デミ・ムーア 主演映画 ベスト10
一時の勢いはすっかり影をひそめ、
スクリーンで観ることも少なくなってしまいました。
ある頃から「強い女」というイメージが強くなってしまい、
役の幅が限られてしまったこともあるかもしれません。
近年は作品的にもあまり恵まれず、
そのあたりの選択眼も低迷の原因になったでしょうか。
そんなデミ・ムーアのベスト10です。
①ア・フュー・グッドメン
海軍での殺人事件に関する裁判を描いた法廷サスペンスです。トム・クルーズ、ケヴィン・ベーコン、キーファ・サザーランド、キューバ・グッディングJr、ジャック・ニコルソンという豪華キャストの硬派な作品ですが、非常に見応えある作品に仕上がっています。内部調査部の少佐を演じるデミ・ムーアも控えめな演技が功を奏し、好感の持てます。
②セント・エルモス・ファイアー
卒業したばかりの社会人男女7人の迷いや揺れを描いた青春映画です。モラトリアムから抜け出せない7人、ある意味駄目な男女7人の儚い日常と、それでも前向きに妥協もしながら足を踏み出して行こうという様子が伝わる。最後、学生の少ない店を待ち合わせの場所に選んだところに、やっと学生時代からの決別への決心が感じられる。当時の青春スターが集まり、その一人としてデミ・ムーアも出演。不倫の末に自殺騒動を起こす、お騒がせ女の役。
③ゴースト ニューヨークの幻
彼女の代表作で、まさに人気もピークに到達したころの作品。死んでしまった恋人がゴーストとなって現れるというファンタジーで、いうまでもなくムーアは主演。良くできた作品であることには違いないですが、どうもこの作品の彼女の表情は好きになれませんでした。
④幸福の条件
金で愛を買えるかをテーマに、特に夫にとって酷い展開が繰広げられます。強引な金持ち男にはピッタリはまっているロバート・レッドフォードと、夫がいるのにすっかり注文通りにはまって行く「愚妻」のデミ・ムーア。ただこういった普通の妻は合わないような気もしました。でも映画としては少々刺激も強く、面白く観られました。
⑤ディスクロージャー
あまりに品のない映画なので5位にはしましたが、面白いし、デミ・ムーアとしてはぴったりのはまり役。部下のマイケル・ダグラスを翻弄女上司の悪女ぶりは、むしろ頼もしいほど。逆セクハラ映画ともいうべき企業サスペンスムービー。
⑥Ｍｒ.ブルックス 完璧なる殺人鬼
ケヴィン・コスナーが「殺人依存症」の男を演じる異色のサイコ・サスペンス作品です。主人公は、世間的には家庭を持つ裕福な実業家、しかし悲しいかな、やめたいとは思っていても、結局は殺人に手を染めずにはいられないという生まれながらの遺伝子を持ち合わせています。殺人は慎重に、完全犯罪を成立させ、追う警察もなかなか彼のところにたどり着くことはできなかったのですが、ちょっとしたことから、ほころびが生じて動き出すのがこの作品。捜査を担当する女性刑事をデミ・ムーアが演じています。
⑦スカーレット・レター
陳腐なラブ･ストーリーだと思って前半はみていましたが、次第にドラマティックになってきて、最後はこの手のストーリーにありがちな悲劇ではなく、前向きなハッピーエンドといってもよいクライマックスに、どこかほっとしました。ただデミ･ムーアはいまひとつ表情の乏しい演技をしていて、どうもこの人は正統派の恋愛映画には向いていなかったのではないでしょうか、という印象が残りました。
⑧Ｄｅａｒフレンズ
「スタンド・バイ・ミー」の少女版的な匂いのする、女の子のグループの夏休みの出来事を描いた友情映画。回想形式をとていて、大人になった少女の一人をデミ・ムーアが演じています。ノスタルジックな味わい。
⑨ボビー
オールスターキャストによる作品で、 ロバート・Ｆ・ケネディ暗殺前後を描いたエミリオ・エステヴェスの意欲作。ムーアは前座の歌手の役。
⑩愛を殺さないで
殺人事件の参考人として登場するデミ・ムーア。実は彼女は夫を殺していたわけで、それが明確にされるまでの警察とのやりとりや言動の揺れを描いたサスペンス映画。かつての夫ブルース・ウィリスと共演しましたが、作品としてはたいしたことありません。
