●修道院が舞台の映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

修道院の映画 ベスト10

 

 

禁欲とか、戒律とか、慈悲とか、施しとか、

そんなイメージが付きまとう場所、

今回は修道院を舞台にした映画の特集です。

 

 

1 あなたを抱きしめる日まで

肉親を思う気持ちの深さをつくづく感じさせるのと同時に、人々の救いとなるべき修道院で密かに行われていたそれとは真逆の行為。さらに年月が経った後も組織的に隠そうとする体質。母子それぞれの思いが深い分、そして彼ら彼女らのその後の人生に落とした影を思うほど、この罪深い行為がやるせなく響いてくるのです。一方でこの映画、ただただ暗い、重いというだけでなく、娯楽性もさりげなく兼ね備えているところが素晴らしいところ。息子の人生を探す過程をミステリー調に仕上げ、退屈することなく、終始成り行きに引き込まれてしまいました。

あなたを抱きしめる日まで 

 

2 マグダレンの祈り

教会の名の元に行われる虐待の数々と歪んだ教育、そして堕落した神父。収容者を裸にして笑いのネタとするシーンは実におぞましい限り。賛否両論の衝撃の強い意欲作です。

 マクダレンの祈り

 

3 アヴリルの恋

修道院で育った女性に実の母親と兄と出会ったことから、本当の人生を見つけ出し歩き出そうとした瞬間の悲劇。神に仕える身の主人公が、次第に心が柔らかく、そして表情が明るくなる様子が、見ていて微笑ましく思えます。そしてどんな厳しい規律よりも、血のつながりの強さ、肉親への思いが勝るのですね。

アヴリルの恋 

 

4 オレンジと太陽

自分の由来も知らないまま大人になった子供移民たちの気持ちを思いやり、望みをくみ取り、自らの使命として彼らのルーツを見つけ出してあげたいと奔走する主人公の熱い思い、苦労、そして家族や知人たちの支え…。それらをこうして見せつけられると、事実の重さを感じずにはいられないでしょう。

オレンジと太陽

 

5 天使にラブ・ソングを…

ウーピー・ゴールドバーグ演じる主人公が、身を隠すために修道院に隠れ、音楽を通して尼さん達がひとつになっていく様はなかなか快調。昔の男のハーヴェイ・カイテルがカジノで追いまわすシーンはかなり笑えて、笑いと涙が融合した温かいコメディになっています。

天使にラブソングを 

 

 

6 尼僧物語

修道院に入るところから出て行くところまで、戒律と良心や感情との葛藤の間に悩みながら決意する過程を、主人公を一人の感情と意思を持った人間として、女性としての姿を描く好感の持てる作品になっています。けっして修道院を戒律にがんじがらめで冷たいところだというようには描かず、特殊ではあっても人間的な世界として見せつつも、その特殊な世界の中で抑えなければならない主人公の気持ちの揺れを素直に映し出した作品。

 尼僧物語

 

7 イーダ

モノクロの映像がポーランドにおける過去の重い歴史をより戦慄的なものにしているように受けました。初めて知る両親の悲惨な過去、そして衝撃の事実。修道院という隔離された中で何も知らずに生きてきた主人公が初めて知る様々なこと…自分のルーツや親の悲劇はもちろん、恋を知り、ダンスや酒、たばこ、セックスといったこの世の楽しみを知り、それられを知ったうえで最後に下した決断は、より重く固いものだと言えるでしょう。意志を感じるラストの早足で歩いていくシーンが印象的でした。

イーダ

 

8 マルセリーノ・パーネ・ヴィーノ

たんたんとした童話風の物語。子役の男の子がなかなかいいです。優しくてみんなにかわいがられる少年の役を好演。修道院のおじさんたちがまたみんな優しくてほのぼのできました。

 

 

9 神々と男たち

身近で宗教の問題を感じている人にとっては、淡々とした修道院内の会話や聖書の教えにもいろいろと感じ取ることはあるのでしょうが、そのあたりの理解力が弱い者が観ると、若干難しさや退屈さは否めません。彼らがそこに留まる理由、その裏に葛藤、そのあたりがきっと静かな中にも強く込められているのでしょうが、そのあたりをもう少し読み取る力があれば、もっと興味を持って観られたのかもしれませなん。

神々と男たち

 

10 尼僧の恋 マリアの涙

修道院から実家避難したときに知った恋に苦しみながらも、尼僧への道を選択した少女の苦悩を描いた作品。思春期の初恋ということで、恋愛の苦しさよりも神の道の厳しさ、非人間的世界を強く表現しています。

尼僧の恋マリアの涙