向井理 出演映画 ベスト10

 

どこから見ても好青年というイメージで、

良くも悪くも隙がなさそう。

 

1 小野寺の弟 小野寺の姉

(片桐はいり)(向井理)で遊園地で遊んだり、休みの日に出かけたり、変なところで見得を張って墓穴を掘ったりと、見た目は「痛い」二人なのですが、それでもお互いを思いやる気持ちにはぐっとくるところもありました。そんな「いたさ」をユーモアとペーソスをもって描き進める本作は笑いどころもいっぱいで、ついつい微笑ましくなったり、こっばずかしくなったり、あるときは応援したくなったりと、楽しく観ることができました。それでいて終盤にはほろりとさせる展開で、一緒になってがっかり。ほんと、二人に幸せになってほしいと心から思ってしまいました。あとこの作品の山本美月が抜群に可愛かったです。こんな可愛くていい子と近づけたら、すぐにものにしなきゃ。

 小野寺の弟小野寺の姉

 

2 百瀬、こっちを向いて。

10代だから作り出せるあまりに無邪気過ぎる残酷さ…。周りを考える余裕がないことからくるのか、人生経験のなさが平気でそうさせるのか、瞬くんも百瀬も、そして実はあの人も…。回想形式をとることで、その若さゆえの残酷さに対し、少し大人の視点を交えることで、青臭い想い出として消化できているところに少し救われた思いはありました。演者の個性と映画の中のキャラクターがそれぞれマッチして、やるせなくも瑞々しい青春恋愛映画に仕上がっています。必ずしも超売れっ子をキャスティングしたわけでもないですが、それによって一つ一つの要素が浮き立つことなく全体の中で調和して、作品としての一体感を生み出したのではないでしょうか。辛いことも冴えないこともまた青春。ストレートな作品ではないですが、これもまたせつなくもほろ苦い青春映画として、魅力ある作品になっていました。高校生男子の大人になった時を向井理が務めています。

 

 

3 ハナミズキ

基本的にはアイドル映画ですが、なかなか侮れない情感のある作品になっていたと思います。余計なシーンを差し込んだりして変な受け狙いやご機嫌取りをすることもなく、極めて正攻法に作られ、そのあたりは好感が持てます。主演の二人も頑張っていたのではないでしょうか。特に新垣結衣は、高校生から海外で働く20代後半の幅広い年代をそつなくこなしていたと思います。1本の映画を背負って立てるぐらいにまで成長してますし、目立たないけれど演技の方もだいぶよくなっています。また生田斗真もお芝居自体は健闘していたでしょう。ただ、どう見ても都会を知らない田舎の猟師には見えないところが難点。キャスティングのバランスとして、あまりにも正統派の二人をカップルにしたところで、場合によってはかえって感情移入しづらくしてしまうこともあるのでいないでしょうか。しかしまあ、そこは結局はアイドル映画なので、この企画自体の限界なのかもしれません。全体としての出来栄えを見ると、おおよそ合格点以上のものはつれられるものになっていたと私は感じました。新垣結衣の大学の先輩役で向井理は出演。

 

 

4 僕たちは世界を変えることはできない。

向井理主演作。作品自体は深作健太監督らしく粗削りで、あまりきれいにまとまっているものではありませんが、伝えたいことがちゃんと伝わってきたということでは評価できる映画だったと思います。中盤での現地シーンは、どこまでが演技でどこからが素なのか、いわゆるドキュメンタリー調のカットを入れ込んだことで、作品としての独特の個性を出すことができたのではないでしょうか。それによりどこか主軸が前後とぶれたような不安定な感覚にも襲われながらも、このシーンをただ説明的に撮っただけではできない、そのあとの彼らの言動への説得力を与える後ろ盾になったわけで、非常に効果的だったと思います。ただそのあとも、この作品に必要と思えない意味不明なシーンがあったり、進む進まないの肝心な決意の部分が見えてこなかったりと、作品自体は最後までふらふら。しかしそれも主人公たちの心がふらふらしていることの表れととれば、それも「あり」かなと。スマートにまとめ過ぎなかったことで、かえって心に響く作品に仕上がったのではないでしょうか。

 僕たちは世界を変えることはできない

 

5 ガール

色んな生き方をしている女性たち、その誰もがそれぞれに悩みや不安を抱えながらも頑張っているんだなということを改めて認識させられました。夢や希望はある、でも一方で目の前にある現実。何かをとると何かを失う…女性ならではの選択に揺れる女性心理が分かりやすく描かれていて、興味を持って観られました。ただ演出としては、やや大げさで強引なところが気になりました。彼氏の職場に押し掛けたり、上司をまったく無視して商談が進められたり、突然プレゼンをひっくりかえしてもそれが受け入れられてしまったり、ほかにも挙げればきりがないのですが、こんなのないよという演出がちょくちょくみられて、やや漫画的。もう少しリアリティを追求した演出で見せてくれたら、もっと彼女たちを近くに感じることができたかもしれません。主人公のOLの彼氏を演じているのが向井理。

 

 

6 君が君で君だ

松井大悟らしい男たちが多数登場し、妄想ばかりが膨らんで、大人になりきれない野郎どもの浅はかでバカバカしい行動をとにかく笑って泪してという青春コメディです。男なら彼らのどうしようもない姿のどこかに共感できるのではないでしょうか。こいつら馬鹿だと思いながらも、そこに自分の姿を重ね合わしてみたりと、こんな風になりたくない、俺はこいつらと違うんだと思いながらも、愛さずにはいられない男たち。松井監督、そんなしょーもない若者たちが好きなようですね。借金取り立て人の子分として向井理は出演。

 

 

7 天空の蜂

東野圭吾の20年も前の小説が原作ですが、今の時代に問題を提起するような内容で、その先見の明には感心するばかりです。ここぞというばかりに今になって映画にしたのでしょうか。メインどころには有名俳優を配して、ボリューム感ある作品にはなっています。またすべてを操る犯人の存在も意外なところから出てきたり、或いはこれぞと思った人物があっさり死んでしまったりと、予想できない展開にもワクワクさせられました。ただやはり強引な感は拭えず、特に本木雅弘演じる三島の動機や、実行犯の綾野剛との関係性がいまひとつピンとこないところがあります。娯楽作としては面白いのですが、説得力という面でやや弱かったように思います。主人公の息子の成長した姿が向井理。

 

 

8 ガチ☆ボーイ

決して奇をてらってはいないものの、起承転結がきちんと組み立てられ、盛り上げどころできちんと盛り上げてくれる構成。設定を聞けばあとは期待通りに進んでくれますし、佐藤隆太演じる主人公の学生プロレスにかける思いというものがストレートに伝わってきて、好感も持てます。素直に観れば、ちょこっと笑わされ、ほろりと泣かされる、元気になれる作品に映ったことと思われます。プロレス研究会のメンバーの一人として向井理は出演。

 

 

9 引っ越し大名!

星野源のとぼけた味わいを生かした時代劇コメディです。大名の大移動ということで、参勤交代の某映画と重なる部分はありますが、こちらの主役は引越し奉行。おまけに及川光博演じる殿さまは男色という設定で、しかも戦いにおいてはまったく無力。そんな頼りない感じの殿さまに輪をかけたような頼りなさの主人公の武士ではありますが、人柄は抜群。泣く泣く百姓に身を転じてもらった仲間にも律義に自ら足を運び、再度迎え入れたり、手伝ってもらった元藩士の娘とはその人柄によって夫婦になったりと、とにかく人柄第一。およそ武士らしくない主人公が活躍して最後は出世もするということで、一般人にとっては元気になる作品だったかもしれません。将軍の側近柳沢吉保役で向井理は出演。

 

 

10 娚の一生

祖母と付き合って、そして孫とも…。親子ならともかく、実際にどんな年齢差なんだろうといろいろ考えてしまいますが、榮倉奈々と豊川悦司だから成立するというのはあるでしょう。話題になった足の指へのキスのシーンは官能的であるかどうかギリギリの線だったとは思いますが、榮倉の切なげな表情がなんともいえませんでした。子供を預かったり、台風の中隣の老婦人を助けたり、はたまた東京の親友が訪ねてきたりと、エピソードを交えながらも、これもまたひとつの恋愛の形であると、特に中年男には勇気を与える恋愛映画になったのではないでしょうか。榮倉奈々演じる主人公の不倫相手が向井理。

 

 

11 いつまた、君と 〜何日君再来(ホーリージュンザイライ)

12 ザ・ファブル

13 信長協奏曲 (ノブナガコンツェルト)

14 RANMARU 神の舌を持つ男

15 劇場版  SPEC 結 爻ノ篇

16 きいろいゾウ

17 S 最後の警官 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE

18 劇場版 SPEC 結 漸ノ篇

19 パラダイス・キス

20 新しい靴を買わなくちゃ

カーク・ダグラス 出演映画 ベスト10

 

マイケル・ダグラスのお父さんです。

100歳を超えて未だ存命のよう。

 

1 三人の妻への手紙

「あなたたちの夫の1人と駆け落ちします」の手紙を受け取ったまま船に乗ってしまった三人の人妻。決して派手でもなくスケールが大きいわけでもないですが、きちんと練られた脚本で見せる心理劇は繊細かつスリリングで、ついつい引き付けられてしまいます。三人の夫の一人がカーク・ダグラス。

 

 

2 バイキング

スター競演により、二転三転のストーリーが展開。どいつもこいつも悪い奴ばかりで、しょうもないなあと思いながらも、最後に勝ち残ったのは、唯一悪に染まっていない奴隷だったという展開。最後の決闘シーンは緊張感のある見ごたえあるもので、純粋に楽しんでしまいました。悪名高き海賊王の息子がカーク・ダグラス。

 

 

3 スパルタカス

とにかくスケールの大きな歴史映画。CGのない時代にこれだけの迫力と規模の映像を作り出したことだけでも圧巻。そのあたりはさすがキューブリックといったところでしょうか。主人公スパルタカスを演じたのがカーク・ダグラス。

 

 

4 パリは燃えているか

ジャン・ポール・ベルモンド、シャルル・ボワイエ、イヴ・モンタン、アラン・ドロン、シモーヌ・シニョレ…こちらも豪華キャストが結集。第2次世界大戦でのパリ進攻を描いた戦争映画です。最先端の街パリに似つかわしくない戦争という惨劇の対比、理性と狂気の対比、改めて戦争というものについて考えさせられるともに、パリという街のプライドのようなものも感じられて興味深く観られました。パットン将軍を演じたのがカーク・ダグラス。

 

 

5 テレマークの要塞

いかにもカーク・ダグラスのスター映画ではありますが、原爆というものを扱うことでスケール感を出して、時間が限られる中で目的を決行するまでを緊張感を持って描いています。危機が迫る中でのカーク・ダグラスの活躍ぶりには目が離せず、正統派のサスペンス映画として楽しめるものになっていました。

 

 

6 大西部への道

西部開拓時代の大規模な大移動、しかしその道中は一筋縄ではいきません。内部でのもめ事もいっぱい、嫉妬、対立、恋愛沙汰、妊娠、原住民との確執…そして最後には主人公が突然の死と、波乱万丈の展開。主人公の上院議員をカーク・ダグラスが演じています。

 

 

7 タフガイ

バート・ランカスター、カーク・ダグラスの名優二人が、時代の変化に戸惑う老人の泥棒をコミカルに演じていて、老人賛歌的なクライム・ムービーになっています。これといって劇的な展開があるわけでなく、最後もなんとなくすっきりしない残念な結末ではありますが、老体にむちうって頑張っている主人公に、犯罪者ではあってもエールを送りたくなるような映画になっていました。

 

 

8 ガン・ファイター

かつての恋人との再会、若い娘との恋、実の娘であるという告白。西部劇に欠かせない決闘シーンに至るまでが、西部劇としてはメロドラマティックな展開です。娘を傷つけないように自ら身を引く方法として選んだのが空砲による決闘。この時代の男の美学を観る想いでした。

 

 

9 チャンピオン

ボクシング映画に外れなし。主人公のボクサーをカーク・ダグラスが大熱演。ボクシング特有の迫力とハングリーさを見事に表情でも体現し、リアリティをもって映像化しています。単純なサクセスストーリーとせずに哀愁の漂う結末でしめくくるのもまたこの作品らしさかも。

 

 

10 海底二万哩

次から次へとやってくる困難、逆境。当時としては工夫を凝らした特撮で、娯楽映画として   楽しめるものを作り込んでいます。人食い人種や巨大イカなど、今観ると笑えてしまうような映像も、息つくしまもないワクワク感を呼び起こす要素になっていたのでしょう。楽しい作品ではあります。カーク・ダグラスは銛打ちの名手役。

2010年代映画 10年間ベスト10

 

さて2010年代が終わったということで、

この10年間のランキングを作ってみました。

時間が経って思い返していることもあり、

それぞれの年に作成したランキングとは

多少順番が変わってくることもあるかもしれませんが、

今の時点でということでの順位付けとなります。

 

1 八日目の蝉

20111位。親子の繋がりとはいったい何なのだろうか、そんなことを改めて考えさせられる作品でした。血の繋がりがあっても母親らしいことを何もしてあげられない女、自分の産んだ子供でなくてもそれ以上に深い愛情を全力で注いだ女、そしてそんな二人の母親の想いを売れながらいざ自分が母親として何をしてあげられるのか分からない女。しかしその背景にある不幸な出来事がより構図を複雑化しているわけで、いったい誰が加害者で誰が被害者なのか、それぞれの胸の内を思うとせつなくてとてもやりきれなくなりました。映画として、観ている者の心を揺さぶる力の強さを感じました。良い出来だったと思います。キャストについても、華がありながらもきちんと演技のできる俳優を配してあり、そのあたりにも作り手の姿勢を感じ取ることが出来ました。中でも小池栄子が素晴らしく、ここ数年の評価は伊達ではないこときちんと証明したのではないでしょうか。

 八日目の蝉

 

2 この世界の片隅に

20161位。戦争前に営まれていた庶民の普通の日常から、次第に戦時色が現れ始め、やがてはそれが激しく多くの人々の命を失うほどになった末、戦争は終り、それでも人々は生活を続けていかなければならないというように、戦争の前と後ろを順に描いていくことで、戦争が人々の日常にどのように入り込んでいったのかを丁寧に描くことに成功しました。西瓜を食べたり、絵を描いたり、おばあちゃんのうちに遊びに行ったり、普通に行っていたことがすべて奪われてしまう戦争。序盤は戦争前の庶民の生活を淡々と描いていて、そこにある楽しみや人との交流に、昭和初期の日本人の生活が描かれていて、郷愁を誘う映像が優しく流れ、その中でも親の決めた結婚に従わなければならない当時の女性の生き方も入れ込んだりと、本当に静かな展開。しかし戦争の色が次第に色濃くなっていくとともに、西瓜も作れない、絵も自由に描けない、外も安心して歩けないという状態に。ようやく終戦を迎えたかと思っても、すぐに元通りになるわけでもなし。日本に暮らす普通の人々から見た戦争というものを描き出すことで、そこに改めて戦争というものに対する思いを入れ込んだ反戦映画としては、非常に優れた作品になったのではないでしょう。

この世界の片隅に 

 

3 別離

20121位。完成度の高さに感服しました。とにかくスリリングで一時も目が離せない心理ドラマが展開され、最初から引き込まれっぱなし。会話を聞いているだけで観ている方までイライラとフラストレーションがたまっていくリアルさは、前作以上に磨きがかかっています。一方でミステリー映画としてもきちんと考えられて作られ、いくつかの嘘や隠し事が複雑に絡ませながら、徐々に真実を明らかにしていく手法も見事ですし、伏線もさりげなく貼られていたりするのですよね。さらにさらに、離婚に直面した親子関係、認知症の介護といった、国を問わず多くの人々が抱えている問題もきちんと浮き彫りにしていくあざとさ。もうお見事としかいいようがありません。改めて凄い映画監督です。

別離 

 

4 幕が上がる

20151位。正々堂々と直球勝負でアイドル映画を作りあげようとしたことで、それを大きく超えるキラキラして素敵な青春映画に仕上がったという感じです。人気アイドルにセリフを言わせて、とりあえずストーリーにはめてみましたというやっつけ仕事ではなく、きちんと準備をして、そして手を抜かずに撮り上げたということが十分に伝わってきます。彼女たちの演技も、本格的な映画が初めてということにしてはちゃんとしていて、これなら見せられるというレベルにまで高めて望んでいますし、その彼女らを支える黒木華の演技がまた素晴らしいので、アイドル映画にありがちな安っぽさを完全に払しょくしています。ストーリーも演劇部の活動一本に絞り、青春物語としては恋だの愛だのという要素をまったく排除している潔さも、結果的に奏功したのではないでしょうか。映像面でもいろいろ工夫が観られ、最初から最後まで惹きつけられっぱなし。

幕が上がる 

 

5 ゴーン・ガール

20141位。とんでもないこの上ない悪女の悪行をヒリヒリとするような緊張感の中で描き切ったデヴィッド・フィンチャーの巧みな演出と構成。得意の分野になるとは思いますが、最後まで目が離せずとにかくスクリーンに釘付けでした。面白かったです。マスコミに囲まれた中で上げられたり下げられたりする主人公、さらには警察にも被害者扱いから加害者扱い、そしてまた被害者になったりと、周りに翻弄つれ続けるのですが、それでも精神バランスを崩して狂気に走ったりしない、いい意味での鈍さはベン・アフレックがぴったりとはまります。そしてすべての元凶である妻を演じるロザムンド・パイクもまたはまり役。夫をはめるつもりの予定が思わぬ横槍に会い方向転換、さらにそこで頼った男がとても自分の支配下に置けるような人間でないと判断すると、さらに計画の練り直し。まだましな夫を使って身の安全を確保。そんな妻をとんでもない悪女と認識しながらも、これまた逃げられないように仕向けられる夫。さんざん振り回された挙句に、結局は妻の思うままに転がされ続けなければならない人生。最後はゾクッとしました。

 ゴーンガール

 

6 イエスタデイ

20191位。設定で興味をひくことに成功し、そのあともコメディとしてもラブ・ファンタジーとしても楽しめ、なおかつ有名なビートルズの曲が次から次へと流れ、お腹いっぱいまで楽しめるそんな作品でした。ビートルズに対して特に思い入れのある者でなくても、ついついひき込まれてしまいます。なんといっても主人公とそのマネージャーの、観ていてじれったくなるような関係性がとってもキュート。それはリリー・ジェームズがこのヒロインをとても魅力的に演じているということに大きく因る部分はあるのですが、お互いの相手を好きな気持ちは観ている側からはひしひしと伝わってくるにもかかわらず、当人はそれを上手に伝えられないうちに、すれ違っていくというもどかしさがたまらなかったです。その一方で、他人の作った曲でスターダムを上がっていこうとする主人公の罪悪感、そしていつばれるのかという恐怖も手に取るように伝わり、まさに主人公になりきった気持ちで映画を観ていました。またビートルズ以外にも、コカ・コーラだったり、たばこなんかもこの世から消えていて、そのあたりのくすぐりも上手で、それらを伏線に最後でオチをつけるあたりも面白かったです。

 

 

7 ももいろそらを

20131位。池田愛演じる主人公いづみが非常に魅力的ですし、周りの人物たちもキャラクターが経っていて、作品に引き込まれてしまいました。このいづみちゃん、言葉は汚いし、年上のおじさんに対しても高圧的、いつも一緒にいる友人たちにも常に不機嫌で喧嘩腰、学校はさぼる、お金は抜き取るで、およそ「いい子」とはかけ離れた存在。いまどきの女子高生は…なんてついつい言ってしまいたくなるような女の子なのです。でも逆にそれだからこそ、ここぞという時に見せる思いやりが心に響いてくるのですよね。友人にダブルのショックを与えないための一芝居もそうですし、ラストのシーンもそうです。それに怒ったり、笑ったり、困ったりといった表情の変化が素晴らしい!さらには、女子高生の日常の何の意味もない会話のやり取りがまたリアルで、今この時間に女子高生として過ごしている彼女たちの「生」が感じられました。話の展開としても、めぐりめぐって返ってくる運命的な連鎖に、おもわずニヤリ。モノクロの映像によって、どこかピーンと張りつめたような空気感が常に漂い、一味違う青春映画になっていたと思います。よく出来た作品でした。

 

 

8 世界でいちばん長い写真

20181位。クライマックスのシーン、パノラマ写真が13周も回りながら、全校生徒や関係者のパフォーマンスを撮影していく場面は圧巻です。その間に唐突なプロポーズがあったり、写真に写らない撮影者である主人公の姿も残そうと、鏡を取りに走る女性部長の姿といい、引っ込み思案だった主人公が大声で全校生徒に支持する姿だったり、とにかく高校生活のハイライトの一つである文化祭のそのなかでもハイライトとなる時間で一気に盛り上がる構成は見事です。そして宴の後の余韻を引っ張ったまま4年後のシーンに戻るという流れも素晴らしく、青春映画のキラキラも憂鬱もひっくるめて文化部高校生のリアルを感じることができました。引っ込み思案でやや暗い主人公の高校生男子を演じる高杉真宙、対照的に気が強くはっきりと意見を言う写真部の女性部長を演じる松本穂香、けっして恋愛関係にはない二人ですが、二人とも魅力手なキャラクターになっていて、ついつい引き込まれていきます。年上のいとこ役の武田梨奈も存在感を示し、それぞれが素晴らしい演技をしていました。そしてエンドロール中に撮影した写真がバックに流れるということで、最後の最後まで抜かりない仕掛けで、完全にこの青春映画にやられてしまいました。とても良かったです。

 

 

9 君が踊る、夏

20101位。メインキャストを支える周囲の絡め方のバランスが良く、非常に人どうしの繋がりを感じる作品になっていたと思います。地方を舞台にしていることが、そこに大きく生かされていたのではないでしょうか。またその脇役のキャラクター付けも良かったですね。そしてメインとなる二人ですが、溝端君は誰が見ても正統派のイケメン俳優なので、作品でのキャラクターもそれに沿ったもの。対してその相手役に抜擢された木南晴夏は、「20世紀少年」で気にはなっていましたが、これだけ出番の多い役はやはり「抜擢」といっていいでしょう。結果からすると、この役に合っていて正解だったと思います。自分のことよりもまず人のことを考え、さらに主人公のことを密かに思い続ける一途さ・健気さというものは、いかにも女優然とした女優さんでは無理でしょう。なんといっても表情の豊かさが魅力的で、香織役にはぴったり、観ていて思わずキュンとしてしまいました。演出的にはところどころ、やりすぎだろうと思う部分もありましたが、それ以上に人々の優しさが心地よく、非常に好感の持てる作品で気に入りました。

 君が踊る夏

 

10 あの頃、君を追いかけた

20132位。お互いに相手に気持ちがあるのにもかかわらず、すれ違っていく二人。ここぞというところで自信が持てない男、相手からの告白を待っているものの自分からは踏み込めない女。観ている側からすると、二人の気持ちはあちらこちらに明確に表れているのに、進んでいかない関係がもどかしくて仕方ありません。その不器用なゆえに生まれてくる切なさには、おもわずキュンキュンしてしまいました。最終盤でそんな恋する気持ちが現れたシーンを改めて切り取って編集していますが、そこだけ切り取って見せられると、あーそれなのにそれなのにと、自分がコーチンになった気持ちで後悔の念でいっぱいになってしまいます。まだ携帯電話もメールもないころに始まった恋、途中から携帯電話が登場し、そんなところにも月日の長さを感じさせられます。主演の二人も可愛らしく、魅力的な作品でした。のちに日本でも齋藤飛鳥主演でリメイクされています。

あの頃君を追いかけた