バーや居酒屋を舞台にした映画 ベスト10
出会い、別れ、事件、夢への第一歩…
さまざまなドラマが生まれる場所でもある
飲み屋さんを舞台にした映画を集めてみました。
①女が階段を上る時
力強いそして実に人間らしい作品です。高級バーで雇われママとして、好きでもない仕事を続ける高峰秀子演じる主人公、仕事のために本来の自分とは違う自分を演出し、気を張り、体を張り、どこか突っ張って意地を張って、それでも生活のために凛として生きていきます。その一方で内面は、病気の甥や妻に逃げられ裁判中の兄、そして老いた母親に頼られ、男たちにも都合よく言い寄られ、自分の存在が一体何なのか、寂しさに襲われる。その両面の描写が実に上手で、華やかな表と質素で人間的な内側を高峰が演じきっていました。
②GO-CON!
居酒屋で行われている合コンを描いた映画なのですが、意外にも最後は純愛で締めくくってキュンとさせられます。場所が動かないにもかかわらず、閉鎖感も退屈感もなく、最後にはハッピーエンドで気持ちよく観終わることが出来ました。そして木村多江、星野真里、内山理名、高橋克典、そしてなぜか古坂大魔王というバラエティに富んだキャストもある意味見所かも。
③コヨーテ・アグリー
クラブ・バー“コヨーテ・アグリー"で働く夢を追う女性たちの青春を描いた作品。主演のパイパー・ペラーボを売り出すにはもってこいの題材で、成功への第一歩を踏み出したところで映画は終わります。ただペラーボのその後は地味な展開。結構期待していたんだけどなぁ…
④居酒屋兆治
函館のはずれで居酒屋を営むわけアリの主人公を高倉健が演じた作品は、いかにも高倉健的な作品で、寡黙で頑固な店主がまさにはまり役。大原麗子、大滝秀治、伊丹十三、佐藤慶と今は亡き名優たちがそれぞれ好演。
⑤探偵はBARにいる
探偵が主人公のハードボイルドものに、ひょうひょうとした大泉洋の個性が味付けされたような作品。その意味で懐かしさと新しさの両方を感じる映画です。話の展開も飽きさせないように工夫され、硬軟とりまぜてまずは面白く観られました。ただ電話のはっきりとした声の演出はどうなのでしょう、観客からするとだいたい想像はついてしまうでしょう
⑥カクテル
まさにトム・クルーズのために作られた映画。いかにトム・クルーズを能力に長けたカッコいい男に見せるか、そしていかに女にもて、それでいて心の奥は一人の女性を愛し守り、責任もきちんととり、友情にも厚い、そんな素晴らしい「奴」に見せるか、その目的のために作られたと言って過言ではないと思います。後半はスピードを上げて動き出し、男として成長していく様を描き、最後はハッピーエンドで爽やかさ満開です。
⑦大停電の夜に
クリスマスイブに大停電が起きた東京のとあるジャズバーを舞台にした群像ドラマです。一見ロマンティックに設定に、豪華なキャストとくると期待してしまうのですが、作品自体はちょっとひねりが足りない印象。人と人の繋がりの妙をうまく見せられていたら、面白い作品になっていたと思います。
⑧鈍獣
バーというか、むしろスナックですね、舞台は。かなりナンセンスなコメディで、ある一線を越えると、異様に腹立たしいだけの作品になる危険性を秘めているのですが、そのあたりはクドカンの技術なのか、あるいは監督の演出のセンスか、ギリギリの線で許せて笑えるところに落ち着かせている印象を受けました。。なんといっても不死身の凸やんを演じる浅野忠信のひょうひょうとした演技が絶妙。
⑨居酒屋
救いようのない結末が用意されている人間心理ドラマの佳作。周囲の人々のわがままや陰謀に振り回される主婦が悲しい。
⑩新・居酒屋ゆうれい
死んだ妻が幽霊として出てくるという、まあ有りがちな題材なのですが、常連達が集まる居酒屋を舞台にした夫婦愛の物語は温かみを感じさせてくれます。