけられず、それでも日々野球に打ち込んでいる姿には、損得勘定や打算だらけの社会の中に身を置いていて普段忘れているようなことを、久しぶりに思い出させてくれたような思いです。たとえ一流選手でなくても、 自分なりの目標を立ててそれに向かって精進することの素晴らしさ、うーん、いいですね、青春って。光石研は主人公2人のうちの一方の父親役。
6 パッチギ!
井筒監督らしさが随所に出ている快作です。無名俳優(当時)が演じることでこの時代の若者たち、そして朝鮮人のエネルギーというものが充分に伝わってきましたし、沢尻エリカほか女優たちの存在感もそれぞれが光っていて、物語に引き込まれてしまいました。喧嘩のシーンの中には目をそむけたくなるようなところもあるのですが、いずれも限度をまだ弁えている時代で、入院沙汰にはなりません。そして最後はハッピーエンドで見終わった後味もよろしい。光石研は先生役。
7 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
です。多少怠けぐせはあっても優しい息子と、息子第一で自分の生活を捧げてきたオカン、その二人の関係が心に染み入ってくるような優しい映画です。観る人の現在・過去の親子関係、特に母親との関係によって受け取り方は違ってくるとは思います。或いは世代によっても違ってくるでしょう。息子に対し思いっきり愛情を注いで頑張ってきたオカンが年を取り次第に弱っていく中、それでも息子が活躍姿に喜び、息子のしてくれたことに嬉しがる姿。スクリーン上の物語と観る者の物語をオーバーラップさせる力があるように感じました。光石研は小料理屋の客。
8 散歩する侵略者
黒沢清らしさとらしくなさの混在したような作品は、SFスリラーの体を取りながらも、観方によってはコメディとしても捉えられる、なんとも捉えところのない映画となりました。ストーリー展開としてはいつになくわかりやすく、人間に寄生して人間というものを学びながら、侵略に備えているという状況。3人の宇宙人と人間とのかかわりを中心に物語は進んでいきますが、途中からなにやら国が動いている様子が顕著になっていきます。そあたりから、本当は宇宙人ではなくてウイルス性の感染症なのかとも思ってくるのですが、そうするとまたつじつまが合わないことが出てきて謎が深まるばかり。女子高生がいとも簡単にマシンガンやピストルで人を殺したり、会社のお偉いさんがオフィスではしゃぎまわったりと、ブラックな笑いに通じるシーンも多く、メリハリのきいた展開もまた黒沢らしくないところだったかもしれません。結末のつけ方もまた人間にとっては皮肉なラストに。光石研は会社社長訳。
9 アウトレイジ 最終章
メンバーは入れ替わっても、やっていることは期待通りの敵味方入り乱れての殺し殺されの大抗争。時々挟む1つのカットにユーモアを取り入れるセンスは北野武ならではですが、誰が味方で誰が敵で、最終的にどう収まるのか、今回も目が離せない展開で楽しかったです。3作目で、俳優もかなりそれまでに死んでしまっているので、その点で迫力的にやや欠けたというものはありますが、それでもこの先の読めない展開が最後まで続き、面白く観られました。そして今度こそは明確に大友が死んでしまうことで、本当にこれが最終章になるという意思も強く感じました。当然ヤクザの一人として光石研は出演。
10 ジャンプ
ミステリー調の前半からラブ・ストーリーがかりながら、最後は人間の生き方まで問うような展開の中、特に運命というものを強く感じさせられる物語でありました。偶然が重なったことで、帰宅しないまま出掛けることになった恋人、その重なり方は来るべき結末のための運命だったのか、最後に達観したようにそのことを悟る主人公に、5年半の間の成長をうかがえます。よくよく考えると、連絡ひとつできなかったのかとも思える部分はあるのですが、謎解きをするように観る者をひきつけていく構成は、行き着くところがやや意外なところであったにしろ、なかなか上手でした。光石研は課長役。
11 悪人
12 あぜ道のダンディ
13 カイジ 人生逆転ゲーム
14 映画 深夜食堂
15 オケ老人!
16 お盆の弟
17 それでもボクはやってない
18 シュガー&スパイス 風味絶佳
19 博多っ子純情
20 蜜蜂と遠雷