大塚寧々出演映画 ベスト10
中堅どころの女優さんとして、コンスタントに活躍していますね。
クールだけれどソフトな印象で、
多くの映画で存在感を見せてくれています。
そんな寧々さんのベスト10です。
①LIMIT OF LOVE海猿
人気シリーズの第2作目に出演。シリーズの中でも最も強引で派手な作品ですが、その力技によってスケール感のある海難パニック映画になっています。時間との闘いの中での目の前に迫った危機からどう抜け出していくかという緊張感、それを見守る指揮官や仲間の葛藤、フィアンセの無事を祈る恋人、相棒への信頼… スリルとアクションに人間ドラマがしっかりと絡んで、一時も目が話せない展開。大塚寧々さんは怪我をした妊婦役として、重要な役割を果たしています。
②問題のない私たち
女子高生同士の陰湿ないじめを描いた前半、万引きをした教師との対立を扱った後半とはっきり分けられていて、2度楽しめます。それでいて最後はハッピーな気分で終われて、題材の割には後味も良好。一気に観られる作品に仕上がっていました。黒川芽以演じる女子高生の継母役で大塚さんは出演。
③うつつ
物語はクライマックスを見せるための盛大なる前振り。ほっとした瞬間に訪れる現実の世界。その対照として描かれるうつつの世界。そのうつつの世界の中で疑心暗鬼になっていく主人公。何かある、こいつが怪しい、最初からそう思わせて引きつける力がある作品になっています。清楚な妻を演じる大塚寧々だけに、そのまま他人の言うことを信じているわけではなかったのですが、まさかそれ以上の現実が待っていようとは…。
④アヒルと鴨のコインロッカー
この作品は種明かしが大きな要素を占めているのですが、大雑把にいってしまえば、前半と後半で同じで出来事を、前提条件を変えて2度振り返っているという形になります。あとから思い返すとところどころに伏線が張られていて、あとで「ああ、そうだったのか」と気づくのもまたこの手の映画の楽しみ方の一つなのですが、その部分でもなかなか小憎い技をちょこちょこと使ってくれています。ベットショップの店長を大塚寧々は演じています。
⑤燃ゆるとき
とにかく飾り気の全くないくそまじめな社会派ビジネス映画ですが、内容は分かりやすいし、ストーリーの無駄もなく、余計な演出も省き、ストレートに伝えたいことを描こうという姿勢は感じました。遠回りがないので、退屈しないし、観ている時間はあっという間に過ぎていきます。ビジネスにおいても欧米企業のドライで割り切った経営スタイルが可とされつつある現代に敢えて逆行するように、情と和を大事にする日本的な企業スタイルの良さを前面に押し出してきています。その意味ではかえって新鮮さはありました。中井貴一演じる海外赴任した主人公の、日本に残された奥さんの役を寧々さんが演じています。
⑥femaleフィーメール
5編ともそれぞれの目線からエロティシズムについて描いたオムニバス映画です。きちんとしたオチが着いているものは少なく、それぞれがどことなく終わっていく不思議な感じがなんともいえなませんでした。小学生の男の子がガールフレンドの母親に胸ときめかせるという一編の中、その小学生を惑わす母親役を演じるのが大塚寧々です。
⑦休暇
死刑囚を描いた映画というものはわりとあるのですが、この作品は同時に執行する側の苦悩を丹念に描いています。内容そのものも地味でまじめな作品でありますが、単なる仕事としての部分で割り切りない複雑な気持ちが現れ、いろいろ考えさせられることの多いものになっていました。小林薫演じる看守の新妻を大塚寧々さんが演じています。
⑧機関車先生
小さな島へやってきた口のきけない先生(坂口憲二)と子供たちとの交流を描いた、実直すぎるほどまじめに描いたヒューマンドラマ。文科省推薦映画といった雰囲気です。大塚さんは飲み屋の女将さん役。
⑨バッシング
当時話題になったイラク日本人監禁事件で人質の一人になった女性へのバッシングをテーマに描いた作品。日本に居場所を見つけられない主人公の苦悩、周囲の無理解の中で、自分を必要としてくれる居心地の良い場所が海外にあったということを淡々と描いています。大塚さんは主人公の継母という複雑な関係の役どころで、ほぼノーメイクのすっぴん姿で生活感を見事に表現。女優として一皮むけた印象を持ちました。
⑩笑う蛙
大塚寧々演じる妻は、夫が不祥事から逃亡する中、別の男と恋仲になり再婚を望まれる状況になるのですが、別荘で逃亡中の夫と鉢合わせ。頼まれて夫を納戸に匿うのですが、その夫が覗き見している中での恋人との情事。このドＳぶりがなかなかはまっています大塚さん。奇妙な作品です。
ランク外では、『ＨＥＲＯ』『アマルフィ 女神の報酬』といった話題作、少年映画『奇跡』、アイドル映画『瞬 またたき』、ナンセンスアクション『天国から来た男たち』なども印象的ですが、あとはやっぱり、好きではないですが『スワロウテイル』でしょうね。